気が付いたら婚約破棄をして国を変えていた
たくさんの評価ありがとうございます。
そのお礼を込めて。
「ロザリー・ベルレアン公爵令嬢、お前との婚約を破棄する!」
その日、レオポルドはロザリーとの婚約を破棄した。
それが全ての始まりだった。
この日を境に理想の結婚相手は自らが作り上げるのが貴族間で流行した。
特に王子レオポルドと公爵令嬢ロザリーの目論見が成功したのが大きかったと言われている。
その流行も長くは続かない様に思はれた。
始めは少人数でも、次の世代は対象となる人数が増えるのだ。
そして、人数が増えた分、出費も増える。
実際にレオポルドの次の世代では3倍の人員と費用が掛かることが判っていた。
理想の相手を作り上げるのは一過性の物になるのかと思われた。
だがここに来て費用の面は解決の糸口が見えてくる。
それは、
“じじばば”は孫に甘い。”
である。
貴族のじじばば連はここぞとばかりに孫につぎ込んだ。
かわいい孫の為にかわいい孫嫁or婿をという事である。
人員の方はレオポルド王の発言により解決方法を見出された。
曰く、
「人が居なければいる所から探せばよい。」
思えば、レオポルド王の妃であるセシリア王妃も出自は男爵の庶子である。
その事から対象は男爵、騎士はおろか一般市民にも広げられた。
そしてその対象も5歳からに引き下げられたこともあり、ほとんどの子どもがある一定の教育を受けることとなった。(注1)
そして、この事が思わぬ副産物を生み出す結果となった。
全国民の教育レベルの上昇は社会に劇的変化をもたらす。
教育による文字の普及、それに伴う伝達レベルの上昇。
伝達レベルが上昇することによって技術の伝達、伝承が容易になりそれが科学技術の向上につながる。
科学技術の向上は農業、漁業、工業、流通など多岐にわたり影響し、ついには産業革命を起こすまでになった。
町には蒸気機関が走り、海の上には蒸気船が動く。
この蒸気機関の発明も、レオポルドの発言が元になったと言われている。(注2)
科学技術の向上は軍事力の向上を伴い他に例を見ない圧倒的な軍事力を持つことになった。
そして力はそれを見た各諸国を王国に帰順させるまでになった。
それは大陸に多数存在した国家の統一のうねりとなった。
産業革命から10年後、
ここに統一国家、レオポルド帝国が誕生した。
初代皇帝レオポルド一世はその後15年の間、統治を続け次の皇帝にあとを託して隠居した。(注3)
晩年はセシリア元皇后とともに帝都からそう遠くない離宮に住み、穏やかに過ごされたと言われている。
レオポルド帝国、帝国史 第1章「帝国の始まり」より抜粋
(注1)
レオポルド王(当時)の発案によるもの。幼少期では個人の能力は不確定の為、一定の教育を受けさせることでその能力を図るというものである。
(注2)
熱した鍋の蓋が持ち上がるのを見たレオポルド王(当時)がその力を何かに利用できないかと、側近の物に尋ねたことに由来する。
(注3)
レオポルド一世は同じ人間が長く国家の代表を務める弊害から退位を決意された。
以降、皇帝は選帝侯、帝国国民の代表の投票により選ばれる選帝侯制が採用され、その任期は15年と定められた。




