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約束  作者: りっこ
第1章 始まり
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始まりはあの日から

またしても何事もなくぐっすり眠れた私。危うく寝過ごすところだった。


今日は駅マックにて、ともちんと玉木と作戦会議(で合ってるのか?)の日。


なんだか昨日よりも寒い気がする。暖かいダウンを着てさらにマフラーをぐるぐる巻きにして家を出た。何食べようかなー…と寒さを紛らわすために考えていたのだけれど、本気でお腹空いてきた。うん、決めた。がっつりいこう。


携帯で二人に連絡する。二人ともマックに着いていて、既に席をとっているらしい。なんとありがたい。


私はビッグマックセットとナゲットとアップルパイを注文した。ドリンク以外全て待ち時間あり…ついてない…。


お昼時間がちょっとずれた店内だが、私たちのような学生が多い。皆喧騒に負けじと声を張り上げておしゃべりを楽しんでいる。ともちんたちは…と一番奥の席に陣取っていた。


「ごめん、ちょっと遅れたー!…あ、あの、二人とも、大丈夫?」


二人の目の下にはお揃いのクマができていた。


「え?どうしたの??睡眠不足??」


玉木が信じられないといった表情で私を見る。それをともちんがフォローしてくれた。


「茜は見えてなかったんだし…そんなもんでしょ。」


諦めたように項垂れる。うーん、なんかごめん?


「今日の作戦会議?は何するの?」


ともちんの隣に座り番号札をテーブルの上に置くと、二人してそれを凝視した。


「あ、ごめん、寝坊しちゃってお昼ご飯今からなんだ。気にしないで~。」


玉木は拳を握り締め、うらやましい…と呟いた。なら食べればいいじゃん。と言うとため息をつかれた。…なんかムカっとするなぁこの反応、玉木のくせに…。


「昨日ずっと考えてたんだけど、やっぱ非現実的よ、この状況。ありえない…。今まで私見えなかったのに、昨日急に見えた。前あの道通った時はなんともなかったのに…よ?玉木も以前より力強くなったって言ってたよね?」


「ああ…さすがに昨日はビビった…。あそこなんなの?」


「昔ひき逃げがあった場所なんだって。何十メートルも引きずられて…犯人は捕まらないまま…うぅ…思い出しちゃったじゃんか。」


二人で身震いをする。とその頃、店員さんが私の食事を運んできてくれた。その量に唖然とする二人をよそにランチを楽しむことにした。


「俺、昨日から食欲なくて…見えないって幸せだよな…。」


ともちんも同感のようで深く頷く。昨日の光景、そんなにひどかったのかな。全く想像つかないや。


「でもさ、なんで見えない茜が除霊できたと思う?」


「それなんだよなー…。あれ、やっぱり除霊ってやつなのかな?一瞬光って消えていったよな?」


「今日もね、あの場所通ってみたの。やっぱり気になって。そしたら全く普段と変わらなかった。見えないし空気もそのまま。だからやっぱり茜が除霊したんだと思う。」


ビッグマックを口いっぱいに頬張っている私に視線が集中する。除霊って…そんなこと言われたってさ、私見えてもないんだよ?霊感ない私が除霊なんてできるわけないじゃん。二人ともおかしなことを言うなぁ…。


ともちんはこめかみを抑えながら一言一言確かめるように言葉にしていった。


「急に霊が見えるようになったのが昨日。玉木も昨日力が強くなったって自覚した。…茜が霊のようなものに遭遇したのが一昨日。なんか全てがそこからのような気がしてならないんだけど。」


玉木がいつになく真面目な顔でとんでもないことを言い出した。


「俺さ、仮説たてたんだけど…。ゲイダーがさ、白田襲ったのって…霊の仕業なんじゃないの?操られてたってことなら、ゲイなのに女を襲ったってのも納得いく気がする。」


まだ口の中に食べ物が残ってるため、反論をすぐにできない。ともちんなら玉木の意見を鼻で笑うに違いない…って頷いてる!?いつもなら非現実的なことを受け入れないともちんが??


「学校に霊ってつきものだしね。今ならわかるかもよ?学校、行ってみる?」


私の意見はおかまいなしに(一言も口出せなかった…まぁ食事優先したからな)次の目的地が決まる。その後も私が食べ終わるまで二人であーだこーだと論じ合っていた。



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