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約束  作者: りっこ
終章 
97/111

目覚め

『時は満ちた。』








ドクン…ドクン…



…ん、なに?



ドクン…ドクン…ドクン…



息苦しい…



ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…



…やめて…来ないで…来ないで!!!



ピピピピピピピピピピピピピ…


「っ!!…はぁ。」


寝汗で前髪は額に張り付いている。冬なのに嫌な汗が体にまとわりついていた。

今日もまた変な夢に起こされる。まともに眠れたのはいつのことだろう?


時計を見る。まだ午前3時過ぎ。…なんでこんな時間に目が覚めるんだろう?あれだけ眠ることが大好きだったのに…。昔ならこんなことありえない。余裕で12時間以上眠りつづけることができたのに。


顔に張り付いた髪を手で避ける。…改めて気づく。こんなに汗をかいていたなんて…。


「…着替えよう。」


あまりの汗に、パジャマは湿っていた。このままでは風邪をひいてしまう。そう思った私はクローゼットに手をかけた。


その瞬間…。


『時は満ちた。』


どこからともなく、声が聞こえた。それは外からなのか、はたまた私の中からなのか…それでも確かに聞こえたその声が、全てを明らかにしてくれた。


時は満ちた


うん、そうだね。


全てが腑に落ちた。私、遙の言った通り、選ばれた人なんだ。ユウマが選んだのは私だった。


遙か昔の記憶が今鮮明に蘇る。そう、あれは私が七つの時…。

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