47.つらい修行も、まだまだ序の口
ここでは、1年間、男だけ80人からが寝食ともにして生活して、自由もなくタイトな日々。トラブルもなく、みんな規則正しく送れるわけなどありません。真面目な人ばかりではないし、修行のつらい毎日は、ストレスは溜まるし、イライラもつのり、喧嘩も起きる。授業中寝てる人、汚れた足袋を平気で履いてる人、色々と違反をしている人、等々。
そこで、罰則として課せられるのが、写経です。基本的には、般若心経を毛筆で10巻書かなけばなりません。これだけ、忙しい中での写経10巻はとても厳しい。
それに、誤字があれば書き直し。その違反内容によっては、21巻になることも。もちろん、あまりの違反には、退去もあります。般若心経なんて、ここにきて、初めてみる人ばかりだし、写経をやらされるような人は、元々書道とは縁のないような人たち。
でも、まあ、授業中寝てしまった人はちょっと可哀想な気もします。足袋の汚れも知らず知らずのうちに汚れてしまって、見られてしまったら、運が悪い。だいたい、楽に過ごせるわけもないのです。
真冬にこっそり電気毛布で寝てた人とか、喧嘩してた2人、とか。卒業までに8人は辞めましたが、全員、夜逃げでした。そのうちの1人は、お寺の跡取りで、檀家さんから餞別までもらって、高野山への出発会まで催されて、みんなにバンザイまでされて来たのに、その後どうなったのか、他人事ながら心配になりました。




