3話
微睡み意識が曖昧の中リンは夢を見ている
凛は自分の部屋で制服に着替えて一階のリビングに入ると、母親はテレビのニュースを見ていた。
『昨夜未明に起きた日本の排他水域おいての大規模な爆発は隕石よるものとの見解がされております。では爆発の起きた瞬間を捕らえた映像を───。』
父親は食後のコーヒーを飲み新聞を読んでいる、そして朝からマンガを読んでいる弟に凛はため息をついた。
「また朝からマンガ読んでないでちゃんとご飯ちゃんと食べなさいよ。」
『んー朝はパン一つで足りるし、これ今日返す予定の異世界転移ものでさ。』
モグモグとパンを頬張りキラキラした目でマンガは読み終わったのか凛にこのマンガの説明を初め凛は聞き流しながらニュースを見ていた。
リンが朝ごはんを食べ終えた頃には両親達は二人より早く出勤して行きそろそろ登校する時間になった。
「先出るから戸締まりちゃんとしてね。」
『んー行ってらっしゃい。───俺さぁもし異世界行く事になったら真っ先に自分ステータス確認出来るか、とか不思議パワーあるか調べると思うんだよねぇ。』
「バカ言ってないでさっさと制服着なさいよ遅刻するわよ。」
靴に履き替えて通学カバンを持ち玄関をくぐり振り向くと。
『ご**後**頼ん**───凛。』
真っ白な人の形をした何かがノイズのかかった声を発した後にガラスがゆっくり崩れるように崩壊する。
破片が中を舞う中に小さな子供が遊ぶ姿が写しだされ───
狭くそして木の香りがする、真っ暗闇の中に凛はいた。
「待って………行かないで…………。」
『何処にも行かないよ僕は君の精霊だからねぇ~。ほらほら起きて起きて、こんな辛気臭い樽か出ようね。』
子供の声で起きた凛はぼんやりとしながら立ち上がろうとする。
『あ、ちょっとストップ!!』
リンは暗い中で立ち上がろうとしたが固い物にぶつかり頭部に激痛が襲った。
「痛ったーー!!」
『あはは!樽の中でいきなり立つからだよ。』
軽口を言う相手に文句を言おうと声の主に目を向けたリンだったが。
「えっ!!何なのアンタ!」
驚きの余り咄嗟に立とうして再度頭をぶつけてリンは痛み悶えた。
「イッ~~~!!」
『フフン、僕のプリティさに驚いてくれてありがとう。」
クルリと一回転してウィンクをした、かわいらしい小狐のヌイグルミの姿に凛は驚き声を荒げた。
『僕はマスコットで可愛い君の精霊だよぉ~。生まれたばかりの0才さ、えっへん!。』
可愛くデフォルトされたキツネは胸を張り満足げである。
凛としてはいろいろと突っ込みどころ満載のヌイグルミには文句を言いたいところだが深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
「…………それで、アンタは此処から出れる手段と彼奴らに気付けれないように逃げ切れる手段を知ってるて事なのよね?」
『出れる手段は知ってるよぉ。逃げ切れる手段?ナイナイだって彼奴らの頭目【ディフェルモ】の精霊と契約してるA級の魔道師だからねぇ。』
「でぃへぇ─なんたら何て知らないけど、逃げ切れないなら脱出しても無意味じゃない。」
キツネはチッチッチと得意気にウィンクをしてニコリとすると。
『とある怪盗は言いました〖逃げるから捕まるのだ!なら逃げなければイイじゃナァ~い。〗ってね☆』