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ブレーメンの錬金術師は散財したい  作者: 初鹿余フツカ
5章 金欠猫には旅をさせよ~わくわくの森旅編~

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38.錬金術師の金策

 お次はマイルームへ。


 まずはベランダで育てている『竜果』と『金炎の種』の様子見。プランターで一緒に植えている。

 不思議なことに『金炎の種』は、火をつけると燃えたまま双葉を出した。この火を絶やさないように、水を与えるように火を与えるのが栽培のコツらしい。いろいろな植物があるなあ。

 めんどくさいのが『竜果』には水が必要なことだ。でもこれはプランターの受け皿をつけることで解決した。下から吸ってもらっている。土が燃えて乾いているせいか水はぐんぐん吸われるため、なかなか頻繁なお世話を必要とする上級植物だ。


 『竜果』は文字通り竜の好物らしくて、竜種をテイムするのに必要になるんだって。そんなアイテムなので、それなりに高額で取引されている。

 農家スレの果樹園農家さんの中には『竜果』を育ててみた人もいるようだけど、コストと合わないということで手を引いたらしい。たしかにこれをたくさん育てるのは大変そう。猫のような零細農家だからこそ手を出せる領域だ。


 竜種のテイムには心引かれるものがあるけど、あんまり強すぎる魔物はテイムしても言うことをきかないのが定説だ。強者だけに許される道ってやつ。

 猫のような貧弱種族は卵から育てるのが吉。まあそれにしたって、巣に行くなり危険は伴うものなんだけどね。

 まあ猫は結構立て続けにテイムしてしまったから、次のテイムは今の皆を進化させてからかな。5匹しか連れ歩けないから、あんまりたくさんテイムしても手が回らなくなりそうだし。

 生産用従魔はまだまだ募集したい気もする。『農業』大変なんだもの。


 いやはや、『金炎の種』はまだ本葉がちょこんと出始めたところだし、『竜果』に至っては双葉が出たばかり。気長に時間がかかりそうだから、収穫の話は気が早すぎるな。


 『バロメッツ』は予定どおり植木鉢のまま倉庫部屋(猫の寝室を兼ねている)に移動、観葉植物として生きてもらっている。草などの植物さえ与えておけば室内でもオッケーと聞いた通り、元気に育っている。

 与えた雑草の量が多かったのか、こちらは成長が早い。逆立ち羊の胴体まで出てきている。うん、逆立ち羊なんだ…。大変モコモコしており、ふかふかのそれを触ると蹄がじたばたする。可愛いのか怖いのか微妙な植物だ。何も知らない人様にはお見せできない見た目。

 雑草を与えるとシャクシャク音がして消えるので、なかなかホラーである。

 頭が出てくる日が楽しみなような怖いような。

 最近は畑の雑草をすべて『バロメッツ』に与えているので、そう考えるとたしかにすごい量の草を食べているのかもしれない。ちゃんと育てられるのか今更心配になってきたな……。まあ、雑草の仕入れには困らないので大丈夫、なはずだ。


 さてお庭。

 ラコラ王国から解放されて広々とした庭だが、シロビの好物なので少量の……ごく少量の白ラコラを育てようと考えている。ほんとに少しだけね!

 やつらは自力繁殖が可能なので気をつけないとすぐ侵略されてしまう。やはり柵を作るべきか。家具買わないといけない!

 月夜に交配した白ラコラの種はマンドラコラになるかもなので、これは『ポンポン草』のあとに畑に植えてみる予定。ついにマンドラコラになるかと思うと感激もひとしお…と言いたいところだけど白ラコラが元になってると思うと、あまり期待を大きくしてもよくないな。

 畑がマンドラコラ王国にならないことを祈るばかりである。


 畑で『黄キャロ』『ハッピー豆』など作るようになったので、庭はのんびり少しの植物だけ栽培することにした。

 各種ラコラの促成栽培(『タイムパス』農業用)と、あとは花壇と、ちょっとのハーブ農園だ。

 『キキ草』『レモベナ草』『マリッソ』『ラヴツレ草』、この辺りを植えている。そろそろハーブも新しい種を仕入れたいところ。なにかギルドに入荷してないかな?


