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約束  作者: りっこ
第4章 名をもって
53/111

日替わりデート

「わり、今日ちょっと遙借りるな。」





1時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り、先生が教室を出て行くのをコソコソと見届けてから教室に入る。そそくさと自分の席へ向かうと、いつ気がついたのか、ともちんは私が座るのとほぼ同時に田中くんの席へ着座した。


「おはよ。何よ、やっぱり一時的なものだったのね。」


一言目に意味のわからない言葉に瞬きを数度繰り返す。一体何の話?


「記憶よ。遙と一緒に登校、しかも遅れて来たってことは思い出したんでしょ?」


「まだ何も言ってないのに…っていやいや、違うよ!!そもそも付き合ってなんかないんだってば!!」


「…なんだ。まだ戻ってないのか…。」


ともちんの落胆ぶりに一言物申す気も失せてしまう。えー…そんなに肩落とさんでもいいのに。


最終的には早く記憶戻るといいね…なんて同情される始末。あーもう…皆の記憶こそ早く元に戻ってくれ。会う度に思い出した?みたいに言われるのもうんざりだ…。


そして2時間目が始まり、私はやっぱり集中できずにいた。さっきの相沢遙の捨て台詞が気になって仕方ない。気をつけた方がいいって…具体的に何をどう気をつければいいんだ?結局ユウマは出てくる気ゼロだし、それでもあの女の人は引きずり出して消すつもりでいるんだよね?出てきなさいって言ってたし…。これ、ユウマ出てこなかったら私ごとっていう話になるの…かな?無理無理無理。怖い怖い怖い怖い。


なんて毎時間考えているうちに1日が終わっていった。…今日の時間割はどうなっていたっけ?うーん…次のテストが怖いな。


「白田ー。」


帰り支度を整えているところに、玉木から声をかけられる。


「わり、今日ちょっと遙借りるな。」


「え…それ別に断りいりませんけど。」


「あ、そっか。まだ記憶…」


「しゃらっぷ!!どうぞどうぞ行ってらっしゃいませ!!」


ごめんなーと言いながら慌ただしく教室を出て行く玉木。あーもうほんとやだ。これが続くなんてマジで勘弁してください。


…という私の願い虚しく、日替わりで皆に同じようなことを言われた。今日遙を借りるからって…。わざわざ私に断りいれなくていいことなんだけど…皆が皆てどういうこと?玉木の次はともちんで、さすがにちょっとおかしいなって思って、あの女の人が何か仕掛けてるのか…と不安になったけど、でも誰もおかしいところなんてなかった。相沢遙と2人で出かけた翌日もちゃんと学校に来たし、普段どおりの態度だし…ちょっと構え過ぎ?3人目は悠斗、4人目は龍太、5人目は雅史…。悠斗の時に何をしてるのか確かめてやろうと思って後をつけようとしたんだけど、すぐさま相沢遙にばれてしまい、結果まかれてしまうのだった…。


一体なんなんだ…?

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