第011部 スキルは……えっ?!
日間ランキング100位くらいになっててビックリしました!w
俺はゼノさんに連れられて宿屋にきた。
──小鳥の宿り木亭──
店の外観としては、これまたコンビニほどの広さがある。
柵で囲まれて隣接している庭には、机と椅子が2セット。
そして二階建ての宿より高さのある木がたっている。
その木には人の顔のような宿り木があった。
こええええええええええっ!!
なんだよあの顔みたいな模様!!
ゼノさんに聞くかっ……
「ゼノさん……あれ、なんだよ……」
庭にある宿り木を指しながら言う。
「あぁ、あれはなぁ…………」
ゼノさんの説明をまとめるとこうだ。
・人面樹という名前である。
・他の木に寄生し、宿り木として生きる。
・大陸中どこでも生息できるモンスターである。
・個体数が少ない。
・顔の模様は個体差がある。
というわけだ……はぁ…………
この人面樹は宿が建つ前からいるそうで、一回寄生すると宿主である木を変えたりしないそうだ。
切るのも可哀想だということで、昔の街の人が残したという。
それにしても、ここまでおぞましい顔をしている個体はあまりないという。
一応街の名物らしい……
「いろんな事情があるんだな……」
「まぁいい。はいるぞ! 俺も今日は一緒の部屋に泊まる」
「いやだよっ! ゼノさん、俺のこと襲うとかじゃねぇだろうな!」
「おいバカ! 俺がそんな事するようにみえるか?!」
「……みえる……」
「………………」
ゼノさんは自分の顔をぺたぺたとさわりながら黙ってしまった。
いじめすぎた(笑)
「ごめんよゼノさん。冗談だって。」
笑いながら言うと、
「……ん? あぁ、すまん。
っておい!! やめろよ、本気にしちまったじゃねぇか!!」
通行人がこちらを見ていて正直居づらい……
「よしゼノさん! 入るとするか!」
「っておい! 人の話を聞けぇ!」
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カランカラン、と乾いた音が聞こえる。
「いらっしゃいませぇ~!」
快活そうな少女の声だ。
ふと前の方を見ると、
黒髪黒目をしていた。
「「っ……!」」
息をのんだ。
街を歩いていても、黒髪黒目の人は一人もいなかった。
ゼノさんは主人から宿について説明を聞いているし、少し話しかけて名前を聞いてみるか……
少女はこちらを見ていた。
「「あのっ……!」」
「すみませんっ!」
「いえ、どーぞどーぞ」
「いえいえっ」
あれだ、なんか気まずいやつだ。
流れを変えなくては……
「君、名前はなんて?」
「アイカって言いますっ」
「ごめんごめん、俺はリュージ。リュージ・ツチミカド、よろしくな!」
「リュ……リュージさんですねっ! こちらこそよろしくお願いしますっ!」
ふぅ……なんとか持ち直した……
しかしなぜ黒髪黒目の人を彼女しか見かけないのだろうか……
「アイカさん、その髪の毛って……」
それとなく聞いてみる。
「あっ、これですかっ?! これはその、遺伝だそうですっ! でもリュージさんも……?」
「遺伝なの?! 俺の場合は故郷の人のほとんどがこれだから」
と言って、自分の髪の毛と目を指す。
「ほんとですか?! それってどこですか?!」
身を乗り出してまで聞いてくるよ、この子。
元気だなぁ。
「遠いし、わかんないだろうからいいよ」
笑いながらごまかす……か。
「…………あの! 祖父がニホンジンと言っていたのですが何か知ってますかっ?!」
…………えっ?! ニホンジン…………
その爺さん……転移者?!
スキルについては後で考えるか……
とりあえず今はこの少女からもう少し話を聞くとするか。
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評価ありがとうございます!
始めの方は会話などで設定を固めたいと思います。
更新速度は三日に一話を目安にさせていただきます。