仲間って…いいよなぁ
『茜は本当にいい仲間を持ったね。俺は…そんな茜と約束を交わせて本当に誇らしい…。』
『一つ…君たちはこの合宿の間、茜に近づいてはいけない』
ユウマが言った。…うん?どういうこと?
皆も私と同じ疑問を持ったようで一斉にざわつく。
「…あなたの意図は何?」
「そうだよ!!もしお前の言う通りにして白田に危険が及ばないてって保障はあるのか?」
ともちんに玉木…二人共、最初から私を心配してくれていた。…ありがとう。
「なーんで茜に干渉したらだめなの?俺らもさー…それわからないうちには素直にうん、って言えないよね?」
「言って!?僕、ちゃんと守るけど…守らなきゃいけないって思ったらね?」
「確かな意味合いを持たない限り…協力はできないな。お前には」
皆がユウマに敵対心を燃やす。…いや、ユウマは私にとっちゃ身内なんだけど…。それでも皆の反応が嬉しい。私を心配してくれてのものだとわかるから…。
「先輩…俺だって…先輩にしか従わないよ?」
遅ればせながら遙が私にボソリと呟いた。
(こいつ…キャラ絵ないわりにガンガンくるな)
なんて作者のずぼらっぷりをここで言ってみたり。
とりあえず皆はユウマを信じないつもりみたいだ。…今まで会ったことない上に、巻き込まれたんだからしょうがないよね。
『茜は本当にいい仲間を持ったね。俺は…そんな茜と約束を交わせて本当に誇らしい…。』
…なんて、約束を持ち出すものだから…。…ちょっとおセンチになっちゃうじゃない。
『大丈夫。俺は茜の命を一番に考えるから。君たちの能力を伸ばすための合宿と思ってもらって構わない。今回何かに襲われるだとかそんなことは一切考えなくていいよ。』
…今まで望んでいないのに何かと霊に絡まれてきた。それが今回ないのだとユウマが断言してくれたことで、私の気持ちはいくらか軽くなったんだけど…。
「本当に…あなたを信じていいの?私たちにとってはあなただって未知数…」
用心深いともちんが言った。
「今回何もないってなんで言い切れる?俺は…あんまりお前を信じることはできない…。」
玉木が悲痛な面持ちで答える。…きっとこの答えを言うのに、玉木自身苦悩したはず…。こんなセリフが似合わないくらいにいい奴だから…。
「俺はいいよ?先輩がユウマを信じてるんなら異論はない。どこまでだってついていく。」
「僕も!!多分…悪いようにはしないでしょ?なんとなく…そう思うし、僕だって茜ちゃんの役に立ちたいから!!」
「うーん…俺も別にいっかな。なんか面白そうだし。」
…ん?つまり…多数決とったらこの現状にOKを唱える人の方が多い…?
『…誓うよ。今回のことで茜に危険が及ぶことはない。君たちの力…それが増幅するための期間だと思ってくれていい。』
「…ってことは?茜のためになるってことだよな?」
悠斗が念押しすると、ユウマは深く頷いてくれた。その姿を見た皆は…。
「…じゃあ仕方ないか。」
「僕頑張るよ!!」
「…はぁ…世話の焼ける…」
「茜にもしものことがあったらただじゃおかないからねっ!!」
「俺は十百香に何かあったらただじゃおかないからなっ!!」
「俺は先輩が行くところにはどこへでも付き合うし…。」
と、三者三様ならぬ…六者六様でした。
でも…もしこの合宿内でおいて、皆に危険が及んだりしたら…私は容赦なく立ち向かうよ!それが私を心配してここまで協力してくれた皆に返せるただ一つの行為だから…。