表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
約束  作者: りっこ
第2章 集まる者たち
16/111

4人

ともちんのお見合い相手達とは夕食時に顔合わせするらしい。たち…って何人いるんだろう。てかさ、お見合いって本来一対一じゃないの?それなのに女の子一人に何人も相手いるって…ありなのか?今更ながら不思議に思う。


あの後玉木の部屋に二人でお邪魔した。

ともちんが感じたってことは玉木にももちろんわかったはず…という考えは間違っていた。


「そんな気配するか?…春日が過敏になってるだけとかじゃなくて?」


どういうことだろう。ともちんも確信を持っているわけじゃなかったらしく、首を捻っている。


「こないだみたいにがっつり霊の気配は感じないんだけど…うっすらとだけど、いるよねー…みたいに曖昧な気配はするんだよね…。気のせい??まだ霊に遭遇したの二回しかないからなー…玉木、先輩でしょ。教えてよ。」


「えー…なんか、こう、禍々しいんだよ。その一点だけ黒いかんじ。って俺もよくわかんねーけど…」


二人で頭を抱える。…いつものごとく私には入れない話。今回も気配なんてさっぱりわからないんだもん。


結局はっきりしないまま時間は過ぎていき、ディナー会場(言い方大げさな気もするけど…この広い屋敷を見ていると…ね。)へと向かう。人物に会えば今よりは状況がわかるだろうってことで、それぞれ警戒を怠ることのないようにする。何が起こるかわからない。常に緊張していなければいけない。


ディナー会場へ足を踏み入れる。…無駄に広いな。ゆうに十人は座れるテーブルがひとつ、部屋の真ん中に配置されている。きっと4人用くらいのテーブルセットが10組あっても余裕な広さ。もしそれが置いてあればオシャレなカフェのような雰囲気だ。広いけど…やっぱりあんまりお金持ちっぽくはないなぁ。


おっと…。違う違う。内装とかよりも気にしなくてはいけないのは先に座っていた男の人たちだ。えーっと…おぉ、かっこいいかも?


入口の一番奥から知的そうなメガネ男子、それからきらきらお目々がかわいいワンコ男子、見るからに女慣れしてそうなチャラ男、三人とも多分私たちと同じくらいの年頃に見えるけど、一番手前にいた人は明らかに大人の男性だった。二十代後半…とかかな?


使用人に促されて、私たちはその向かいの席に座る。(もちろんともちん真ん中)


「これはこれは…まさか彼氏も連れてくるなんて…ね。」


チャラ男がオーバーアクションで真っ先に玉木の存在にツッコミを入れる。長い前髪をかきあげたその仕草にちょっと…イラっとしてしまう。


ともちんは動じずにピシャリと言い放つ。


「あら、まずは自己紹介から…というのが礼儀じゃないの?いきなり失礼だわ。」


隣でワンコがハラハラして見守っている。…かわいい。


「手厳しいねぇ…うん、嫌いじゃない。俺は鷹司悠斗タカツカサユウト。よろしく、お嬢様?」


ゾワワワァアア…寒気が一気にきた!!これじゃないの!?これがおばけの気配なんじゃないの!?すっごく寒いんだけど!!


「あっ、お、俺は早乙女龍太サオトメリュウタです!!よろしくお願いします!!」


若干ビビりながらも元気良く名乗るワンコ(私の中じゃワンコ定着)。


その後を引き取り業務的に話すのはもちろんメガネ男子。


財前雅史ザイゼンマサフミ。ここにいるのは本位じゃないが…。」


三者三様の自己紹介が終わり、私たち三人の視線が一点に集中する。視線の先にいる人物はニコニコと微笑んでいる。あ、この人多分いい人だ。しかもどこか抜けてる。


無言の時間が数秒流れてやっと自分の番だと気付いた彼は、慌てる風でもなくのんびり答えた。


九条孝人クジョウタカヒトです。素敵な別荘だね。お招きありがとう。」


明らかに歓迎していない空気を出しているともちんに対して、満面の笑みを浮かべる。この人…私以上にKYだ。(嬉しい…)


「…春日十百香カスガトモカ。こっちが玉木翔タマキショウでこっちが白田茜シロタアカネ。二人とも私のクラスメートです。」


ともちんの紹介に合わせて頭を下げる。と九条さんと目が合った。…なんかこの人の空気温かいなー。癒される。


「自己紹介も済んだことだし、食事をお願い。」


その声で使用人が動き出した。前菜から始まりサラダ、スープ、パン(出てきた瞬間ご飯これで終わり!?って思って焦った。)、魚料理、アイス(部屋に戻ったら持ってきたお菓子食べよう!!…と思いきや)、肉料理、チーズ、フルーツ、デザート(フルーツと一緒に乗せればいいのに)と…普段大皿料理を家族でつまむ食事をしていた私には未知の世界だった。


会話も弾むわけがなく、(玉木とワンコは気遣って話を振りあってるうちに仲良くなったみたい。)それぞれ一言二言話したくらいだ。私はというと、もう食べるのに夢中。どれもすっごくおいしかった!!焼き立てのパンが最高においしくて食べすぎてしまったのに(これで最後と思ったしね)、その後の料理もおいしくて全てたいらげてしまった。うーん、これから毎日こんなおいしいものを食べられるのか…。やっぱり玉の輿に乗りたいかも。


パンパンに膨れあがったお腹を満足そうにさする。と、また九条さんと目が合った。


「おいしかったね。」


「そうですね。幸せです。」


お互いにーっこり笑い合う。この人いいな。ほんと落ち着く。


そんな私たちのやりとりには興味がないともちんは(ひでぇ)、食事の終わりを告げるとそそくさとその場を去ろうとする…がチャラ男に呼び止められた。


「まぁ、仲良くやろうぜ?明日からローテーションで俺らと過ごしてもらわなきゃいけないからな。」


「は?」


「聞いてないの?そういう約束になってるよ?」


ワンコが首を傾げる。くぅ…かわいい!!やっぱりワンコかわいい!!


ともちんは諦めたのか「では明日からよろしく。」と言ってさっと背を向け、自室へ帰っていった。


私はというと最後のマカロンを頬張り、よく味わった後に「では」とその場を後にした。


玉木はワンコを相当気に入ったようで、まだ残っておしゃべりするつもりらしい。奴の順応性はすごいなー。感心感心。


さてと。これからともちんに聞かなきゃいけないことがある。4人の中におばけはいたのかどうか。…絶対チャラ男だと思うんだけど。ワンコと九条さんは違うだろう。あとはメガネ男子(あんまり印象ない)か…どっちかだな。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