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誰だ

けどなんでも内容を実行するのならば、殺しとかもするのか。


「やりかねない。」


僕はまだろくに松利晴大と話したことはない。

放課後読書をするあいつは、リレー小説をする前のおとなしい松利晴大だから。


どう言うつもりでこのリレー小説に関わってるのかわからない。


もしやめたいとき、松利晴大が自殺するとでも書いたら…



「まさかね。」



僕はそのノートを小脇に抱えた。



「…。」


ドライヤーを購入した後、完全変態の話が出たことでこの主人公である、松利晴大の人間性が小説の中でだんだん歪んできた。


異常行動の目立つストーカー気質の男。

そんな事がページの隣に書かれている。


そしてその矛先は僕に。

僕は何故か松利晴大と一緒に綱部への貢物を買いに行かなきゃならなくなってる。



僕はこれで何もかも吹っ切れた。


ここに書いてる内容を皆が肯定したってことは、確実にこれを書いた全員が僕を陥れる事を楽しんでいる。


もっと過激な事を書いてやろう。

まだここに出てない人がいる。


次丸先輩は…暴力的ないじめっ子役だ。

気に食わなくてあいつを殴る役。


次丸先輩が本当に殴るかはわからないが。




「怜人。」


今日も奴は僕に気安く話しかけてきた。

おかげで周りの友達はもう話しかけてこなくなったし、周りもこの2人が仲がいいとでも思っている。



「今日一緒に買い物行ってくれる?」


朝っぱらから、松利晴大は僕の机の前に立っている。これからこいつにクシを買う相談と、デートの誘い方など、聞きたく無いことを聞かされる。


「嫌だ。」


このノートに僕が断るシナリオは無い。

もし断り続けたらどうなるんだろう。



「クシなんか買いにいかない。なんでお前なんかと。」


「お願い怜人。行くまで君の家にまで追いかけるよ。」



「…。」


「ねえ行こ?行こ?」


松利晴大はしつこく僕の手を掴んだ。


その姿にクラスの連中がこっちを見ている。



異常行動のストーカー。


そのキャラ付けは僕には不都合だ。

でもこんな奴と買い物なんか行きたく無い。



「はあ…わかった。わかったから。」


「本当?ありがとう!」


くそ。

このリレー小説、降りたい。

このままだと僕が不登校になりそうだ。


でも、積木先輩の期待も裏切りたく無い。


「じゃあ放課後僕と一緒に来て。」


「…。」


ばっくれてやる。




ガタ!


「!」


松利晴大はいきなり立ち上がった。


心の声が聞こえたかと思ったが違うようで、無言のまま僕の元を離れて行く。

さっきまであんなに親しげに話していたこいつは、またいきなり顔を変えた。


何故彼がすぐに変えるのかは、ノートをみていたからすぐに分かった。


ここで話が途切れているからだ。

奴は小説の内容のこと以外何もしない。


これが1日のノルマなんだ。



僕は当てつけに、授業中ノートに他のノートでカモフラージュしながらリレー小説の続きを書いた。


正直どうにでもなれと思った。

僕はもう被害を被っているわけだし、もっとみんなが不幸になればいい。



それに、僕もまだ心の中では笑っている。

このままどこまで行くのか、まだ面白半分だ。



みんなだって、そこまで深く考えているわけない。




「綱部!」


その授業終わり、僕は廊下でトイレに入った綱部をすかさず追いかけた。



「!?」


綱部は僕の姿を見ると怯えたように個室に逃げた。


ガン!!


幸い、トイレには僕とこいつだけ。その個室の扉を思わず思いっきり蹴飛ばした。




普段なら人の目を気にしてこんなことなんかしないのだが、今はいろんな思いがある。

綱部は分かりやすくここ最近みんなから逃げていた。



「話がしたい。小説のことで。」


僕は彼の個室の扉に怒りの念をぶつけた。


「俺はしたく無い。」


「お前あのままだとあの松利晴大と付き合う事になるぞ!」


「みんな酷いよ!なんであんな展開にしたの?」


「お前だろ!俺をあいつの親友にしたの!」


「いや、あれは…。」



「やっぱりお前か!」


「違う!けど、その前に誰かが俺をはめたんじゃないか!あいつ、気持ち悪いくらい俺にひっついてくるんだぜ!」


「最初は、まさかあんなんなると思ったなかったし。書いたそいつも悪気があったわけじゃないと思うけど?」


「そんなこと言ったら、俺だって悪気あったわけじゃないし。」


「やっぱお前か。」


「違うって!でも、なんか異常じゃない?このリレー小説。今までのとは違う。」


「確かに。積木先輩とあいつはグルなのか?」


「…さあ。」


「一回考えた悪いこと言っていいか?」


「え?」


「あの小説の中で、あいつに自殺とかさせることできるのかなってさ。」


「それはダメだって!」


「いや、例えばだって。本当にやるのかなってさ。」


「やりそうだよ。だって、松利変だし。」


「だよなぁ。」


「積木先輩の目の付け所は凄いと思ったよ。あんな人連れてくるあたり。」


「確かに。」


「なあ、矢津。松利に犯罪を犯させるようなこととか書くなよ。流石に罪の意識かんじる。」



「他はいいのかよ。お前と今の現状のこと。」


ガチャ


すると、トイレの個室の扉が開いた。



グイッ!


「!?」


中から伸びてきた綱部の手が僕の腕を掴み中へ引き込んだ。





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