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ブレーメンの錬金術師は散財したい  作者: 初鹿余フツカ
1章 初心者猫はお金が欲しい
27/281

26.無属性魔法

区切りの関係で短めです

「ほんとに15種類ある…」

「『浄化』で『浄水』てことは、『浄化』は『ピュリファイ』の系列だよね?」

「『浄化』を『拡大』して水にかけると『浄水』が作れるから同系統だにゃん。猫は便宜上『聖属性』としてるにゃん」

「なるほど聖属性ね~。たしかにありそう」

「天使が光属性っぽいけどなんか違うって言われてたのそれかもなぁ。あれが聖属性って言われるとしっくりくるな」


 天使ってあの新ダンジョンにいるという、『呪いの水』が活躍するあれのことか。たしかに聖属性とか持ってそう。光属性も持ってそう。ダブルで輝く。


「属性もう1個は見当ついてる?」

「わからないにゃん。何がないにゃん?」

「というか13属性は、まず地水火風の4属性、それから光と闇の2属性、空間と時空の2属性、そして複合の回復、氷、雷、木、毒の5属性だよ」

「無属性がないにゃん」

「無属性は属性のついてない純粋な魔力のことで、魔法はない……、え、あるの?」

「『インパクト』は無属性だにゃん?」

「『インパクト』て何にゃん??」

「にゃん??」


 あれえ??


「教本で覚えられるにゃん。受付のお姉さんに生活魔法使いが覚えるべき次の魔法について聞いたら教えてくれたにゃん。攻撃も防御も両方出来るオールマイティーな魔法にゃん」


 『インパクト教本』をインベントリから出すと、すかさずレトが寄ってきて、猫の手に両手を揃えてソワソワする。机の上に置いてやると、自分で頁を開いて眺め始める。皆がそれをまじまじと見ている。


「…ほんとに読んでる……、いや『インパクト教本』本当にあるな、ええ? 教本売店、最近見に行ったけど新入荷は生活魔法教本だけだったよ?」


 教本売店は、13属性外のものは全員に同じものが販売される。たとえば『ピュリファイ』とか『アンチポイズマ』とか。

 『生活魔法教本』もその扱いだったらしい。


「猫は15属性覚えたら、前は教本が『生活魔法教本2』の1冊しか売ってなかったのに、70冊に増えたにゃん。各属性3~5冊と、あと属性共通本。あまりにも多かったから受付のお姉さんにオススメ聞いたにゃん」

「なるほど、猫ちゃんは各属性魔法を覚えたから、属性魔法スキル全部持ってる扱いになっちゃってるわけか。70冊は多いわあ」

「ちなみに生活魔法教本のどの魔法が無属性なの?」


 リーさんは錬金術師だから無属性に興味があるようだ。資料室の本にも無属性の魔力って話がよく出てたもんね。


「『生活魔法教本2』の『渦』にゃん」

「2冊目かあ…」

「お古でよければ読むにゃん?」

「ありがとう~でもナンバリングのある魔法は、前の魔法を覚えてないとインプット出来ないし、教本もたぶんそうだと思うのよ。最初からやらないとダメねえ」


 なんとそんな仕様が。


「しかし無属性で筋力UPポーション…ついに身体強化魔法が来る…!?」

「これまでなかったにゃん?」

「筋力のバフ魔法はちゃんとあるよ。でもこれじゃない…とか言ってる人が多かったの」

「そうね~。だからこの前、俺が取得可能になった『魔纏術』がその系統かなって思ってたのよ。魔力を纏って物理で戦うみたいな」

「フーテンさんモヤシじゃないにゃん?」

「猫ちゃんは俺をなんだと思ってるの?」

「やわらか砲台魔法師にゃん。当たるとすぐ死ぬ」

「「だいたい合ってる」」

「最近は死んでないのに!」


 最近は。

 つまり過去は掘り返してはいけないということ。


「『インパクト』は前方に3秒持続する直径50cmの魔力の盾を作る魔法にゃん。防御に使うもよし、それで攻撃するもよし」

「なるほど、そういう感じの魔法か。これまでありそうでなかったやつや。『理力』と組み合わせると面白そうやな」


 ヤマビコさんはダンジョンでも先頭に出てたし、前衛、戦士系っぽい。面子からするとタンクなんだろうね。

 街では鎧とかの戦闘用装備は外してる人が多いから、戦闘系ジョブがなにかはわかりづらい。


「出す場所変えられるならかなり有用だなそれ。足場に出来たりもするんじゃないか?」

「はあっ、夢の空中ステップ…!」


 夢がひろがっておられる。

 エドさんは斥候だから、そういうのあると便利よね。


「はいはい、魔法の考察してると進まないからまずはポーションまとめようねえ」


 フーテンさんがそれぞれの性能と魔法について確認して、メモをとっていく。


「『初心者転移ポーション』を圧縮potで作った場合は『下級転移石(自由都市)』にゃん。これは猫が自由都市で作ったからか、それともランダムなのかはまだわからないにゃん」

