57. 無事に卒業して、晴れて僧侶に
3月の半ば過ぎ、いよいよ最後の試験です。
これに合格点を取らなければ、百日の行を終了して、阿闍梨として認められても、百日の行だけを全うして阿闍梨になった人となんら変わりなく、ここの卒業生とは認められません。
残りの9カ月は、社会的にはやらなかったのと同様の扱いになってしまいます。多くの科目が筆記試験ですが、それとは別に実践の試験があります。
それは、読経と声明と布教です。読経は、経本を見ながらお経をあげるのです。そして、無事に合格して、卒業することができました。みんな抱き合って泣いていました。やはり、一年は長かったし、過酷な毎日だし、制約も多かったので感激もひとしおかと思います。
残念ながら、私は、他の参加者とは違い、この後、僧侶として活動することはありません。ここで、僧侶としての資格を得た歴代の参加者でも、ここを卒業後に僧侶の道にすすまなかったのは、自分だけだったと聞いています。しかしながら、これだけの有意義ある過酷な1年を耐え抜いてきて、1人でも多くの卒業生が神仏のご意思に沿った働きができて、それを次の世代へよりよい形で伝えていってほしいと心から思いました。




