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ブレーメンの錬金術師は散財したい  作者: 初鹿余フツカ
1章 初心者猫はお金が欲しい
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4.錬金術と露店通り

 ログインしたのでまずはお庭へ。まだ何も生えてない、残念!


 結構雑草生えるまでかかるのね。

 まあ、景観整えた庭がすぐ雑草だらけになったら困るから、生えるまでの期間はかなりかかるのかもしれない。とりあえず『経過』を打ちまくる。


 魔力がなくなったので休憩ついでに、街に来るまでに拾っておいた枝を出す。ちょっと少ないけど、まあ大丈夫だろう。

 …チュートリアルで伐採した青ブナの木? あれ一本丸太だから、木工スキルでもないと加工出来そうにない。街の木工所とかいくと高く買ってくれるそうなので、後で売ろう。


 やりたいのは焚き火だ。小枝を組んで、点火で火をつける。料理鍋…は三脚がないからかけられないか。残念。今度買っておこう。今は魚が焼ければそれでいい。

 『料理(焼く)』スキルのLV上げというか、食べ物作れるなら作っておこうかな?と思って。


 初心者用ナイフでリバーフィッシュの下拵え。といっても内臓出すくらいだけど。あ、塩くらいいるか。マケボで買うか。たぶん高いだろうけど、マケボに並べておいたやつ全部売れてたから、まあいいや。

 ……いろいろな塩があるぅ!

 『ハーブソルト』が気になるのでこれ買おう。

 ただの塩と値段が変わらないし、良心的(な気がする)。塩がぼったくりなだけなんだろうけど。


 手を交差して斜め向きの塩振りポーズでパラパラするだけで美味くなる気がする。適当に魚を小枝で串打ちして、火の傍に突き刺す。5本しか並べられん。しかしたぶんこれで合ってる、という感じがするのでなんとかなるだろう。

 何となく『微風』で焚き火を煽ったりしつつ、いい匂いがしてきたので完成だ。


『焼き魚(ハーブ塩)』


 わーい、美味しそう。

 さっそくはぐはぐとかぶりつく。おいしい! ハーブソルトで臭みも消えているのか、塩と香ばしさと、魚の独特の風味がいい具合にマッチしている。

 焼いた状態で保存していつでも食べられるようにと思ったのに、三匹ほど勢いよく食べてしまった。

 ログインしたてで空腹だったのかもしれない。串焼き(肉)もあるし、この焼き魚は食べてしまってもいいのでは…とちょっと思ったけど、お腹が膨れてるし、無理に食べなくてもいいかとあっさりあきらめることが出来た。

 …さすがゲーム、食への欲望が断ち切りやすいだと…? 現実に実装してよ!


 焼き魚をしまう頃には焚き火は燃え尽きてしまったので、残りの五匹を焼くことはかなわなかった。うーん、失敗、食べる前に焼くべきだったな。反省。

 リバーフィッシュの残りは、料理鍋を使うときに使用するとしよう。ヒールミニトマトと一緒に煮込むかな? なんか香草が欲しいな。


 焚き火の灰が残っていたので試しに手を当ててみると、ちょっとの熱と共に『灰』が手に入った。肥料に出来るかな? 『微風』で撒き散らし、『耕土』でポコポコ土を耕しておいた。

 …雑草生えるまでの期間、リセットされてそう、と思ったけど、熟練度上げも兼ねてるから無駄にはなっていない。何も問題はない!

 『経過』を乱発したあと、マイルームを出て街の探索と行こう。


 昨日書いたやりたいことリストがこちら。


『農業ギルドで植木鉢用の土を買う』

『ヒールミニトマトを植える(増やす)』

『毒草を食べてみる』

『三脚や調理道具を買う』

『トマトと魚を煮る』New!

『香草を探す』New!

『露店を開く(可能なら初心者ポーション買取)』

『スリングを買う』


 ちょっと増えました。


 土は農業ギルドで買うけど、あとは露店とか色々と見てみたい。今日のところは探索重視で、育てたり作ったりはまた今度にしておこうか。

 つまり買うものは土、三脚や調理道具(木ベラとか)、スリング。それから可能なら草を採取しに行く。ルイの食事もさせたいし、牧草も集めておきたい。

 行くところは農業ギルド、露店通りを行きつつ、道具屋と武器屋かな?


