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約束  作者: りっこ
第5章 個々の能力
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早すぎる・・・?ユウマの不安

『…ね…茜っ!!』







「4回目終了ー…」


ひたすら襲い来る眠気に耐える時間、約4時間が過ぎる。時計を見るともうランチタイムに突入していた。全く動いてないのにお腹はかなり空いている。それに…疲労感が半端ない。


『意外に疲れるでしょ?今の茜にとってこの修行はマラソンよりも体力使うことだからね。』


「うげ…マラソン嫌い…。そろそろお昼にしていい?皆もう食べたかなー…?」


『まだ帰ってこないよ。お弁当持って行ったから。』


「え…そうなの?…ねえ、本当に私には教えてくれないの?皆が何をしてるのか。」


『勿論。邪魔されちゃいけないし。』


「邪魔なんてしないよー。私ってそんなに信用ない?」


『まあ…とりあえずご飯食べて来たら?お腹空いたでしょ?』


…まあ、って何さ、まあって…。…だめだ。怒る気力もない。今はご飯食べて力つけよう。怒るのはそれからでも遅くないしね。


…なんて思ってたけど、食事が済めばすぐに修行とやらに入らなければいけなくて…結局さっきのユウマの発言はスルーする結果となる。本意じゃないのに…。


5回、6回…と私に課せられた修行を繰り返す。……?自然を感じることには慣れた。だけど…今まで感じたことのない気配をその中で感じる。それがなんなのか探ろうと意識を集中させるも…あえなく失敗。


「…なんか…あとちょっとで何かわかる気がするんだけどなー…。何かはわからないけど。」


『いい傾向だね。もしかしたら…今日中にわかるようになるかもしれない。』


8回目…。


自然の力の中に不自然な色が視える。…それは自然が淡い存在感なのに対して…ひどく大きな存在感を放っている。しかも一つじゃない。…少なくとも3つは確認できる。位置はばらばらだ。…敵?


もっと集中しなきゃ…もし敵なら皆に危害が及んでしまう。私は皆の居場所さえ知らないんだもん。早く感知しなきゃ手遅れになる…!!今日一番の集中。…なんか…じりじりする。体の奥の方が焼けてるような…。


『…ね…茜っ!!』


ユウマの呼びかけに集中力が切れた。…あと一歩だったかもしれないのに…。


「なんで邪魔するの!?敵が近くにいるよ!自然の力の中に変な気配を感じた!!早く皆を助けに行かないと…!!」


『茜、落ち着いて!それは敵じゃないよ。』


「…何?どういうこと?」


『…皆、自分の力を高めるため頑張ってる。茜もそうだよね?』


「…?うん。…で?敵じゃないっていうのは?」


『茜が感じたのは誰かの力だよ。茜の仲間の…ね。修行法、うまくいっているみたいだ。もう3人、自分の力に気付いた。もう一人は気付きかけてる。…もう少し時間のかかる人もいるけどね。とりあえずそろそろ皆帰ってくると思うよ。』


「…皆の力…?敵じゃ…ないんだ…。なんだよー…そうならそうと言ってよね!?焦っちゃったじゃんよ!!」


『ごめんごめん。まさかこんなに早く力をつけるとは思ってなかったから…。』


「…うん、そっか。皆頑張ってるんだな…。よし!私も頑張るぞー!!ってことで皆が帰ってくるまで修行続けるね!じゃ!」


『うん…頑張って。』


ユウマに断りを入れてから再び目を閉じる。今ではすぐに自然の力を感じられるようになっていた。たった1日なのにすごい。…自分にこれだけの集中力があったとは…未だに信じられないよ。よし、頑張るぞ!!





茜は再び瞑想に入る。…俺は…ちょっとした不安を覚えていた。茜の成長が早すぎる。思った以上に…。さっきも俺が声をかけなければ…。


茜の力は俺を倒すためのもの。…それで終わるんだろうか…?


『茜……』


瞑想する茜にはこの程度の声は聞こえない。俺の声は不気味な静寂が掻き消していった…。

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