スキル怖い
落語で異世界っぽいのを書いてみたいという好奇心で書きました。
ただの好奇心というエンジンを目一杯回して奮闘して書いたのですが所々というかかなり微妙な作品に仕上がったので読まれる方はご注意下さいませ
立ち読みふらりと有難うございます。
え〜良くある異世界モノのハイファンタジー類されるお話には『ギルド』なんて呼ばれるところがございますが、そこで『冒険者』と呼ばれる。まぁ餓鬼の時分から腕っ節に自信のある奴らがとぐろを巻いてるわけでございますな。
「おうっ調子はどうだい?ギル坊、ゴリやん、カゼちゃん、アインいるねぇ?アレ?アレ公は?おーいアレ公ー!」
そう呼んでると正面の扉が勢いよくバーンと開きまして
「はぁっはぁっバリモっつあん〜俺の後ろに付いてきてないか?」
「いや〜別に尾いてきてはねぇよ?」
「いや〜もーたまげた〜」
「おいおいどうしたい?」
「いやぁここ来るのに近道しようとこの近くの酒屋の裏ぁ通ったらよぉナーガがいやがってよ〜もう怖くて怖くて…」
「いや街中にナーガはいねぇだろぉ?荒縄の切れっ端じゃあねぇかいん?」
「いやっあれはナーガだよぉ〜俺は見たんだよ」
「そうかい」
「おれぁナーガが怖くてよ〜ナーガ見ただけでゾクゾクするんだよ〜」
「へぇ〜」
「ナーガが怖いから長い物がダメなんだよ〜だからムチ使うテイマーにならなかったの、クエストでも紐は使わねぇし、それに身につけてる物だってローブは着ねぇし、剣を結ぶ紐も付けずにさや持ちでやったんだよ」
「いや、剣くらいは腰に括り付けとけよ」
「いやぁまぁなっ冒険者つっても人間誰しも苦手なもんがあらぁなどうだい?一度童心に返って苦手な生き物を言ってくってのはどうだいゴリやんアンタぁ苦手なのはあるかい?」
「あるよ」
「へぇどんな?」
「俺はスパイダー糸が出てグルグル巻きにされて食われかけた事があんのよだからいまでも服屋にゃあ行けねぇわ」
「冒険者が服屋行けねぇのは不味くないかい」
「おれぁ怖いもんなんざねぇよ?」
「ギル坊?本当かい」
「本当だよ」
「まぁ少し考えてみなって」
「つってもなぁ……………あぁ!!あんまり言うもんだから思い出しちまったじゃねぇかよ!!」
「へぇ何が怖いんでぇ?」
「一度しかいわねぇぞ?笑わない?」
「笑わねぇって」
「本当にかい?」
「だから笑わねぇってしつけぇなっ!!」
「一度しかいわねぇぞ……………スキルが怖い」
「スキル?…………アレかい?レベルアップしてもらえる便利な」
「あーあーあーあー言うな言うな言うな!!俺はもう気分が悪い!!しばらく横になってるよ」
そう言いましてギル坊はギルド近くの安宿に行って休むわけですな。
そしてまぁ人が弱みを見せると突きたくなるのが冒険者の性でして
「おい、見たかよあのギル坊の顔」
「あぁ真っ青だったなぁあの野郎俺ぁ前から気に食わなかったんだよ!事あるごとに俺のクエスト搔っ攫ったり失敗しちゃ小馬鹿にするしよ」
「アイツには一回お灸を据えてやらねぇとな」
「まぁつってもスキルなんざどうやって野郎に送りつけるんだい?」
「あの野郎の枕元によ、レベルアップしやすいメタルスライ◯をよ枕元に並べたらよ」
「スキル獲得して泡吹いちまうよそれこそスキルでkillだよ〜」
そう言いまして野郎共はメタルスライ◯を片っ端から集めるわけですな。
各々メタルスライ◯を持ち寄りましてギル坊の枕元に供えとくわけですな。
「おーいギル坊!」
「なんだい?俺はぁ具合悪いんだ今日は帰ってくんな」
「いやよお前さんの見舞いの品を持ってきたんだここ置いとくからよ」
「たくっこれはあぁっ!!メタルスライ◯じゃねぇかよ!!レベルアップしちまうよー怖いよースパッと」
レベルアップしました。
「怖いよー」
レベルアップしました。
スキルを獲得しました。
「あぁっスキルだ!!怖いよー」
レベルアップしました。
「メタルスライ◯怖いよー」
レベルアップしました。
スキルを獲得しました。
そう言いながらどんどん切ってメタルスライ◯から経験値をとってスキルをどんどん獲得するんですな、そしてこの様子を見ていた冒険者達が首を傾げるんですな
「おいっあの野郎怖い怖い言いながらスキル獲得したら小躍りしてんじゃねぇか!」
「俺たち一杯食わされたんだ」
パン!
「やいギル坊オメェ本当は何が怖いんだい!」
「今度はレアな剣が怖い。」
オチがオチてないですね。
最後まで読んでくださった方に感謝を!