15話
この世界には明確に存在する神々が存在する、と言うのも彼らは〖聖女〗〖教皇〗〖賢者〗に神託を下し大災害を未然に防ぐよう指示する為神々を崇める教会があるというのは自然な事だ。
〖キルセテ教〗主神である〖創成神キルセテ〗を長とする神々を祭る教会は学術都市マバジャンにも有り、ギィルに送られてリン達は来ていた。
リンはニュラやビィルとはまた会えると言うことで合う約束をして馬車を降りディムガルフとエラドゥハの後に付いて教会へと進む。
「話しはお聞きしてます。リーファンカ枢機卿がお待ちになっておりますご案内いたしましょう。」
教会の入り口にはこの教会の耳にガーゼを着けた司教がディムガルフ達を出迎えた。
「………その怪我はどうされた?」
「これですか?お恥ずかしい話し倉庫を整理した時、足を滑らせて貴重な書物の角で怪我をしてしまったのです。書物に私の血がついてしまった罰して回復魔法のヒールは使わずにいるのです。」
浮かない表情の司教に促されて教会の奥へと案内される。
「………あの、ディムガルフさん」
「分かっている、エラドゥハ。」
「うむ、リンはディムガルフの後ろに我は後ろに下がる。『精霊聞こえておるな?お前は…………リンの側で姿を消して肩にでもおれ。』」
『ぐむむ、ショタドラに命令されるのは嫌だけど。こ、今回だけ言うこと聞いてあげるんだから!勘違いしないでよね!』
奥に進むにつれて巡回する聖騎士が増えてそしてリンを見る目は鋭くリンを警戒しているのが明らかだ。その為ディムガルフとエラドゥハに挟まれる形でリンは護られいるロキは相変わらずの態度でお陰でリンは緊張からくる強ばりが解けていた。
そして教会奥、白銀でバルキリーが描かれた重厚な扉の前に辿りつくと司教は扉の両脇に立つ助祭に開けるよ促し、扉はゆっくりと開かれると優しい光がリン達を迎えいれる。
リンはこの部屋事態が仄かに光を発している幻想的な空間に見いっていた。
「ご無事に〖救世主様〗を連れられ来た事ディムガルフ殿に感謝します。」
「私の目的の為でもあるお気にせずに……っと言いたいが殺気だった騎士達は頂けないな。」
「申し訳ない、つい最近彼女と似た黒髪に黒色の瞳を持つ者達が神殿の宝物庫を襲撃し、何点かの宝具や封印された呪具を盗まれたのです。」
リーファンカ枢機卿は更に当時の状況を説明した。
場所は救世主が召還された〖最古の神殿コバラ〗聖地、厳重な警備された場所だ。
そして全ての嘘と偽りを無くす神聖聖域魔法〖フェディス〗、鏡に写った人の欲望を写し具現化させ戦わし断裁する神具〖ミジャチラ〗が宝物殿には仕掛けられていたがそれを突破したのが黒髪に黒の瞳の少女が率いる集団だったと言う。
「うむ、同色の髪と瞳の者は限られた部族しかいない事から血縁を疑うのは仕方ないがリンは違うであろ?」
「そのはずですが………何せ〖救世主様〗を見つけられたのは捜索が開始されて半年が過ぎ初めてディムガルフ様が発見された方ですからね。その空白の間に……と言うわけです。」
半年前なんてあり得ない事をリーファンカ枢機卿が言った為リンは流石に驚いた。
「半年?!ちょっと待って下さい私がこの世界に来たのあってもつい最近ですよ!!」
『うん、リンは2日前に此方に来たばかりなのは僕が保証するよ。精霊王に誓って嘘偽りなくリンは此方に来たのは2日前だし何だったらリンが召還された場所も教えるから調べたら?結構目立ってたからねリンは。』
ロキは念話を全員話しかけたあとに実態化して真面目な顔でい言いきると全体を見渡し答えると警戒していた聖騎士達は"本当なのか?"と警戒心が少し薄くなるが一人が前に出て厳しくリンを見る。
「精霊が精霊王に誓って言った事は本当だろうが、君と同じ一族の血縁である可能性は残っている……私としては考えたくないが聖地コバスで召還されなかった半数の〖救世主〗が神に反逆したイレイグールの可能性も……。」
前に出てきた赤髪に黄色の瞳で200センチを越える人物は他の聖騎士と違い紋章入りのマントをつけ位が高いがうかがえる。
