7話
夕日が沈み松明が焚かれる中、
急遽作られた壇上で村長は若干顔色が悪いのだが一呼吸おいててキリッとした顔になると宴のあいさつをしていた。
「ぇえ今回はディムガルフ様の御厚意により……………ぅぅ大変貴重な食材を提供して貰った、ディムガルフ様と大地の女神ガイナル様に感謝をでは……カンパーイ!」
「「「「カンパーイ!!」」」」
皆木製のジョッキを軽くぶつけ合い宴が開始された。
「うんめぇーー!何でだ?!いつものうちの野菜のはずだよな?!」
「肉汁が野菜に入り込み旨さか倍に……これこそ味のれ「見てくれこれ〖ジャンガ〗(見た目ジャガイモだが何故か長方形の形)
に肉と何かが入ってとにかく上手いんだ!。」……おい?!」
興奮して叫んでる男が食べたのは、リンが作り方を教えた〖コロッケ〗だ。
(う~ん、揚げ物は知ってたけど魚介類と屑野菜でしかやってなかったって言うのは以外だったわね。)
リンが揚げ物をしたいと言った時皆不思議そうに首を傾げていたのでリンも理由が分からず首を傾げたら、何故か可笑しくなって、皆で笑ってしまった。
理由を聞くと小さな食材を、溶かした小麦粉で纏めて料理する時する料理方だと認識してたらしい、イメージ的には天ぷらのかき揚げが近いだろう。
「あ!ヴィル君、英雄様と話しをしてカチコチだ!まだまだお子ちゃまだねぇ。」
「あの人が英雄様かぁ……確かに威厳溢れる歴戦の戦士って感じね。」
ディムガルフは身長が200センチは超えているだろう背丈と体型はスラリとしているがかなり鍛え上げただろう身体付きをしている。
そして顔は若い頃はモテただろう美形である。
実際奥様がたはディムガルフに話しかけられると顔を赤らめてまるで恋した少女のような有り様だ。
そんな彼はヴィルに何かを渡すと此方をちらりと見てヴィルに頼み事をしたのだろうか、ヴィルは敬礼してリン達の方へやって来た。
「ニュラ、リン!スゲーぞディムガルフ様が俺らを魔道学院まで送って下さるそうだ!」
「ほんと!やったー!良かった~彼奴らが来たらと思うと怖かったんだよね。此れで魔道学院の試験受けれるよ~。リンも試験頑張ろうね!」
「あ、ははは………そう、ね。」
(ヤバイ、魔道学院なんて知らないし試験なんてどうしろって言うの?!そもそも制服が似てるってだけだから、もしかすると偽物て言われて捕まるかも知れないし………どうするのよ?!)
平静を装っているが内心凄く焦っていたリンは話題をずらす事にする。
「そ、それでヴィルは何を貰ったのかな?」
「これか?誰にもみられないよう一人になった時に見ろって二人宛の手紙も貰ったんだ。」
「「一人になった時に?」」
ヴィルはそれぞれに宛の手紙を渡しリンとニュラは不思議そうにしげしげ眺めた。
「まっ寝る前に読めば良いんじゃなか?あ、内容は手紙で禁止した事は言っちゃだめらしいから、気をつけてくれよ。」
「あー、何となく分かったかなぁ。英雄様は私達の事情しってるって事だよねぇ。」
「事情……ねぇ。」
リンはもう一度ディムガルフを見ると彼はリンに優しい笑みを一瞬浮かべ、直ぐに周りの人達との会話を再開した。
(私の事情も知ってるのかしら?)
ディムガルフの視線が意味ありげに思えたリンは、手に持った手紙をじっと見てそこに何が書かれているのか一抹の不安を抱くのだった。
『…………………。』