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第008部 ギルドへと……

やはり中世ヨーロッパ風並みの街。

ギルドに着いたのはいいが、黒レンガで造られているようで何か異様だ。

少しカッコイいかもだけどな…………


ゼノさんがドアの前に立った。


するとっ! 誰も居ないのにドアが開いたっ!


(自動ドアかよっっっっ!)

と、心の中でツッコみながら改めてファンタジーなのだと思った。



自動ドアの事は後でゼノさんにきっちり聞こう。

俺もゼノさんに続いて中に入る。


(広っっっ!)


外から見ていたらコンビニ程の広さだったのだが、中に入ると体育館並みの空間が広がっていた。

先ほどから驚かされてばかりだ。


「おい、ゼノさんこれって……どういう……?」


「ハッハッハッ、驚いたろう。

この街のギルドには空間拡張の魔法が掛けられているんだ。

大きさも変えられるらしくて、今は大型の魔物でも持ち込まれたんだろうよ」


「…………すげぇ……」

「だろだろ!」


とまあ、こんな感じにご丁寧に説明してくれた。

しかしながらすげぇなこれ……


そう思っているうちに手が引かれる。

っていうか、ずっと繋いだままだ……繋ぐなら女性の手方が良かった……


ゼノさんはつい先ほどまでの口調を変え、カウンターにいる若い受付嬢に向かって真剣に

「ギルド長に話したいことがある」


「私がお話をお受けしますが?」


「いや、直接だ」

と言いながら銀貨を見せる。

しばらく銀貨をみていた受付嬢だが、やがてその表情に驚きが現れた。


「っっ今すぐギルド長を呼んで参りますのでこちらへどうぞっ!!」


と、上の階の奥の部屋へと案内された。

今思うともの凄い茶番劇だったのだが、それは今はいいだろう。


─────

───


カツカツと二人分の足音が扉の向こうから聞こえてくる…………

先程の受付嬢らしき声とおじさまボイスも聞こえる。



「はぃ……すから……精霊…………少年………………」

「それ…………のか? ……違い……だろう……」


……内容までは聞き取れないな。

いや、聞くつもりもないし!



ガチャッ……ギィィ…………


俺が入ってくるときには鳴らなかった音が鳴っている。

なんか重々しい……

初老であろう歴戦の戦士然としたおっさんがこちらを見ている。

顎髭をもみあげまで繋げてやがる……


ゴクリ……


今唾を飲んだのは俺か……

それすら分からないほど緊張している。



「お前が世界神の加護を受けているという者か?」


──え?なんで知ってんの?!

とまあ声に出す訳にはいかない。


「何で知ってるのかって言うとだな……

お前は田舎育ちだからあまりわからないかもしれないが、17歳の誕生日を迎えるときに少年のような風貌をしたお方が来なかったか?」


「(あいつのことか……?)」


「ん?聞こえぬぞ?」


「あぁ、それなら多分会いました。」

ここら辺は適当にやっとけばなんとかいけるはず。


「その事なのだが……お前は世界神に選ばれた者として、来城し、国王と謁見してもらう事になった」


「え? ほんとですか?!」

是非是非!!!!

コネを作っておかねば!!!!


「それにあたり、2日の出発準備期間を設けるので準備をしていただきたい。

城のある王都まではここから3日かかるのでな。来たばかりであろうこの街を少しは見て回るのもいいだろう」


「お、おう。分かった!」



──本格的に歯車が回り始めるのはいつだろうか……回り始めたら目的が果たされるまで歯車が止まることはないだろう……

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