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約束  作者: りっこ
プロローグ
2/111

決意

外は真っ暗。


今年1番の冷え込み。暖房もつけてないのに窓には結露でできた水滴が、まるで誰かが涙を流すよう…ブラウンのカーペットに黒い染みをつくる。


…今日しかない。


午前4時、私は決意した。


大きめのショルダーバッグに小旅行程度の荷物を詰め込み、パジャマを脱ぎ捨て服を着込む。


コートを羽織り、大判ストールを首にぐるぐる巻き付けた。


財布の中身を確認…大丈夫。


携帯は…置いていく。目的を遂げるまでは誰かに邪魔されるわけにはいかない。

机の上のバインダーから一枚ルーズリーフを抜き取り、シャーペンで書き置きする。


寒いからか、これからのことに緊張しているのか…手が震えて変な字になってしまった。


…お父さん、お母さん、ごめんなさい。心配かけるのわかってる。でも行かなくちゃいけないの。


私はやらなくちゃいけない。


「絶対帰ってくるから。ごめんね。行ってきます。」


これだけでいい。多くを語るわけにはいかない。


さぁ、準備はできた。


あとはあの場所に行くだけ。


ショルダーを肩からかけ、静かにドアを開ける。


家の中はとても静かだ。二人ともぐっすり寝てるようだ。


階段を降り、玄関まで音を立てずに細心の注意を払う。踵をつぶしたままスニーカーを履いて鍵を回す。


静まり返った場所にカチリと金属音が響いた。


内心焦りながらも慎重にドアを開ける。冷たい空気が一気に肺に入る。


施錠をして門扉を出るまではゆっくり、音を立てないように。


門扉を閉めてから猛ダッシュ。行け、行くんだ。このまま走れるとこまで。


約束を果たす時がきた。

そうでしょ?


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