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約束  作者: りっこ
第5章 個々の能力
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合宿=サバイバル?

『…茜は友達に恵まれているね。』










G.W…なんて素敵な休日なんだろう。去年何したっけ?ああ…そうだ。おばあちゃんちに行ってひたすらだらだら過ごしたんだ。あー…休みって…いいよなー…。


「はいっ起きるー!!」


ガンガンガンガン…


悠斗…フライパンを叩いて起こすのってさ…古いし、ベタ過ぎませんか?


各部屋のドアを勢いよく開け、ベッドの周りを一周して次の部屋へ突撃する悠斗。それを一人ずつやるもんだから後の人の目はだんだん覚めてくるよね…。


「っ!?何女子の部屋に入ってきてんのよーーー!?」


「おわっ!?ちょ、ごめんって!!な、投げるのはほんと勘弁…!?」


ゴワンゴワンゴワンゴワン…


あ、フライパン返しされたな。悠斗、起き上がれる…か?




今日から4日間のG.W!!昨日学校が終わると同時に皆悠斗に拉致られて、自家用ジェットに乗せられた…。自家用って!!…どいつもこいつも…。


そんなこんなで、今回合宿場所を提供してくれたのは悠斗だ。


「俺に任せとけっ☆」


…なんてウィンクするもんだから…不安は募るばかりで…。ジェット機を下りて予感的中☆…なんだ…ここ。


一たび建物の外に足を踏み出すと…待っていたのはジャングルだった…。


「強化合宿だろ?修行だろ??サバイバルだろ!?」


…えー…。


…皆私のために付き合ってくれてるんだ。…いや、わかってるけど…でもジャングルって…。


着いた時には既に日は落ちていたので、強化合宿とやらは翌日からってことになり、昨日はおいしいご飯を食べて眠りについた。(サバイバルなんて言うからテントでも張るのかと思ったけど、ジャングルの中にちゃんとした別荘が建ってた。料理もシェフが作ってくださいました。…よかった。)



そんなこんなで合宿1日目の朝を迎えたわけである。


「おはよー。お、えらい。皆起きてる。」


「おはよ。悠斗の奴はまだのびてるってよ。」


「あはは~…すごい音がしたもんねぇ…僕、絶対女の子の部屋には近づかない…。」


「当然の仕打ちでしょ。全く…レディの部屋に勝手に入るなんて…言語道断だわっ!!」


「レディ?…怪力女の間違いだろ。」


「あ?なんか言ったか?」


「先輩寝癖ついてるよ?俺が直してあげる。」


雅史にすごむともちん。険悪な空気の中、のほほんと私の髪を弄る遙は偉大なのかもしれない…。


「ねー、合宿って基本的に何をすればいいの?」


朝食を食べながら、龍太がそんなことを問いかける。…そういえばそうだな。こんなジャングルで…何しろっていうんだろ。体力云々の話じゃないだけに、皆首を捻る。


「…おはよー…。」


ああでもないこうでもない…と話し合っていると、悠斗がやっと起きてきた。…頭には明らかにわかるたんこぶをこさえて…。


「遅いぞ、悠斗」


「十百香のせいだー。茜慰めてー。」


「何人のせいにしてんのよ?もとはと言えばあんたのせいでしょ。」


「ちょっと悠斗先輩、茜先輩に近寄らないでくださいよ。」


「うわ…すごいたんこぶ…うん、僕は絶対近寄らない!!」


「賢明な判断だな。俺もまだ死にたくないからな。」


「あん?なんか言ったか?」


「あー…皆、ちょっと落ち着こ…」


悠斗の登場で話が脱線してしまった。これはいけない…と話を戻そうとすると、視界がぼやけた。


…ユウマ…。


『…初めまして…かな?』


ぐるりと見渡したユウマがそんなことを言う。…え、皆にも見えてるの…?


「…お前が…ユウマ…?」


「着てる服が変だねー!どこの人?」


「頭いい色じゃん☆俺も染めたいなー♪」


「…ふーん?思ったよりイケメンね。」


「…誰かガムテープ持ってこい。こいつらの口を封じてやる。」


「はい、雅史先輩。あ、なんなら人数分に切っておきましょうか?」


…最初の一言を言った玉木。それ以外はなんか緊張感がないセリフだなー…。


『まずは…巻き込んでしまって申し訳ないと思ってる。茜が説明した通り、時間がないんだ。ここに来たってことは協力してくれるっていうことだよね?』


確認するようにユウマは一人一人の顔を見る。


「あなたに協力するわけじゃない。私たちは茜に協力するの。勘違いしないでちょうだいね。」


ユウマを見据えてともちんが言い放つ。


「そうそう。茜のために俺らは動くんだよ。それを忘れてもらっちゃ困るよ~☆」


悠斗が念押しする。…いい人たちだー…本当に。


『…茜は友達に恵まれているね。』


「当然っ!!皆のおかげで私の今があるんだもん!感謝してもしきれないよ!」


『ふふふっ…じゃあ…茜に協力してくれる君たちに、今回の合宿の説明をするよ』


…なんとなくだけど、そう言ったユウマは満足そうに見えた。自分の友達をユウマが認めてくれたみたいで…ちょっと嬉しいな。


はっ!!いけない!!ユウマの話は終わってない。むしろ今からが大事なところだっ!!遅ればせながら私はユウマの言葉に耳を傾けたのでした…。

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