 ルイの背に乗って街を行く。

 騎乗者が人族の子ども以下の背丈かつ、ロバなどの体高が低くおとなしい生き物であれば、街中での騎乗は認められている。調教主がそばにいないとダメだけどね。

 混んでると道の先が見えなくなるから、ルイに乗れてよかった。


 のんびり歩いて露店を冷やかす。自由都市はさまざまな場所へのアクセスがいいので、LV帯が偏らないのか、いろいろなアイテムが並べられている。

 露店の定点観測スレとかあるけど(ああいうの出来る人すごいね)、廃都は初心者向けが多くて、学園都市は初心者向けと上級向けで露店の場所が分けられたりしてるらしい。住み分けって時には大事だ。


 自由都市の露店通りは住み分けとか全然ないらしくて、ごちゃ混ぜだ。というか出店量が多すぎて住み分けとかもはや無理なんだとか。

 うん、通りの両脇ビッチリどころか、道の真ん中にも露店がある。右側一方通行、てなんだこりゃ、カオス。『露店』の仕様でその露店内を覗いていたり交渉したりしている間は通行の邪魔にならないようになってるから可能な配置だろう。

 傍目にはぎゅうぎゅうに見えるのだが、通りに入ると意外と余裕がある不思議。それでいて露店から露店への移動はスムーズ、よくできている。


 この辺が道具の露店で~みたいなことはなく、カオスな配置なのでひとつずつ露店を覗いて目当てのものを探す仕様、なかなか大変。

 ジョブが商人の人は看板が出ているので、わかりやすい。スキルの交易だけだと、看板は出せないようだ。そういう差があるのね。

 露店の中で自作看板を置いてる人は多いんだけど、システム的な看板は遠くからでも見えるので強い。露店のときだけジョブ変えたり、みたいなのは一般的ではないんだろうか?

 商人のジョブになにか制約があったりするのかね?


 あれこれ考えつつ覗いていると、露店の中から声をかけられた。


「お、猫ちゃん初心者ちゃん? 初心者ポーション買わない? 10本1zで売っちゃうよ~」

「買う」


 それは即決。

 なるほど、露店ならではのまとめ売り、それがあったか。


「まいどあり~、何本買う?」

「何本ある?」

「もしやその為りで特攻野郎なのかい猫ちゃん」


ちょっと引かれてしまった。


「錬金術する」

「おお! いいね、LV20以下の錬金術師! 万能薬ある?」


 やっぱりそれ、掲示板にはなぜか書いてなかったみたいなんだけど、知られてるやつなのか。というか何本ある?て聞いた段階で錬金術の見当ついてたんだろうな。


「ある、買う?」

「異常回復pot100本と8万zでどお?」


 昨日私が売る前は120kzとかが売れ残ってるくらいだったが、早速私が売った分が転売されてるのか、80kが出ていた。材料をくれるので手間賃と考えると私には丸儲けだ。


「1本売る」

「やーまいどまいど、ついでに通常potは700、魔力は300、スタミナは400あるよ」

「通常だけでいい。全部もらう」

「まいどあり~在庫処分、感謝! なんか売れる錬金アイテムあったらご贔屓に」


 会計は露店のシステムで行われるので心配がなくてよい。

 わー、一般potに比べれば1/20の重さの初心者potも、700ともなるとずっしりだ。持っててよかった『運搬』スキル。


「珍しいねえ、『運搬』持ちの猫ちゃん」

「猫は運搬がないと何も持てないにゃん」


 猫だからね。というか今自分が猫なことを思い出しました。

 にゃんにゃん。


「持たなくていいにゃん? 下僕を作るにゃん?」

「猫は気楽に生きたいにゃん」

「それもそうね~猫だもの」


 にゃんにゃん。

 露店のお兄さんが売ってるアイテムは初心者向けかつお安いものが多い。初心者支援でもしてるんだろうか?


「猫ちゃん、検証とか興味ない? 初心者服の合成とか試してみない?」

「初心者シャツ5枚と初心者ズボン5枚とか?」

「そうそう、そういうやつ」

「初心者ローブになりそう」

「うーん、夢がない」

「錬金術は夢のないスキルにゃ」

「既に悟ってますな~その通りなんだけども!」

「シャツ10枚を圧縮のが夢が見れる気がする」

「お? 予想は?」

「初心者の…布?」

「おお、なるほど、素材に戻るわけね。ちょっと気になるな、やってみてもらえる? シャツならたぶん結構集まるわ」

「ここで?」

「錬金釜持ち歩いてるの!?」

「ないにゃ」

「よかった、マッスル猫ちゃんじゃなかった」

「実際見た方が検証になるのかなと思って」

「それはたしかにそうかも? 露店で錬金術自体は出来るんだよ、自分のならね」

「んー、ならどこかで露店開くにゃ? ゴザある」

「おや商人…、てそうか、猫ちゃんは種族で『交易』があるんだっけ」


 とりあえず露店のお兄さんとフレンドになってもらい、ゴザを敷く場所を見つけたらそちらへシャツなどを持ってきてもらう、ということで話がついた。

 検証するので材料は向こう持ち、出来たものは何であっても買い取ってくれる(買い取れない初心者アイテムの場合は規定の金額を払う)とのこと。


「初心者アイテムの圧縮が出てきたのは第三エディションからなんだけど、売買制限のせいで新規錬金術師くらいしか試しづらいのよ。でもみんなお使いクエストで弾丸しちゃうからね」