 LV30になったので、庭の拡張も解禁! なのだが先立つものがない!

 それに白ラコラが滅びたので、手狭でもなくなったしまあいいかな?とも思っている。……こんなことを考えているとそのうちやつらに侵略されるから気をつけねば。やはり柵、柵を買うべき。しっかり囲って駆け落ち防止だ。


 庭のお手入れを終えたら、今度は部屋へ戻って休憩。

 本棚を眺めて、なにか新しい栞が増えてないかをチェック。なし! 残念。

 新しい本もそろそろ欲しい。従魔法の本を買いたいのだ。しかし写し伝いの本だからすごいお高かったので、やはりお金を貯めないといけない。


 金策だ!

 というわけで錬金釜にポイポイ放り込んで、レッツアルケミー。

 レシピはたくさんあるので、作るものには困らない。


 釜に放り込んだら、今度は錬成陣。

 スレで見かけたのだけど、『魔鉄』に属性を入れる『属性魔鉄』が作成おすすめらしい。

 元々属性武器、防具は主に『魔鉄』を原料に作られていたわけだけど、その属性値を底上げできるとかで今ホットな素材だ。

 属性値が上がる分ちょっと脆くなるとか問題はまだまだあるんだけど、属性値が上がるのは重要なことなので、しばらくブームは続くんじゃないかって。

 猫は属性値が大きく関係する狩り場なんて、まだボウフォルくらいしか行ったことない。あそこもBOSS以外は『投石玉』で倒してたからあまりピンと来てないけど、まあBOSSはたしかに属性値重要だったもんね。

 この手の属性武器って近接アタッカーは狩り場に合わせて用意して、最終的には全種類揃えないといけなかったりするから大変なんだろうな…。

 知り合いが魔法師多めだし、猫も魔法寄りなのでついつい装備について忘れがちだ。猫もそろそろ装備更新しなくては。


 属性付き『魔鉄』の人気属性は、基本6属性。今のところはオーソドックスなものが人気。

 マケボをチェックしてみると、だいたい同じ価格。特に偏りはなさそうだ。

 

 早速作ってみるか!と思って試してみたところ、どうやら猫に作れるのは雷属性だけらしい。

 『ライトニング』以外は魔法が足りない! そういえば『魔硝子クリアビジュー』のときもそんなことを言ってましたね!

 教本を読まねば…!


 しかし今の猫には味方がいるのだった。そう、シロビである。シロビなら『ファイアストライク』が使えるので、共同制作すれば『火魔鉄』を錬成出来るはず。

 白狐に擬態しているシロビを呼び寄せて、早速共同制作。

 よしよし、出来ました。問題はシロビが生産用従魔じゃないせいか、飽き性であまり連続して手伝ってくれないところだ。

 うーむ、そううまくはいかないか。やはり教本しか勝たん。猫、スキルとしては『無属性魔法』しか持ってないから、スキルLVが上がっても無属性魔法しか覚えられないんだよね。


 せっかくなので、無属性魔法の『インパクト』も込めて試してみたところ、『純魔鉄』というアイテムが出来上がった。

 調べてみると無属性の魔法武器が作れるらしい。無属性なら魔法じゃないのでは?と思われるところだが、普通の武器は無属性じゃなくて物理属性なので別物なのである。ややこしいね。

 無属性魔法は属性相性がないので、光武器や聖武器が手に入らない場合の幽霊討伐なんかに使えるそうな。へえ~~。

 幽霊には無属性か光・聖属性しか効果がないなんて知らなかったよ。


 そんなわけで人気のある基本6属性のアイテムはあまり作れなかったが、属性『魔鉄』は作れたので売りに出すことにする。

 鍛冶士の使うアイテムということで、一応硝子連合にもお伺いを立てておこう。

 属性魔鉄いかがですか~、と。


 返信待ちの間に、マイルームを出て魔法ギルドへ。教本を買うぞ!

