45. 頭を剃ること
この1年の間に、小さなことですが、意外に大変だったことがあります。それは、頭を剃ること。当時でも、お坊さんというのは、誰でも頭を剃っているわけではなく、さすがに長髪はいませんが、スポーツ刈りくらいに伸ばしている人はけっこういたものです。特に、都市部では、珍しくないことです。
しかし、ここでは、修行中ということもありますが、ここはやはり真言宗の本山ですから、全てが厳しく、当然、頭はツルツルにしなければいけません。高野山内では、みんな剃っていました。山内には高齢のお偉いさんたちがいますから、特に、私たちはいつでもどこでも見られていて、外を少しでも伸びた頭で歩いていたら、すぐ通報されます。頭を撫でると何となく手に当たる感じがあると、もうダメです。自分は髪の毛が多くて硬い、そして、伸びるのも早いので、2日に一度は剃っていました。
ところが、これがなかなか難しい。最初は入浴時にカミソリで自分で剃ってみましたが、感覚がつかめなくて、鏡を見ると、血まみれに!色々と試してみましたが、やはり、頭を剃るのは人にやってもらうのが一番ということになり、友人同士でお互いに剃ることにしました。電気カミソリも試しましたが、あれだと全くのツルツルにはならず、なんとなく残るので毎日剃らなければいけないのです。
それから、もう1つ驚いたことがありました。頭をお風呂で剃ったあと、全身を洗って、そのまま頭も一緒に洗っていましたが、非常に頭皮が荒れてしまい、ガサガサになってしまいました。色々と調べてみると、それは、頭をシャンプーで洗わなかったせいでした。
実は、シャンプーとは、基本的に髪の毛のためだけに使うものではなくて、頭皮のためのものでもあったのです。
シャンプーにしてからは、頭皮の感じもすっかり良くなって、表面が、すべすべで、きれいになりました。その後、1年がすぎて1年ぶりに髪を伸ばしたら、なんと今までとは全く違う少し柔らかい髪の毛になっていたのでした。
今までは、自分の髪の毛は生まれつきとんでもなく硬くて、昔、美容院のいつも刈ってくれる担当の人が、普通刈るのは、ハサミ一本でやるのが普通だけど、私のは非常に硬いので、途中で切れなくなってしまう。それで、仕方なくハサミを取り替えるのだという。とても美容師泣かせだと言われました。しかし、こんなに変わってしまうなんて、いやあ、人間の身体って、神秘ですね。