「猫も疲れたから止めただけで、弾丸になるつもりだったにゃん」

「猫ちゃんの体力がなくてよかったにゃん? ロバ乗ってた?」

「乗ってた。うろうろすると疲れるにゃん」

「まあね~、慣れない内は街歩きの方が大変よ。ダンジョンより迷うと評判の自由都市だからね」


 地図はあるけど大まかにしかないもんね。裏通りもあるし、住宅地とかもちゃんとあるので、めちゃくちゃ広いのだ、自由都市。


「そういえば猫ちゃんは露店で何かお探し? よければ知り合いに聞いたげるよ?」

「スリングと、焚き火で使う三脚と木ベラを探してたにゃ」

「あー、合成石礫? 売らずに使う感じ?」

「猫は非力にゃ」

「そうね~、魔力も少ないんだっけ? 投擲系デバフテイマーは猫ちゃんには多い型だねえ。お金かかるけど、商人ちゃんでもあるし」

「マネーイズパワーにゃん?」

「パワーにゃん。料理もするの?」

「料理は今は『焼く』だけにゃん。次は煮るにゃん」

「おお…ラーニング『料理』の取得は茨の道にゃん。攻略を見ることをオススメするにゃん」

「猫は煮て焼いたらもう料理だと思うにゃん?」

「超シンプルだにゃん?」


 にゃんにゃん。

 普通に一般的人間アバターのお兄さんが猫に付き合って真顔でにゃんにゃん言ってるのはちょっと面白い。


「猫ちゃん調薬はしない?」

「猫にお薬はダメだと思うにゃん?」

「調薬外しは珍しいタイプだねえ」

「猫はドサッとしてチンするのが好きにゃん」

「ワイルドにゃん」

「猫だにゃん?」

「たしかに~。調薬しないなら『薬草玉』買い取ろうか? あと三脚・木ベラとスリングはフレのところにあるらしいから、検証のときに持ってくねえ。どれも初心者向けの性能だから検証代ってことで納めてもろて」

「貢がれるのは好きにゃん」

「猫ちゃんマジ猫ちゃん」


 話しながらもお兄さんはフレと連絡を取っていたらしい。なお薬草玉は試したいことがあるから、買取はしてもらわなかった。


 お兄さんと「ゴザ敷いたら連絡ちょうだい~」と言われてお別れして、更に露店通りを流れていく。

 ううむ、三脚と調理道具とスリングが片付いてしまったからあまり見るものがない。

 あと初心者pot700個は、運搬があってもさすがに重く、下手に買うと重量オーバーになってしまう。なったらルイに乗せて、私は降りるという手もあるが、降りると街歩き大変だしな。ルイの後ろに荷物置ける鞍が欲しい。

 テイマーギルドにあるかな?


 あと見るものは種とか農業系のものがあれば……あ、スコップとか欲しいかも。如雨露はなくても魔法で水やり出来るからいらんけど。

 ざっと見たところ、生産の道具類はあまり販売されていない印象。

 露店は消耗品や素材のまとめ売りや買取、それに装備類が多いっぽい。


 さっきのお兄さん――フレンドになったので名前は『フーテン』さんと判明――のように中に店主がいる露店はあまりなくて、だいたいは無人か、ぬいぐるみのような身代わり店主がいる。

 身代わり店主はジョブ商人の特殊スキルらしい。ぬいぐるみに話しかけると、店主に通話が繋がるので、店主が別の場所で作業しつつ、露店で交渉も出来る仕様。生産商人にはありがたいスキルなのだとか。


 露店通りの右側端まで来たけど、隙間はなかったな。とりあえずここまで通るとギルド通りが近いので、農業ギルドに寄ってしまおう。



 農業ギルドで土を購入、の前にマイルームで初心者potを棚に仕舞わねば、土が持ち帰れないわ。

 どのくらいの土が必要かわからなかったので、植木鉢も持っていくことにする。

 メインジョブを『見習いファーマー』に変更して、農業ギルドの受付へ。植木鉢に入るだけの土を購入。初心者用腐葉土(野菜用)で1000zだった。

 あとは、マイルームで畑をやるのに必要そうな農具を見る。いろいろ見て悩んだが、耕すのは魔法でいいし、種を植えるのに必要そうなシャベルと、剪定に使うハサミだけ購入した。

