霊感?
挿絵入ってます。
ちょいホラーです。
再び龍塚先生の車で今度は学校へ戻る。
車内の誰もが皆それぞれ考え込んでいて、沈黙が流れる。
学校が近づくと、ふいにともちんが龍塚先生にここで自分たちを降ろしてと頼んだ。
「今回のこと、正直わけがわからん。…わけわからんがとんでもないことになる気がする。…お前達、深入りはするなよ?」
と念押しされたものの、その場で降ろしてくれた。
「…何するんだよ?」
玉木はショックから立ち直っていないようで、若干顔が白い。
「最初に予定してたことをやんのよ。ついてきて。」
そう言ってともちんは歩きだす。そういえばゲイダーのとこ行こうってなる前に放課後付き合ってって言われてたな。何するんだろ?
そのまま5分くらいともちんについていく。何がなんだかわからない。同じようにただついていくだけの玉木を見やると、さっきよりも顔色が悪くなっている。
「玉木?大丈夫?顔色すごいことになってるけど…。」
額にうっすら汗が出ている…この寒い中汗なんて…ん?冷や汗か?
「…う、なんか、感じねー…?」
訳が分からず、また空気かよって思ってしまう。私にはただの道にしか思えない。
前を行くともちんにも私たちの会話が聞こえたようで立ち止まる。ともちんの顔を見て驚いてしまった。
なんと、ともちんの顔も真っ青だった!!
「前通った時にはこんなことなかったのに…。玉木、この先に行ってくれる?」
そう言って狭い路地を指差す。その奥には大通りが見える。ちょっと暗いけど日が完全に傾く前だし、特に怖いかんじはしない。
なのに、玉木もともちんも恐怖に身を固めている。
決心したのか玉木はそろそろとその路地を歩く。10メートル先は大通り。その直前まで行った玉木は、ビクッと体を震わせ、ダッシュで戻ってきた。
冷や汗がさっきの比ではない。
「はぁ…はぁ……」
体が震えている。何があったんだろう。
「…あんたの霊感、信じるわ。」
え?霊感?
「それと…霊の存在、信じることにする…私もあるみたい、霊感。」
え?ともちん?
「…今までにないくらいはっきり見えたんだけど…どういうことだ?それにこんな強く感じたことはなかったのに…近づく前から怖いなんて…。」
二人が顔面蒼白な中、私一人キョトンとする。…するしかない。だって何も感じないんだもん。
二人とも見えるってことは私にも見えるんじゃないかな…?
ちょっとした好奇心が疼いて、私は玉木がそうしたように路地を歩きだす。
恐怖を感じない私はスタスタと歩き続け、大通りまではすぐだった。
大通りに出ても特に何も感じない。辺りを見渡すと喫茶店やら事務所やら…他の街並となんら変わりない風景が広がるだけ。
…なんもないじゃん。
二人の元へ向かうため、再び路地へと足を踏みだす。
私が路地へ入るとほぼ同時に、その先にいる二人の体が遠めでわかるほどにビクッて揺れた。
私を見る目が恐怖の色に染まっている。
「茜!!!う、後ろ!!!」
後ろ?訝しげに振り返る…けど何もない。
「何ー??」
駆け足で二人の元へ行く。と、玉木が悲鳴とも聞こえる声で叫んだ。
「おまっ、つ、連れて来てるから!!!」
えー?何を?
もう一度後ろを見る。
…やっぱり何もないじゃん。
「あっ危なっ…!!!」
パァァァーーーン…
音が弾けた…気がした。
耳に残る衝撃。でも体はなんともない。首をひねり、視線を前へ戻すと…二人が同じ顔で私を凝視していた。
?二人とも、口開いてるよ?
「…玉木、今の、どう見えた…?」
「…霊が白田に触れた瞬間、消え、た…?…弾いた、のか?」
「…私にも茜が弾いたように見えた…。それに、もう怖いかんじしない…この場に霊はもう、いない…?」
信じられない!といった顔で私を見る二人。…なんか蚊帳の外だなー。わけわからん。
まだ蒼い顔をしたともちんが頭を振る。
「今日は帰ろう。いろいろありすぎてちょっと混乱してる。明日、1時に駅マック集合ね。」
その場を取り仕切るとふらふらと歩きだす。こんな動じたともちん、初めてかも。
玉木も普段なら「人の予定スルーかよ!?」とかツッコミ入れるのに…そんな余裕ないみたい。
二人で何を見たんだろう?
私自身には何も変化がないしさっぱりわからない。
まぁでもお腹減ったしとりあえず明日にしよう。
そうして私たちはそれぞれ家路についたのだった。




