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黒いローブの二人組

そういえば書いたっけな。

二人のローブはフード付きです。出合った時はどっちもかぶってました。

地面に足が着いた感覚がして眼を開ける。

私たちは今、どうやら小高い丘の上にいるようだ。


眼下には綺麗な、湖が広がっている。

先に見えるのは豪華な庭と、どこまでも続く澄んだ青い空。感じるのは吹き抜ける心地よい風。

それはどれも素晴らしく、まるで私が小説の中に居るような気分になった。



「わぁ・・・・・!」



すごい。

心から感嘆の声を漏らすと、死神さんが隣で嬉しそうに続けた。



「すごいよね。うん、綺麗な世界に来れてよかった。」



・・・・・そういえば、私はこの人に助けてもらったってことなんだよなぁ。

さっきまでは混乱してたけど、冷静に考えたら滅茶苦茶失礼だったし・・・・・それに本当に魔法があるとか色々分かったし・・・。



「あ、死神さん・・・その・・・・・。」

「んー?」



・・・・・すごく今更かもしれないが、それでも言わなきゃならないだろう。

なんだか恥ずかしくなって、私は頬を掻きながら死神さんから目を逸らしながら言った。



「今更ですが、助けてくれてありがとうございます。

それから色々混乱してて・・・その、ごめんなさい。困らせてしまいましたね。」

「えっ?・・・・・あ、その・・・なんか驚いたな。でも気にしてくれなくて良いよ。

それよりも、今はキミのことをどうにかしないといけないんだけど・・・・・。」



どうしたもんかな、と今度は死神さんの方が困ったように頭をかいた。

きっと元から根が良い人なんだろう。なんか泣きそうだ・・・。



「とりあえず、どこか落ち着ける場所を探さないといけないよね。・・・・・よしっ! じゃあ先に進んでみようか。何か敵がでてくるかもしれないから僕の傍を離れないでね。」

「はいっ! ・・・・・えっ、敵? 敵って?」

「あー、モンスターとかって言った方が分かりやすい? 適当に飛んだ世界だから、実はどんなところなのかは僕もよく分からないんだよね。だからお互い気をつけよう!」



・・・・・・・・・・・・なんでだろう、急に不安になってきた。

綺麗な庭園を進み始めて少しくらい経ったかな。私たちは曲がり角で全身が銀の鎧に包まれた人たちとバッタリ出会った。数は二人。わぉ、第一村人発見だね! 見るからに騎士さんだろうし、事情話して色々教えてもらおう!



「あっ、あの! すいません騎士様、少し訊ねたいことが―――」

『ん?・・・・・んぅっ!? な、なんだ貴様ら!?』

『見るからに怪しい奴らめ! 貴様ら、何者だ!?』

「えっ!? まさか職質!? ちがっ・・・私たち全然怪しくなんてな」

『えぇい喚くな! 大人しくしないと痛い目を見ることになるぞ!』



威嚇するように大きな声で言うと、騎士さん達は腰から光る剣を抜いた。



「ひぃっ!?」

「・・・・・ここは大人しく従ったほうがよさそうだね。まだ彼らとは和解の余地がありそうだ。」

「えっ・・・わ、分かりました・・・・・。」

『ふんっ、己の立場が分かったようだな。』

『じゃあ俺は急ぎ戻りテミス様に報告してくる、コイツらは任せたぞ。』

『あぁ、任せろ。』



私たちを不審に思った騎士さんに補導されてしまった。確かに、こんな綺麗な場所で黒いローブ着てる二人組とか怪しすぎますよね! 新世界にきて早速補導とか勘弁してくれよ・・・はぁ・・・・・。


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