 ふたつ合わせて10000zと初心者にはちょっとお高い。ちなみに使わなくてもいい道具類は、農業スキルの成功率や、出来上がりの品質を上げる効果がある。


 庭が出来るまでにもうひとつくらい植木鉢買ってもいいかな? 土もセットで3万か。プランターなら5万。うーん、プランターなら庭に置いてもいいし、よし、買ってしまおう。今の私は万能薬長者よ!


 プランターも買って、後は種。

 トマトはあるから、次は茄子かな? と思って種の売店を覗くと『薬草』と『毒草』しかラインナップになかった。これはいったい…? あ、ランクが上がらないと増えないやつか。

 ジョブランクを上げるには、作ったものを納品することだ。しかしヒールミニトマトで料理をしたいので、これを納品するのは惜しい。

 とりあえず『薬草』と『毒草』、両方買っておこう。たぶん毒草はヒールミニトマトだろう。違っても食べて耐性上げに使えばいいや。

 種はお安くて、それぞれ10z。10粒入りらしい。プランターで薬草育てようっと。


 マイルーム畑に使う家具類などもあるようだが、これはランクが上がらないと解禁されないらしい。ふむふむ。


 農業ギルドを後にして、次は錬金術ギルドだ。圧縮たくさんしたし、ランク上がらないかなと思って。


 錬金術ギルドで『圧縮したアイテムをひとつ納品』『アイテムの圧縮を30回行う』『二段階圧縮したアイテムを納品』まで報告をするとジョブランクが上がり、見習いが取れて『錬金術師』になった。

 なったのだが、ついでにLVも11に上がった。わあ、ジョブ報告って経験値も入るやつか。LV20をまだ越えたくないので報告はちょっと考えないといけないかもしれん。


『おめでとうございます。LV10になりました。SP10とプレゼントボックスを入手しました』


 アナウンスにお祝いもされた。

 このゲームは種族LVが上がる毎にもらえるのはステータスポイントとスキルポイントが共同のSPで、2~5ポイントほど。LVが上がる毎に増える。でもLV70台でも5らしい。渋い…。

 そしてそれとは別に、種族LV10毎にSP10が手に入る仕様。

 猫はLV上げで手に入る方はステータス、アナウンスで手に入る方はスキルに回すようにしている。そうじゃないとステータス上げるの忘れそうなんだもん。


 ちなみに納品したアイテムは初心者圧縮potと通常ポーションである。通常ポーションは詰め合わせでもらったものもあり、普通に混ざってたのだが、ちゃんと報告が通った。ゲーム的!


 錬金術の売店は大したものが売っていない。

 錬金釜の下に火種を入れる必要があるので、そのための火魔石とかが売っている。その他の属性の魔石も売ってるのは、火以外を入れて作る錬金術もあるってこと?

 私のランクで買えるってことは、圧縮にも使えるのだろうか?

 そして火魔石の代用が『着火』で出来てるのなら、他のも生活魔法でいける? 水と風と土、光は使えるとして、闇がないか。『暗源』覚えないとなー。


 そういえば生活魔法で魔法師ギルドっていっていいのかな? 『生活魔法師なんて…(ぷーくす)』みたいなお約束があったりして。いやないか。

 SP払ってる正規スキルならジョブ取れるだろうし、行ってみよ。


 結局錬金術ギルドの売店は冷やかしただけで終わりだ。だってランク的に家具は買えないし、魔石くらいしか見所がなかった。

 発見があったのはよかったね。


 次はテイマーギルド。

 報告しようかと思ってたけどとりあえず置いておくとして、売店で鞍を探す。

 荷置き付き乗用鞍、ありました。高い! お値段15万z。でも買っちゃう。外出たら絶対必要になるもん。


 従魔に荷物を持たせるには、使役主が『運搬』スキルを持っている必要がある。そうしないとそもそも従魔用の鞄アイテムを使用することが出来ない。『荷置き付き乗用鞍』はロバなどのための鞄アイテムでもあるわけだ。

 『運搬』と、従魔に鞄アイテムを所持させて初めてそこに従魔用のインベントリが開く。騎乗出来る従魔はさすがに所持重量が多い。なんと15000もある。やったぜ。

 家具はまだ買えないけど、犬小屋とか厩舎とかあるらしい。いいな。いずれ犬も飼いたい。


 売店は従魔の食事もあった。

 牧草も100zで売っていた。野菜類もあり、おやつというかご褒美な感じかな、好感度上昇用の食糧。ロバは人参と林檎。野菜は農業のランクが上がったら種が出てくるかな? 出てくるといいね! それまでは買おう。

