表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

官名詐称事件

 まづは駄々目が入社したばかりのころの話をしよう。社歴は五年ばかりだから、その当時四十五。仕事ができないってことが、周知されてきたころのこと。入社したばかりだからもちろん、ぺーぺーの平社員。だけど駄々目は、主任になっていた。週末の夜の居酒屋で。

 隣で呑んでいた見も知らぬ団体と、駄々目は意気投合。聞けば、団体は産廃処理業者。そこで駄々目は酒の勢い、口からでまかせる嗄れ声。

「主任やってる駄々目っていうんだよ。仕事が欲しかったら、いつでも来いよ」


 週明け。駄々目主任の言葉を鵜呑みにした生真面目な業者営業が、会社を訪れる。

「駄々目主任はいらっしゃいますでしょうか?」

 社長は面食らう。駄々目という年食った新人はいるが、主任にしたおぼえはない。会社をまちがっていないかと問えば、営業は社名を口にする。まちがいない。合っている。

 そこで駄々目を呼びだし、事情聴取。駄々目、酒に溺れておぼえていない。くりかえす言い訳、それでいいわけ? 社長次長所長代わるがわる、長い長いお説教。

 それからしばらく、渾名が「駄々目主任」になったことは言うまでもない。


 これは伝説の、ほんの序章にすぎない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