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約束  作者: りっこ
第6章 気付かぬ想いに気付いた時
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未熟な心

…今は思うよ。私はわかってなかった。遙の気持ち。







はてさて、私と玉木の夏休みの課題の件なんですがね。


終わる訳ないじゃん?ばかじゃないの?夏休み前半で課題終わらせるなんてバカの所業じゃないの!?


と、思ったんですわ。思ったんだけど、賢い人にとっては私のその考えこそ愚の骨頂!!らしいんですわ…。(これも雅史に聞いた言葉)


「何を怠けている?」


「あら…まだわからないの?ふふふ…」


「…あー…あとはお前らに任せた!!俺は遊びに行く!!」


…と、まあ三者三様とはよく言ったもので?


とりあえず悠斗に投げ出され、どSの二人に囲まれて、何とか課題は終えたわけですよ。


課題を終えた私の前に現れたのは(いや、もともとあったんだけど、気持ち的に初見です)めちゃくそ広いテーマパーク的な娯楽施設でして…。アホかと思う程の規模に吃驚したわけです。


「玉木…これは日本だと思う?」


「いや…日本とか海外とか…そういう次元じゃないだろう、これは…」


庶民の二人はこんな会話しかできないわけですよ。


「先輩、ここでなら俺達の約束もできるね。」


目の前のありえない光景にあんぐりと口を開けていると、遙がそんなことを言ってくる。そういや、私この子とデートの約束をしたんだった…。言われた当初はめちゃくちゃ悩んでいたのに、今はわす…ヴヴ、ゴホン…いや、言われてた!想い、寄せられてたよ!忘れてないよ?知ってるよ?うん。全然知ってる。わかってたよ、うん。


…とまあ、そんなこんなで迎えた皆との夏季休暇ですわ。…正直、遙とのことは後回し…だな。今はそれよりもユウマのことを考える時だ。時間が限られているし…。だからごめん、遙には悪いけど、そんなこと考えてる暇はないんだ…それを伝えるために、私はこの休暇を利用して遙の望むデートをすることにした。


…今は思うよ。私はわかってなかった。遙の気持ち。人ひとりが、誰かを好きだという気持ち、その覚悟…。全く理解していなかったんだ。今理解できているのかと問われたら…きっとそれも首を縦にふることはない。


それでも…私は今よりも甘く見ていた。「好き」という気持ちを…。

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