第007部 いざ街へっ!!
今俺はゼノという男に手を引かれ、街中を歩いている。
「お前、こんなに大きな街は初めてだろ?」
周りを見ていると質問されたので、とりあえず頷きながら答えることにする。
「そうです。祭りでもないのにこんなに人がいるのは初めてです」
んー、この話し方しっくりこねーな……
「そういえばお前の名前は何だ?」
(偽名……じゃなくっていっかな)
「あぁ、竜二です。えっと、リュージ・ツチミカドです」
「……め、珍しい名前してるんだな、お前。リュージかぁ。となると、東の方からか? 遠かったろ」
「えぇ、まぁ……」
よく分からないがとりあえず肯定しておく。
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それから冒険者ギルドは街の中心部に有るということなので、色々と話をしながら歩く事となった。
敬語、やめさせられた……まあ、その方が気が楽でいいけどな。
名前だけはゼノさんと呼ぶことにした。
「ところでゼノさんよぉ。俺は何で連れて来られてるんだ?」
「あぁ……それの事だが、色々と確認してからでないと話すことができん。これは、門兵とギルド、それに王族関係者しか知らないことだ…………」
そんなこと教えていいのかよっ!
ってか何で門兵だけ特別扱いなんだよ!(笑)
「知らない身としては色々と不安があるんだが」
あの世界神のよこした銀貨で泥棒扱いなんざぁされた日には、もう絶望するしかないね。
っていうかあのガキみたいな風貌どうにかできないのか?(笑)
「済まないっ、それに関しては詳しく調べてからじゃねぇと話せないな……
とにかく今は付いて来てくれ。」
「わ、分かったよ」
(何か良い事ならばいいけどなー)
この時の俺はやや楽観視していたのかもしれない。
この後、精霊銀貨を巡り……いや、俺の周りに様々な事態が起こる事を知らなかったのだから。
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(もしかして小僧がそうなのか……?いや、まだそうと決まった訳じゃないな…………)
次、7時投稿予定です。