「出る気はしたけど出ちゃったか~。『下級転移石』はセーフティエリア内から都市に行けるアイテムだけど、場所固定ってのは珍しいねえ」


 転移石は、下級とつくものはソロ用、つかないものはPTでも使えるものらしい。

 通常の下級転移石は、自分が行ったことのある都市ならどこでも行けるので、行ける場所固定の石はフーテンさんも初めて見るとか。

 ちなみに転移石は、ダンジョンのセーフティエリアからは使えない。ダンジョンから出るには『帰還石』など、帰還と名のつくアイテムが別途必要だ。


「『初心者状態異常回復ポーション』は『下級万能薬』以外の新アイテムはなし、と」

「このラインナップでいくと、突出してるのは『初心者転移ポーション』になるかなー。お使いクエストが楽々になりますなあ」

「初心者相手だから商売にはならんやろ」

「それはそう。まあ初心者ポーションは今後、『初心者救済水』と場所固定の『下級転移石』に化けていく運命ですかね」

「100個で1個だから、50は使うとして、残りは圧縮ですっきり片づきそうね」

「んだんだ。これなら初心者狩りされそうなアイテムでもないしバランスいいんじゃない?」

「魔力とスタミナはまだやってないけど、たぶん同じような結果になると思うにゃん」

「でしょうね~。あるいは状態異常回復薬のように一部だけ変化かなあ。転移がもしかしたらポーションによって場所変するかも?くらいかな」

「ああ! それはありそうにゃん。机の上失礼するにゃん~」


 どうぞどうぞと開けられて中級錬金釜をどどんと置かせてもらう。

 さらーっと魔力potとスタミナpotの実験をするつもりだったが、そういえば魔力potを使って減っていたことを思いだし、フーテンさんから魔力potを譲ってもらう。


「俺が持ってても仕方ないから、猫ちゃんに全部あげるよ~」


 初心者pot類はすべてもらってしまった。おお、またまた大量。


 お礼を言って、圧縮開始。

 途中魔力切れしてpotを飲もうとしたところ、『トランスファー』という魔法でフーテンさんからMPを分けてもらった。


 『トランスファー』は魔力の塊をやり取りする魔法、接触でのみ発動。要はMP譲渡魔法。わりとみんな持ってる魔法らしい。たぶん無属性魔法、とのこと。


 初期は回復魔法の消費が重いので、魔力回復の早い魔法師がMP融通することも多いのだとか。あと戦士職とかもMP余りがちなので、持ってる人が多いそうな。中級に上がってくると逆にMPくれってなるから使わなくなるんだって。


「接触が必要なのと、最大MP越える量渡そうとすると弾かれて吹っ飛ぶのがめんどくさいけど、便利よ~」

「いろいろな魔法があるにゃん」


 魔力倉庫のようなフーテンさんにせっせとMP融通してもらいつつ、さくさくと魔力potとスタミナpotの実験を終えた。


 結果、HP回復potと変化なし。

 念のため『初心者救済水』になる組み合わせを試してみたが、やはり『初心者スキル救済水』は出なかった。


「残念なような、ほっとしたような?」


 回復属性での中級ポーションからの圧縮は共に『下級蘇生薬』となり、こちらも変化なし。


 それから転移ポーションの圧縮potからの結果も確認しておこうということで試した結果、こちらは『下級転移石(学園都市)』と『下級転移石(はじまりの街ルイネ)』という結果になった。

 廃都は5つの街から成るエリアで、その最初の地点が『はじまりの街ルイネ』だ。キャラクター作成後に廃都を選ぶとスポーンはこの街となるので、スポーン地点の変更的に使えるポーションなのかな?


「おー。なるほどなるほど」

「これがあれば猫もらくらく学園都市にいけるにゃん~!」

「よかったねえ~~」


 『初心者転移ポーション』は行ったことがある都市への転移だから猫には使い道がなかったけど、これなら使える!

 といっても、別の都市にも行きたい~とか思ってるだけで情報収集は全然してないので、まずはそこからなんだけども。


 ちなみに街から街へ瞬間移動できるシステム『転移ポータル』は街毎に存在しており、廃都エリアと自由都市エリア間、自由都市エリアと学園都市エリア間でポータル1回1万zかかる。エリア内転移は5000zだ。廃都エリアと学園都市エリア直通は今のところなく、必ず自由都市エリアを経由する必要がある。


 そのため、自由都市への転移石は1万z以上、廃都と学園都市は2万z以上で販売するのがいいそうな。


「転移ポータルまで行かずに転移できる利便性を考えると、もうちょい高くても全然問題ないね~」


 ふむふむ。

 てことは自由都市から他都市への移動なら、下級転移石を使うより、売って転移ポータル使う方がよいのか。

 といっても転移ポータル、LV20にならないと使えないんだけどね~。


 ちなみにプレイヤーが使える転移魔法も存在する。教本で覚えるやつ。しかし使うには空間属性の魔石が必要で、覚えておける場所にも限りがある。

 ポータルに利用出来る空間属性の魔石はマケボなどで買うと3万からする。1回1万z越えてしまうけど、この魔法はPT単位で転移が出来るそうだ。

 これを利用して、PTの空きに人を乗せていく相乗りも行われたりするらしい。初心者は都市の広場で『出)10k 求)学園都市行』とか募集を出していれば、暇な上級者に連れていってもらえる可能性が高いとか。


 このゲームにもセーブポイント、というかホームポイントがあって、特に何も更新していない場合は初期スポーン地点になっている。猫なら自由都市だね。

 ホーム更新は冒険者ギルドで出来るし、自分の家(マイルームではない持ち家)があればそこにも設定できる。

 で、このホームポイントへ帰還する魔法『リターン』もある。こっちは魔石とかいらない。

 帰還魔法は、ダンジョン内からの脱出にも使えるので便利だ。この場合はダンジョンの入口へ転移する。


 この『ポータル』と『リターン』は必須魔法と呼ばれている。基本インプットなのでもちろんお高い。

 これを買ってインプット出来たら中級って感じらしいよ。


 魔法もいろいろあるなあ。

 教本増えすぎてまったくわからないし、魔法系はスレもあまり見てないので全然詳しくないから、上級者の解説、助かります。

次回から実験が始まります


評価、ブクマ、イイネ、誤字報告、感想ありがとうございます。


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