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約束  作者: りっこ
第1章 始まり
10/111

霊感?

挿絵入ってます。

ちょいホラーです。

再び龍塚先生の車で今度は学校へ戻る。


車内の誰もが皆それぞれ考え込んでいて、沈黙が流れる。


学校が近づくと、ふいにともちんが龍塚先生にここで自分たちを降ろしてと頼んだ。


「今回のこと、正直わけがわからん。…わけわからんがとんでもないことになる気がする。…お前達、深入りはするなよ?」


と念押しされたものの、その場で降ろしてくれた。


「…何するんだよ?」


玉木はショックから立ち直っていないようで、若干顔が白い。


「最初に予定してたことをやんのよ。ついてきて。」

そう言ってともちんは歩きだす。そういえばゲイダーのとこ行こうってなる前に放課後付き合ってって言われてたな。何するんだろ?


そのまま5分くらいともちんについていく。何がなんだかわからない。同じようにただついていくだけの玉木を見やると、さっきよりも顔色が悪くなっている。


「玉木?大丈夫?顔色すごいことになってるけど…。」


額にうっすら汗が出ている…この寒い中汗なんて…ん?冷や汗か?


「…う、なんか、感じねー…?」


訳が分からず、また空気かよって思ってしまう。私にはただの道にしか思えない。


前を行くともちんにも私たちの会話が聞こえたようで立ち止まる。ともちんの顔を見て驚いてしまった。


なんと、ともちんの顔も真っ青だった!!


「前通った時にはこんなことなかったのに…。玉木、この先に行ってくれる?」


そう言って狭い路地を指差す。その奥には大通りが見える。ちょっと暗いけど日が完全に傾く前だし、特に怖いかんじはしない。


なのに、玉木もともちんも恐怖に身を固めている。


決心したのか玉木はそろそろとその路地を歩く。10メートル先は大通り。その直前まで行った玉木は、ビクッと体を震わせ、ダッシュで戻ってきた。


冷や汗がさっきの比ではない。


「はぁ…はぁ……」


体が震えている。何があったんだろう。


「…あんたの霊感、信じるわ。」


え?霊感?


「それと…霊の存在、信じることにする…私もあるみたい、霊感。」


え?ともちん?


「…今までにないくらいはっきり見えたんだけど…どういうことだ?それにこんな強く感じたことはなかったのに…近づく前から怖いなんて…。」


二人が顔面蒼白な中、私一人キョトンとする。…するしかない。だって何も感じないんだもん。


二人とも見えるってことは私にも見えるんじゃないかな…?


ちょっとした好奇心が疼いて、私は玉木がそうしたように路地を歩きだす。


恐怖を感じない私はスタスタと歩き続け、大通りまではすぐだった。


大通りに出ても特に何も感じない。辺りを見渡すと喫茶店やら事務所やら…他の街並となんら変わりない風景が広がるだけ。


…なんもないじゃん。


二人の元へ向かうため、再び路地へと足を踏みだす。


私が路地へ入るとほぼ同時に、その先にいる二人の体が遠めでわかるほどにビクッて揺れた。


私を見る目が恐怖の色に染まっている。


「茜!!!う、後ろ!!!」


後ろ?訝しげに振り返る…けど何もない。


「何ー??」


駆け足で二人の元へ行く。と、玉木が悲鳴とも聞こえる声で叫んだ。


「おまっ、つ、連れて来てるから!!!」


挿絵(By みてみん)


えー?何を?


もう一度後ろを見る。


…やっぱり何もないじゃん。


「あっ危なっ…!!!」


パァァァーーーン…


音が弾けた…気がした。


耳に残る衝撃。でも体はなんともない。首をひねり、視線を前へ戻すと…二人が同じ顔で私を凝視していた。


?二人とも、口開いてるよ?


「…玉木、今の、どう見えた…?」


「…霊が白田に触れた瞬間、消え、た…?…弾いた、のか?」


「…私にも茜が弾いたように見えた…。それに、もう怖いかんじしない…この場に霊はもう、いない…?」


信じられない!といった顔で私を見る二人。…なんか蚊帳の外だなー。わけわからん。


まだ蒼い顔をしたともちんが頭を振る。


「今日は帰ろう。いろいろありすぎてちょっと混乱してる。明日、1時に駅マック集合ね。」


その場を取り仕切るとふらふらと歩きだす。こんな動じたともちん、初めてかも。


玉木も普段なら「人の予定スルーかよ!?」とかツッコミ入れるのに…そんな余裕ないみたい。


二人で何を見たんだろう?


私自身には何も変化がないしさっぱりわからない。


まぁでもお腹減ったしとりあえず明日にしよう。


そうして私たちはそれぞれ家路についたのだった。

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