出発!
ジェシカに電話をして、「明日の朝8時に家に迎えに行く」と言われ、荷物の整理を部屋で樹夏はやっていた。
「えぇー...全部アメリカに持っていきたいなぁ」自分の部屋を見渡しながら言った。
小説だ棚にいっぱい入っていて少なくとも80冊はあるだろう。それに写真。友達と撮った写真、家族と撮った写真。いっぱいある。写真の全部持って行けないのは明らかだ。
結局、家族の写真2枚、小説はお気に入りの「ハリー.ポッター」だけにした。
洋服と必要な物のすべてスーツケースに入れて、時計を見たらもう11時だった。
「明日行くんだから早く寝ないと...」あたしはそう言ってベットの中に入った。
だけどベットに入ってから、すぐには眠れなかった。はじめてのアメリカ、しかも親友と2人きりで...そう思うと眠気が一気に吹っ飛んだ。眠り始めたのは夜の12時頃だった。
―――ピピピピッピピピピッ
目覚ましが鳴っている。やった!今日、ついにジェファニーと一緒にアメリカに行けるんだ!そう思いながらあたしは飛び起きた。昨日遅く寝たせいで少し眠かったがリビングに行って、朝ごはんを食べた。ご飯は昨日のカレーのあまりだった。(昨日のカレーは中に何故か梅干しが入っていて不味かった)そして、顔を洗って、歯を磨いて、洋服に着替えて、ちょうどその時、玄関のベルが鳴った。「迎えに来たよー」ジェファニーの声が聞こえた。
「おはよー!」あたしはとびきりの笑顔で玄関を開けながらいった。
「あら、おはようジェファニーちゃん」お母さんがあたしの後ろから言った。
「樹夏をよろしくね。お父さんとお母さんにもそう伝えてね。」
「はい。ちゃんと伝えておきます!」元気よくジェファニーは言った。
あたしの方を見てお母さんは「手紙送ってね。電話でもいいわ」と言った。
「うん。必ずね」そう言いながら少しさみしい気持ちになった。お母さんとそんなに長く離れたことはないのだ。
「じゃ、行こうか、樹夏。早くしないと飛行機に乗り遅れちゃうよ。お邪魔しましたぁー」
ジェファニーは軽くお辞儀押してから出て行った。
「じゃぁね、お母さん。」できるだけ明るく言った。
「ジェファニーの両親に言うとはしっかり聞くのよ」お母さんはきつく言った。
「大丈夫だよ。心配ないって」あたしはそう言いながらお母さんに抱きついた。
「行ってきます」あたしもジェファニの後を追って家から出た。
家の外にはリムジンが止まっていて、その中にはジェファニーが座っていた。
えぇ、リッムジンが迎えに来てるよ。 とあたしはそう思いながら車に乗った。
中は何か「高級」って感じ過ぎて落ち着けなかった。運転席には男の人がいて、ジェファニーが言うにはボディーガードらしい。
空港について、飛行機を見ていたらピンクで「ジェファニー」って書いてる飛行機があった。
あはは...まさかね...そう思いながらあたしはジェファニーに聞いてみた。
「ねぇあれって?今からあれに乗るの?」「ジェファニー」と書いてある飛行機を指さしながら言った。
「うん。そうだよ?気に入らなかった?」
え?本当に?自家用飛行機ですか?自家用飛行機って持ってる人ってそういないですよね?
それから数分後、「ジェファニー」に乗って空を飛んでいた。
飛行機の中もリムジンと同じぐらいすごくて、やっぱり落ち着けなかった。
「ジェファニー、家ってどんな感じなの?」
急に疑問におもったから聞いてみた。
「ついてからのお楽しみだよ!」ニヤっとジェファニーは笑ってみせた。
「えぇぇぇぇ!!!!!教えてよ」
「いやだよ」
そう言ってジェファニーは外を見た。
あたしもそとを見た。
きっと家もすごいんだろうなぁ。
ジェファニーの家を想像してるうちにあたしは眠ってしまった。