 とりあえず基本6属性の初級魔法、と思うけど火はシロビが使えるし、水、風、土、光、闇の単体魔法か。

 光魔法は取得するつもりだから教本はいいかな。てことで残りの4つから選ぶ。『ウォーターストライク』『ウィンドストライク』など初級単体はストライク系と呼ばれる魔法が多い。

 とりあえず『ウォーターストライク』の教本を購入。MP調整が出来るのを確認したら他の3冊も買おう。


 魔法ギルドを出たら、今度は冒険者ギルドの素材売買所でアイテムを購入する。『石ころ』がちょっとしか買い取れなかった。


「最近は『石ころ』を売るほど切羽詰まってる冒険者も減ったみたいでね」

「にゃん~…」


 マケボで売れば50zくらいになるから、ギルドでは売らなくなっちゃったんだろうなあ。それでもNPC極貧冒険者がいるらしく、たまに入荷するそうだ。そのNPC極貧冒険者にはパンを奢ってあげたい。


 ヒビが入ってたり、濁ってたりするアイテムのおすすめ品を見せてもらい、あれやこれやと購入していく。

 レシピ解禁されて効率のいい金儲けの道なども明らかになりつつあるんだけど、猫はやっぱりこういうちょっと残念なアイテムをみるのが好きだし、タイパ重視の錬金術一辺倒にはなれそうにない。

 やはり楽しいのがいちばんだよね!


 買い物を終えたら今度は露店通りへ。今度こそ露店を開くぞ!

 どんぶらこっこと流れに乗り、ちょうどよく空いたポジションを発見。ささっと敷き布を出す。


 買取品は『コロットの魔石』『貝殻』『石ころ』『雑草』、それから『ビー玉』に『ガラス瓶』、『羽根』類、『糞』類、それから最低品質素材。

 あっ、買取で枠が全部埋まってしまう。まあいいか、今日の猫は買取専門店! 金策するにも、まずは仕入れが大切だ。


 『猫の店~買取専門店~、開店にゃん!』


 開店お知らせGPS付メールを希望者各位に送って、露店を開く。

 買取露店は、売り物のある露店より声をかけられることが少ないのでまったりしちゃう。

 教本を開いてみたが、やはりMPは合わないようで調整が必要だ。うーん……『ジュエル』で調節してみたけど、これは猫の今のMPより上っぽいぞ。お部屋着で再チャレンジですな。


 ぼんやりまったり路地を眺めつつ、次の予定でも考えるか。

 廃都旅行も終わったし、次なる目標はもちろん、学園都市である。

 しかしその前にやることリストがたまりまくっているので、そっちも片付けないとね。

 ポーツで漁師のランクアップしちゃいたいし、ドゥーアでチャノキを見てくるのすっかり忘れてたし、学園都市へ行く前に自由都市のお使いクエスト片付けておかないとだし、フルクを捕まえて『従魔の証』も入手したい。

 隠者の村でナナちゃん先生にあって精霊使いのランクアップもしたいし……ワーッやることがいっぱいある!

 まあ光魔法を手に入れるための巡礼の旅があるので、再来するにはちょうどいいんだけどね。


 今日のところはまったり露店。

 明日はなにしよっかな~~!

これにて5章完結です。

ここまで読んでくれてありがとう、そしてお疲れさま! 楽しんでもらえたなら幸い。


廃都ようやく回りきりました、いかがだったでしょうか。

楽しかった!という方はブクマや評価、リアクション、感想などもらえるととても嬉しいです。

すでに下さった方、また、いつもリアクションやコメントくれる方々は本当に本当にありがとう!


6章ではついに学園都市へ……の前に、やり残したあれやこれやを回収するターンが入りそうです。巡礼の旅で猫もついに神官に!?

お使いクエストからようやくメインクエストへ!


6章開始までしばらくお休みをいただきます。6月以内にはなんとかしたいですね!

幕間は不定期に更新します。


まだまだ猫の冒険は続きますので、今後もよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
また読み返したくなって読み返してますけど、この回でSPでとるしって他の魔法教本優先してて、他の属性のラーニングしちゃいそうって思ったの思い出しました! 何度読んでも面白いし、先を知ってるからこそ面白い…
ついに最新話に追いついたにゃん。次章も楽しみしてますにゃん
成長中のバロメッツちゃんが、某犬神家状態w 猫ちゃん家なのにね しばらく猫ちゃん不足が確定しましたが、楽しみにお待ちしています
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