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約束  作者: りっこ
第5章 個々の能力
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龍太の場合

(…できる!!)








…なんかさ、皆何かしら力あるみたいだけど…


僕の力って…何なんだろう…?


僕だって茜ちゃんの手伝いがしたい。だけど…僕の力、それって…?

友達がこんなことにならなければ、幽霊なんて存在信じなかった。そんなのいるわけないって思ってたから。

でも実際いるってことがわかって、じゃあ手伝おう!!そう思っても…何をどうしたらいいのかわかんない。


ユウマは皆に力があるみたいなこと言ってたけど…僕今まで一度だって特別な力を感じたことない。

これから…なのかなー…?


うーん………


ま、考えてても仕方ないか!僕は僕なりに頑張ればいいんだし!


とにかく言われた通りに自然を感じてみよう。


………


……



…??やっぱりわかんないや。しっかし…悠斗の島はすごいなー!!こんなに自然に溢れ…ってるっていうか無法地帯…。まさにジャングルだなー。


そういえば僕、父さんに連れられて昔アマゾンに行ったことあるなー。あの時は大変だったけど面白かった…ような気がする。小さかったからあんまり覚えてないけど。見たことない生き物いっぱいいたし、歩いてて生き物に出会わないことがなかったなー。


ここにも同じ雰囲気を感じるや。


……探検、してみよっかな…?




わー…生き物の気配をいっぱい感じる。


想像以上に自然に溢れてるな。いじってない森林はぐちゃぐちゃに命の望むまま育ってる。その一つ一つから溢れんばかりの命の音が聞こえる…気がする。…あれ?僕ってこんなに感覚鋭かったっけ?


いつもと違う感覚に、意識して自然を感じようと目を瞑る。


……うん、やっぱり。これ…第六感っていうやつなんだろうか?これが僕の力?…いや、違うよね。こんなんじゃ何の役にも立たないだろうし。


もっともっと…もっと深く意識を集中させてみよう。


僕は地面に手をついた。掌から命の音が流れこんでくる。…だめだ。感じるだけじゃ…。僕が欲しいのはその先にある力なんだ…。


掌が熱くなる。土の温度が急上昇していく。なんか…今ならできる気がする。


未だかつてこんなに集中したことがあっただろうか?感覚が研ぎ澄まされていく。葉の擦れる音ですら耳によく響いて鼓膜が痛い。


(…できる!!)


僕の意識と土の意識が融合する。僕は土で…土は僕。


ドゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!!


僕の手が触れた位置から、土は二つに裂けた。それはとても浅い…十数センチ程の亀裂だったけど、確かに僕が土に働きかけたことによって起きた現象だ。


「そうか…僕は“土”なんだ…。」


自分の力が見えてホッとすると同時に嬉しくなる。これで茜ちゃんの役に立つことができる。


もっともっと集中できたなら、もっともっとすごい力になるのかな?


待っててね!茜ちゃん!僕、頑張るから!!

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