すり抜けチート?
次から話が進んでいくよ!
というわけで、やってきました埋立地。
結論から言うとボロボロなんかじゃなかったです。えぇ、階段はバッチリ綺麗に消えてました。そりゃそうだ。
「んー、でも残念だなぁ。ここの秘密が分かりそうな気がしたんだけど。」
なんとなく埋め立てられた階段があった場所をコンコンと叩いてみる。無機質な音が響いてくるだけで床が抜けたりなんてしないけど、それでも何かが満たされた気がした。これが好奇心ってものなんだろうか。
「さてと。そういやこの先にいつも孝彦がいる部屋があるはずなんだよね。」
せっかくだし行ってみようか。アイツが普段何やってるのか気になるしね。
ランタンを手に立ち上がる。そして一歩・・・丁度その埋立地に足を踏み出した瞬間。
突然の浮遊感。
「えっ? え、ちょっ、うわっ・・・うわあああああああああああああああああああッ!!?」
☆
ゴスッ、ドスッ、ガスッと体が打ち付けられていく音が響く。
そして5回ほど体に衝撃を感じた後、ようやくどこかにたどり着いたのか衝撃が止んだ。
「痛たたたた・・・・・ってどこだここ?」
痛む腰をさすりながら周りを見渡すと、そこは上とは比べ物にならないほど暗い場所だった。
この辺だけ明るく見えるのはランタンがまだ無事だからのようだ。きっと無意識に守っていたんだろう、ガラス製だもんな。よくやった私。
「それで、ここは・・・まさか地下室・・・?」
というか、そうとしか考えられない。
どうして突然床が抜けたのかは分からないけど。
「後ろは階段か。なるほど、どうりで何度も体が打ち付けられるわけだ・・・・・って、アレッ!?」
なんで!? ランタンに灯された階段の上は厚そうな壁で覆われていた。
念のため階段を登って叩いてみるけど、やっぱり無機質な音が響き返されるだけだった。
ど、どういうことなの・・・・・まさか『床が抜けた』んじゃなくて『私が床をすり抜けた』のか!?
「あ、ありえるのかそんな事・・・いや、でも・・・これで先に進むしかなくなったわけだ・・・。」
慌ててポケットから古い地図を取り出して確認する。地下室だからなのか、このフロアは他と比べて明らかに部屋数が少ない。
一部の壁や扉は木で出来ているけれど、床や天井は地面がむき出しになっている。地下室というより炭鉱現場のようだ。この洋館が建設された当時の技術ではこれが精一杯だったのだろうか。
「よ、よし・・・とりあえず一番近くの部屋から捜索していこう・・・・・!」
うぅ、すごく怖い。本当にリアルホラーゲームになってしまった。
さっさと部屋を回って、脱出できそうなものを探して使って孝彦のところまで戻ろう。ダッシュで!