53. 僧侶としての実践授業
3週間の冬休みを経て、3学期の始まりです。これからの3ヶ月は、卒業した後、実戦として必要なことを多く学んでいきます。
まず、布教の授業です。これは檀家さんに対して神仏の話しをする機会が多いので、素人にわかりやすく話すための練習です。知識はもちろんですが、テクニックがとても重要になってきます。最終試験は、約60人を前にして神仏の話しを10分行ないます。しかし、条件があって、神様、仏様という言葉は、絶対に使ってはいけない。それから、話しを 対象者は、小学生だけというのが条件なのです。
10分というのは、いざ始めてみるとかなり長く、小学生相手だと、かなり言葉を選ばないといけないし、それでいて、神仏のことを伝えなければいけない。それはかなり難しいことです。こんなことまで授業があるとは思わなかったですが、もっと驚いたのは、寺院経営の基礎知識です。僧侶になるつもりのない自分は、全く必要ないので、興味もないし、聞いていても忘れてしまいましたが、かなり後継ぎの人たちにはためになり、よかったようです。まさに、お寺のことは何も知らない人もいて、全国でもかなりのエキスパートになるのですから、手取り足取りという感じがします。
ここに、約一年間いてみんなを見ていると、意外にも、本当に神仏を信じていないと思われる人がけっこう見られたのは、とても残念でした。それに、昔は、一般的に、坊主丸儲けと言われ、極端な金額を要求するお寺もあったようですが、あれから30年が過ぎて、料金設定がだいぶ変わってきているような話を聞くので、今では少しはよくなってきているのかもしれません。




