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約束  作者: りっこ
第3章 食い倒れ部発足
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悪夢のバレンタイン

「今日も帰り遅くなると思う〜。じゃ行ってきます。」


バレンタイン当日、チョコの入った袋を片手に学校へ行く。


結局昨日だけじゃ掃除は終わらず、今日まで持ち越しになった。いやー…あの後も大変だったんだ。目移りしちゃって…バニーを残すか全身タイツ(ピンク)を残すのか…はたまた見事な偽パイのついたビキニか…真剣に悩んだ。(もちろん全部男性用)


1人悶々と悩んでると大体の荷物を運びだしたため、冬だと言うのにワイシャツ一枚の玉木が(他の2人はセーター着用で涼しい顔をしている…手抜いたな)私たちの作業の遅さにツッコミを入れるべく近づいてきた。


やばい、怒られる…と思いきや一向に声が聞こえない。構えを解き、そっと見上げると遠目で見てもわかるほど顔の筋肉が痙攣を起こしている。


「大丈夫?具合悪いの?」

という私の気遣いに質問返しする玉木。まだピクピクしてる。


「…お前、そっちが捨てる分だよな?」


私が握り締めた3着の衣裳を凝視している。


「何言ってんの?こんなに衣装残したら部室狭くなるじゃん。今やっと3着に絞って…」


「ヤメロ。ステロ。イマスグステロ。」


私の返答を待たずに素早く棒読み発動の彼。なんでよ、こっちは真剣にこの中から選ぼうとしてるのに!!捨てるわけないでしょ。


そのまま押し問答を続けるうちに(最終的に悠斗と雅史も玉木サイドからの参戦)下校時間が来てしまったというわけ。(どんなに遅くても9時には学校の門は閉まる。)


…私のせい?


でもあとちょっとで全部片付くし、まあいっか。


家に帰り着いてからチョコを作り(市販のクッキーを粗く割って、溶かしたチョコをそれに混ぜて固めただけ。…味に失敗はない。)ラッピングする。


お菓子作り(と言えるかわからないけど)は割と好きだからこういうの苦じゃないんだよね。後片付けは嫌いだけど。


あー…ともちんのチョコが楽しみ!!



と嬉々として学校へ来たわけだけど…なんだか様子がいつもと違う。それもそうか。イベントのひとつだもんね。


そわそわして落ち着きのない生徒の多いことっていったらない。


まあ私も楽しんでるしいいんだけど(楽しみ方違う?)。でもチョコらしきものを持ったまま落ち着かない女子を見ると、1日中緊張してるよりも早く渡してすっきり(?)すればいいのになぁ…と余計なことを思わずにいられない。


そんなこんなで浮ついた廊下を抜け教室へ入る。割とギリギリの時間に(いつものこと)滑り込んだ私は…目の前に広がる光景に絶句した。



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