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詩集⑫

歪んだ音

作者: 桜ノ夜月


「世界には、綺麗な音が溢れているんだ」


そう言って、笑った君に連れ出されて



見つめた世界は、青く澄んでいたんだ。



―一緒に進もうよ。



そう言って、手を差し出した君に、私は何も言えなくて。



駄目なんだよ。



私は、何処にも往けないの。



此処で、貴方の『悲しみ』の音色を、聴いていなくちゃいけないから。



貴方の『悲しみ』は寂しがりだから。



私は、何処にも往けないの。



これから先、もっともっともっともっと。



貴方くらいに、大切な人に出逢うでしょう?



彼か、彼女か、人間なのかも解らないけれど。



『誰か』が悲しんでいたら、放っておけないでしょう?



『擦り傷』だったら、絆創膏を。



『骨折』だったら、包帯を。



私は、着けてあげなくちゃ。



独りぼっちは、寂しいから。



例え『歪んだ音』だとしても。



私はそれを聴いていなくちゃ。



たった独りで鳴り続けるのは、寂しいから。



開け放した窓から、貴方の『音』が聴こえるそれだけで。



貴方が今日も、幸せであるのだと思うから。



「大丈夫だよ」



歪んだ音はもう



聴こえない。




此処までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

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