1話
初めましての方はこんにちは、お久し振りに定期更新に挑戦して行こうと思います。
宜しくお願いします。
賑わいを見せる繁華街、ビルとその下を馬車が行き来する光景。
「えっ??何、なんなの此処?」
混乱してぽかんとしている彼女、御坂凛はこの世界の普通な光景に思考が追い付いていなかった。
「今日は競竜場いかね?」
「いかねぇよ、今日は午後から冒険者ギルドの加入者の試験日だぜ。こんな面白い事見逃せねぇっての。」
御上凛は、帯剣した男と大きな杖を持った男が目の前を通る姿を目で追った後、ハッと何かを思い出し後ろを振り向く。
そこに一瞬水面に映る景色のように映る出てきたばかりの家と、粒子になり崩れ逝く存在が何かを喋り手を伸ばすのが見えた。
「な……そんな待って消えないで!!」
駆け寄ってももうそこにはコンクリートの壁しかなく凛は余りの出来事に座りこんでしまった。
凛は焦って混乱しては駄目だとぐっと眼を閉じ冷静なろうとしていた。
地面に座りこんで動かない姿に周囲の人々が気になり出した時、一人が凛に声をかけた。
「貴女大丈夫?」
「あ……はははは、すみません実は───。」
心配そうな表情の女性が凛は不自然にならない程度の経緯を話した。
ちらりと見えた交通手段が馬車で有る事が分かった為、仲間と馬車で移動中トラブルが起き誤ってこの街に降ろされてしまい困っていると言う事にして話した。
女性は凛の学生服を見て成る程と納得して同情した表情を浮かべ優しく凛に提案をした。
「うーんそういう事なら私のお店|の手伝いをして少し稼がない?」
「良いんですか?ありがとうございます!」
「良いの、良いの、昨日お店の子が辞めちゃったからちょうど良かったわ。それじゃついて来て。」
凛は、いきなりの事で混乱した思考を落ち着かせて上手く話せて良かった内心安堵していた。
「私の名前は凛と言います。」
「リンちゃんね私はバーバラ少しの間たけど宜しくね。」
(良かったわ、素直な女の子で)
バーバラはリンと握手し笑った時リンは一瞬、力が抜けた感覚がしたが安堵から来るものだと疑問に思わずにバーバラに付き添い歩きだしたのだった。
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?????
応接室には緊張して対応しているこの施設の最高責任者と、威風堂々とした初老の男性が話をしていた。
「成る程、要件は分かりましました。ですがこの広大な王都〖カラタサ〗で一人の少女を探すのは難しいかと、大掛かりになって良いなら時間は掛かりますが確実ですが……。」
「その必要はない。騒ぎが起きた時にその娘を丁寧にもてなしてくれればよい。」
「騒ぎ__ですか?イレ……いえ〖外なる者〗はそんなにも危険な存在だと?」
「いや、少々手違いがあってな………。」
初老の男は窓の外を睨み渋面を作っていた。