37. 過酷な環境、過酷な生活
部屋は2人で一部屋で、壁はベニヤ板のペラペラで、向こう3部屋先の話し声が聞こえるという安普請。高野山は山の中ですから、冬の寒さは半端じゃありません。10月には気温がすでに零下になります。さぞかし雪が積もるのかと思ったら、20㎝ほどだったので意外でしたが、実は本当に気温が下がる寒いところは、雪はそれほど積もらないらしいのです。案の定、年が明けると、零下20℃まで下がりました。
食事の時、食べる前に食前作法が15分ほどありますが、食べるまでに、お味噌汁が多少シャリシャリになっていて、驚きました。お茶も少し凍ります。なにしろ、高野山に住む人の家庭にある冷蔵庫は、私達の住むような下界とは使っている意味がちょっと違うのです。真冬は、冷蔵庫の中よりも外の方が寒いので凍らないために冷蔵庫に入れるらしいです。冷蔵庫の中より冷蔵庫の外の方が温度が低いとは、高野山はとんでもないところです。
そんな中、この寮は、暖房は一切禁止で、冬は極寒な中で過ごし、高野山は、盆地なので湿度がすごくて、夏はとても蒸し暑い。夏暑く冬寒いという、最悪の気候で、まさに修行にはもってこいなのかもしれません。
人の住むところではないと思いました。みんな、その話しを聞いて、入学した途端、帰りたくなりました。冬が来るのが怖い。しかし、それ以上に、もっともっと帰りたくなるのには、大して時間はかからなかったのです。