「グゥア騎士団長!イレイグールなどと穢れた呼び名をするな!!神の眷属に選ばれた者達がそんな事をする筈がなかろうが!!」
(あっこれ本当の事知られたらマズイんじゃ………。)
ちらりとディムガルフとロキを見ると二人は目で"言うな!"と訴えていた為リンはそれに触れないようにする。
「グゥアとか言ったか?貴様と似た赤髪に黄色の瞳は貴様の一族か?」
「い、いや違うが同色の髪と瞳は特殊な一族以外考えられな─。」
「残念だが異なる世界では人間の半数はリンと同色の瞳と髪だ。何せスキルもマナすら無い世界だぞ?その分魂の強度が高いがな。」
エラドゥハが告げる衝撃の事実に流石に聖騎士達はどよめきが起きるがリーファンカ枢機卿は頭を押さえていた。
「エラドゥハ殿、教会の機密を気安く話さないで欲しいのですが……。」
「ふん、我の知った事ではないわ。だいたい過去の偉人の半数は他の世界からの転生者だろうが、魂強度に魂に刻まれた異界人の発想それによる世界の発展は神々が願った事。ドラゴンでは常識的な話しだ。」
『リーファンカ枢機卿の名の元に箝口令を出す皆この事を他言は無用である。〖コバラギアス〗』
「「「「「「了承致します!!」」」」
神聖スキル〖コバギアス〗は教皇以外には解除不能でどんな事をされても契約に背く事が出来ない最上位スキルだ。
しかし私的利用が過ぎれば対価に寿命と能力を剥奪され不運に見回れるデメリットも存在している。
リーファンカ枢機卿は聖印のネックレスを握り締めスキルを発動すると全員にの前に光輝く契約書が現れ聖騎士は了承と共に触れ心臓に契約魔法が刻まれる。
もちろんリン達は誓わずにディムガルフが光輝く契約書をうち払う。
「エラドゥハ、人間には人間の秩序があるリンへの態度に腹立つのは理解するが少しは相手の立場と思考を推測しなけば上位ドラゴンに勝つなど不可能なのは………………君も分かっているな?」
「う、………分かっておる。我が悪かった許せリーファンカ枢機卿よ。」
ディムガルフが厳しい目でエラドゥハを見るとエラドゥハはしょんぼりして気まずいげにリーファンカ枢機卿に謝罪した。
リーファンカ枢機卿は内心では苦々しく思うも笑顔と謝罪を受け入れた。
「グゥア聖騎士団長、直ぐにリン殿の出現位置の特定と未だ捜索中の者達にも通達を精霊ロキ様リン殿が降り立った位置を教えて下されますか?」
「良いとも場所は───。」
ロキは場所とその時の出来事を伝えるとグゥア団長が数名を残してリーファンカ枢機卿の命をうけその場を後にした。
リーファンカ枢機卿は、グゥア団長と頷き合いディムガルフは残っている聖騎士を見て頷く。
「これで良いのか?ディムガルフ殿。」
「彼らは大丈夫だ、リーファンカ若い頃に比べて感が鈍ったんじゃないか?身近に間者を潜らされるとは情けないな。」
「すまない、ディム師範俺の教えが悪いばがりに裏切り者を出してしまった。」
「ホワイ!?まじか……ディムさんいつ念話してたの?僕気付けなかったよ。」
「ディムガルフさんなら出来そうとは思うけど普通は出来ないものなの?」
「むーりーのリームな話しだよ。念話ってリンに分かりやすく言えば電波と同じで内容は分からなくても"ぬぅ?!こやつ内緒話念話してござるな!"てな具合で〖魔力感知〗スキルでバレバレなわけよ。」
成る程とリンは理解したがなら何故ディムガルフが出来たのかとディムガルフを見ると苦笑して落ち着いた時話すと言いリンにリーファンカ枢機卿の所に行くよう促した。
「すまないね、リンさん君の事は教皇様が神より神託で事情は知っていたのだ。」
「知ってた?なら私が大変な目にあったの知ってたと言うの?!」
リーファンカ枢機卿がリンを既に知っていたと言うのは大変な目にあったリンにとって看過できない内容物に怒りがこみ上げ言葉を荒げてしまう。
リーファンカ枢機卿は首を振り否定しリン真っ直ぐに見て答える。
「それは違う。神託は神の眷属が何者かに襲われ死に際に君を含めた5名を各地に転移させた事のみだ。」