第010部 武具を買って……もらうよっ!
ゼノさんに街を回りたいと話すと門兵である彼は仕事を休憩中の部下に預け、俺を街案内してくれるという。
……はっきり言って部下の方には申し訳ないと思ってたりもする。
それはさておいて、街巡りだっ!!
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今俺たちは街の中心に位置する冒険者ギルドにいる。
「そういえばお前は武器もなんもない綺麗な服装をしてるが、どうしたんだ?」
しまった……このことは考えてなかった……とりあえず誤魔化すか。
「いや、それは色々あって……その……」
「すまないすまないっ色々あったのだな色々! とにかくその装備を何とかしよう」
っと、良かった。なんとか話題をそらすことができたようだ。
「金は……?」
「こちらが用意する。お前は精霊貨しか持ってないようだしな。というか国で出す」
「(何か裏があるとしか思えないんだけど……)」
「さっきからお前はなんだ? 一人で聞こえないようにぶつぶつと……」
「いやぁ、ごめんごめんゼノさん」
おぉっと、聞かれたら……危ないのか? でもさっきは色々と言っていたような気がする。
「武器防具の店で一番いいと思う店ーゼノ調べー はここから北に少し行った路地裏にある! 行くぞ!!」
「っおい! 手ぇ痛いって! あんまひっぱんなよっ! おいってばっ!!」
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「ここが、武器と防具の店。ランドル武具店だ!」
外観はギルドほどの大きさだ。しかし、空間拡張魔法は掛かっていないだろうな……
おまけに看板がかっこいい。
シンプルではあるが口を開けたドラゴンの前で盾と剣がが交差したものだ。
「すげぇな……こんなところに」
それだ! 路地裏にあるのがもったいない!!
「それだけはしょうがねぇな。開店したときは金が無かったんだとよ……」
Oh……リアルな事情が……
「入るぞ、リュージ」
……あ、やっと名前呼んだ。
ゼノさんが扉を開けると、カランカランと大きめの熊除けの鈴のような音が響く。
「親父ぃー、息子が来たぞー!」
「へ? 息子?!?!」
おぉいっ!! 初耳だぞっ!!
「ん? 来る前に言わなかったっけか? まあいい、ここは俺が生まれた頃に親父が始めた店だ。かれこれ40年以上やってる店でな」
長いな……ベテランだと思うがその腕を信じることにするか。
「おい、ゼノ。なんだ?そいつは」
と、奥からヌッと出てきた厳ついおっさん。
こえええええええええ!
なんだよあの腕の太さ!!!
ケバブかよっっ!
っていうか、眉毛太くて男前だしよぉ!
ちなみに髪の毛はロマンスグレーで程良い白髪といったところだろうな。
ゼノさんにも男前さは少しだけだが遺伝しているようだ。
「って言うか何しにきたんだ?ゼノ」
「あ、親父。事情があってこいつに装備を見繕ってやんなきゃなんねえんだよ。予算は……」
といってドンとカウンターに置かれた麻袋。
親父さんがなかを開くと、
「ゼノ……こんな大金……どうしたんだ」
若干お怒りのような声で言う。
「違う違う。それは国がこいつに出した金の2分の1だ」
それをゼノさんが慌てたように取り繕う。
麻袋に入っていたそれは、大きめの金貨……大金貨が40枚と小金貨が5枚ずつだった。
さっき、怪しまれるのを承知で聞いた情報だと
小銅貨・・・約一円
大銅貨・・・約十円
小銀貨・・・約百円
大銀貨・・・約千円
小金貨・・・約一万円
大金貨・・・約十万円
白金貨・・・約百万円
黒金貨・・・約一千万円
ということだ。
よーするに、小銀貨十枚で大銀貨一枚ということである。
少し高いパン一つが小銀貨一枚だそうだ。
因みに約~円っていうのは俺がきちんと計算したんだからな!
で、だ。麻袋の中身は日本円にすると約405万円ということだ…………
……ん? 俺に何でそんなに金が掛けられてるんだ?
「おい小僧! 防具のサイズをみるからこっちにこい!」
うお! びっくりした……
「おう……」
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ふぁーーーーーーーーっ
親父さん測り方が雑すぎるだろーっ!
色々と疲れたわ!
幸い特注せずに合うサイズの防具があるようだ。
・炎竜のローブ
・炎竜のグローブ
・蒼翼竜の靴
鑑定してみるか……
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・炎竜のローブ
使用者の物理、魔法防御を1.5倍に引き上げる。
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・炎竜のグローブ
使用者が武器を使用する際、体感重量を5分の1まで軽くすることができる。(思念することにより任意に変更可能)
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・蒼翼竜の靴
使用する魔力に応じて空中を連続して歩ける。ただし、使用魔力量が多いのがネック。
解放することで!$$#0=#!~$==
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……なんじゃこれ? 読めねぇじゃんか……
……ん? あれか? スキルレベルか?
きっとそうに違いないなっ
ゼノさんは親父さんから麻袋のみを受け取り、俺を宿屋へと連れて行ってくれるという。
宿屋でスキルを詳しく見てみるとするか…………
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