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新人教育係・駄々目
新人が入社すると、駄々目を教育係に据える。この会社のダメさを象徴するような配置である。誰もが自分の仕事に手いっぱいで、新人を教育する余裕がない。ゆえに全体の戦力として影響のない駄々目に、その役がまわってくる。
駄々目にその適性があるわけではない。だが駄々目は、そこのところをわかっていない。有能ゆえの配置と思いこんでいるふしがある。一丁前の薄っぺらい説教を新人に垂れ、悦に入る。素質と覇気のある新人はすぐに、駄々目のダメっぷりを理解する。新人の彼に見こみがあることを知った班長が駄々目から引きはなして、仕事をおぼえさせる運びとなる。まるでカッコウの託卵である。
素質なしと判断された新人はそのまま、駄々目のもとに放置。なにせ手本が駄々目。新人は新人のまま、成長を見ない。駄々目のもとで四人、うちひとりは辞めた。のこった三人は半年以上、成長しないしスキルも得ない。会社として、その状態を放置しつづける。ダメ会社にダメ人間あり。