 人参ぽい『黄キャロ』と林檎らしき『赤ポム』を10個ずつ購入。ひとつ10z。素材としては最低ランクであり、飼料として取引されているアイテムなので、料理への使用はおすすめしないらしい。


 お次は魔法師ギルド。

 特に何事もなく『見習い魔法師』のジョブがもらえた。

 魔法師ギルドの売店には杖や指輪といった魔法発動体が売っている。さすが戦闘職の装備だけあって高い。

 初心者装備に杖ってあるんかな? 後でマケボで探すか、お兄さんに聞いてみよ。なくても全然使えてるけど、効果が高まるというなら気になる。


 他には、魔法も売られている。魔法、というか教本だが。

 魔法はスキルLVの末尾が5で自動的に何個か覚えるのだが、攻略を進める段階で、魔法を覚えたいのでスキルLV上げたいが狩場に行くための魔法がない、という服を買いにいくための服がない現象(?)が起きる。そこで役立つのが教本売店だという。

 スキルLVに合わせた多彩な魔法教本が販売されていて、購入、学習すると魔法が生える寸方。

 教本は高いが、学習なしで魔法を覚えられる『インプット』は更に高い。ちなみに教本学習はかなり時間がかかる上に博打要素もあるとかで、インプットが推奨されている。


 教本売店を覗くと『生活魔法教本2』が売られていた。むむ。これは気になる。買うか!

 10万zした。

 万能薬長者はあっという間に消えた。もう少し高く売っておくべきだったか…。またポーション買い占めよう、あればだけど。


 魔法師ギルドにも家具は売られていた。『水晶玉』とか何に使うんだろうね? 占い?


 ついでに探索ギルドも寄ってみた。

 『隠れる』『軽業』があるなら見込みがある、と『見習い探索者』のジョブがもらえた。そして『調査』や『発見』スキルを取るようおすすめされた。なんかよさそうなスキルだ。SPあるし取っておこう。

 両方ともパッシブだったらしく、5SPずつ10SPを消費して取得。


 『調査』は能動的に調べるとき情報が見つかりやすくなるスキル。

 『発見』は採取スポットなどが見つかりやすくなるスキル。『調査』と組み合わせると効果が上昇し、そのうち『罠発見』などのアーツを覚える。

 これは良スキルなのでは? 来てみてよかったかもしれん。


 売店は七つ道具みたいな装備が売ってた。あ、スリング売ってる。弾も。

 詳しくなくて知らなかったんだけど、スリングとスリングショットて別の装備なんだね。スリングショットの方をスリングだと勝手に思ってたわ。

 スリングは投石器とか投石紐とも呼ばれるもので、遠心力で石を飛ばす武器。

 対するスリングショットは、別名パチンコとも呼ばれる、弦の弾性を利用して飛ばす武器。

 スリングは構造が単純で素材も少ないからか、1000zで出ているが、スリングショットは5000zする。素材的には弓と似たようなものだからか?

 飛ばす弾も、スリングは大きめ、スリングショットは小さめなのかな? 共用出来るものも多いようだ。

 石礫というくらいだから、錬金術で作れる弾はスリングショットの方を想定してる…のか? わからん。どっちもあっていいのでは。


 この売店は特殊な装備を売っているわけではないので売り切れたりしないし、また今度見に来ようっと。

 七つ道具とかは心引かれるけど、ダンジョン入る予定は今のところないし。入ることになったら準備に来よう。忘れずにメモしておかねば。



 ギルド巡りも終えたので、いったんマイルームに戻ってプランターなど荷物をおろし、錬金釜を出す。

 ううむ、これと一緒に旅するの、猫には無理だよ…。初心者抜けたら小型化してくれるんだろうか?


 さて、ゴザも持ったし、露店通りに露店を開くぞ!



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― 新着の感想 ―
「にゃん」付けは付ける言葉によっては変になることが多いから暫くするといつの間にか使わなくなって汎用性の高い「にゃ」や「にゃー」になりがち
[気になる点] 行動でスキルを覚えるシステムがあるゲームで、スキルポイントとステータスポイントが共有ってやばない?そうでなくてもヤバいのに。
[良い点] 読み直してましたがこの辺りの、錬金術で色々やってるところも楽しい。 そして自分が猫であることを自覚した猫さんは強いですね。精神的に。
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