1980円
夏っ!って感じのTシャツを買った。水色水玉水着っぽい。うーんトロピカル。お値段なんと1980円。
ていうかなんだよ1980円って。中途半端にも程があるよ。2000円でいいだろ。ほらさ、もう20円だけ値上げすればさ、2000円になれるだろ。もうちょっとじゃん。惜しい。スゲー惜しいんだよ。美しくないよそういうの。でも、でもね。1980円にしたいっていうお店の気持ちは分かるんだよ。2000円だと「ムッ、2000円か」ってなるけど、1980円だと「え〜!?1980円!?安〜!」ってなるよ。悔しいけどそうなるよ。でもムカつくの。その消費者心理を手玉に取るかのような価格設定ちょっとムカつくの。舐めてんの?って思うの。字面だけ1000円代だけど本質的には2000円だってこっちは買う前にちゃーんと分かってる。でも買っちゃうのよね。安いと思っちゃうの。ハードル低く感じちゃう。挙げ句の果てについでに余計な物まで買っちゃったりするの。だからムカつくの。
そうずっと考えてきた。けど最近は1980円にだって良いことがあると思えるようになってきた。良いことはある。たったひとつだけ。まず、1980円が税込だった場合。1980円を1000円札2枚で支払うとすると、20円のお釣りをレジのお姉さん(お兄さん)から受け取らなきゃならない。これはデカい。10円玉2枚を領収書と一緒に受け取る。これってコミュニケーションじゃん。もし2000円を渡すだけだったら、精算はすぐに終わっちゃう。そんな一方的な行為はコミュニケーションとは言い難い。つまり、1980円という価格設定はレジ打ちとお客の間にコミュニケーションをもたらしている。誰もが孤独なこの世紀、このコミュニケーション・リソースは貴重なものなのではなかろうか。次に、1980円が税抜だった場合。2016年現在の消費税率で支払う金額は2139円。ピッタリ支払うためには、1000円札2枚と100円玉1枚と10円玉3枚と5円玉1枚と1円玉4枚。硬貨の組み合わせは他にも色々あるけれど、財布の中にこれだけの小銭が揃ってることなんかあんまりない。だから大抵はピッタリ払わず、お釣りがキリの良い数字になるように調整して支払う(お釣りがちょうど500円とかになったらめっちゃ気持ち良いよね。何なんだろうねアレ)。でさ、これもコミュニケーションじゃん。お金を支払う側も受け取る側も、それぞれ考えてるよ。支払う側からすれば、どんなお釣りが理想的な数字なのか。お釣りを渡す側としては、どんな硬化の組み合わせで渡すのがベストなのか。もうね、これって完全にコミュニケーション。例えるなら付き合いたてのカップルみたいに、お互いがちょうど良いと思う距離を探すような。そんな感じの駆け引き。使うのが言葉じゃなくてお金だっていうところは違うけれど、これも立派なコミュニケーションだよ。1980円はコミュニケーション。間違いないよ。
@q@ あるよね、1980円。
*w* あるある。