表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/28

第23ページ::悪魔の鎌

元作「ルナベル」をお読みだった方!

お待たせ致しました!

テイル!再参戦でございます!

「邪魔をするならば、容赦はしません」

 零人を撃ち抜いた白い銃を構えて静かに言う女。エインは顔を両手で叩いて気合を入れるといわゆる格闘スタイルという物を取った。

「されなくて結構よ!」 

 女の放った弾丸が合図のようにエインは琥珀色に光る自分を覆うシールドを創り出す。チュインと激しい音がすると同時に匹敵するほどの衝撃がシールドを突き抜ける。

 何回も何回も止めを刺すように女の銃から火花が散る。

 銃口から白い煙が吹く。しかし、銃口はエインがいた場所から離さない。

「どこ、見てるのよ!」

 煙を囮にして移動していたエインのヒールの(かかと)が女の脇腹に減り込む。

 体を大振りに回すと肩にもう一方の踵を繰り出す。それがクリーンヒットした事を確認するように、地面に降り立った後バックステップで下がる。

「…少しは強くなったようですね」

 血を口から流しながら呟く女にエインは戦闘態勢を取りながら「レイトから盗んだのよ」と微笑んだ。

「リィナ・アビルレイ。わたしの名前です」

「エイン・ディ・バール。大魔導師になる名前よ」

 リィナは銃口を地面にバッと向ける。すると、自分を狙った光る刃が形を創っていく。

 震えがまだ続いているが、負ける訳にはいかないと自分を震え立たせる。

 目で追うのもやっとの速度で一直線に向かって来るリィナに対してエインは拳を赤く、オーラを纏わせるように光らせていく。腕を後ろへ下げ、振り被る。

 リィナの振った刃とエインが力一杯振るった拳が反発し合う。

 オーラを放っていた拳が輝き、リィナの刃をへし折る。だが、エインの拳からも痛々しい音が上がる。

「う、く…まだよ!」

 手の骨が折れた事を知っていながらも、エインは手を前に向ける。

「今度は、こちらから行きましょうか」

 しかし、手を向けた方向に、リィナはいなかった。

「力を抑えた方が良かったでしょうか?まだ半分出しただけですよ?」

「っ!」

 振り向いたと同時に腹部に膝蹴りが入る。エインが出した横蹴りとは比べ物にならないほど重い蹴りが体を吹き飛ばす。

「これくらいで…終わると思いますか?」

 意識が飛びそうなほど痛む腹部。それを追撃するように吹き飛んでいる体に弾丸が幾つも擦れていく。血が吹き出て、その箇所が熱い。そんな場所が体のあちこちに増えて行く。

 岩に背中から当たり視界が一瞬だけ白く染まる。

 銃撃音がし、死を覚悟した時、目の前に同じ服装をした少女が立っていた。

「テイルだって魔法使いです!シールドくらい、ちゃんとやれます!」

 本を片手に素早く詠唱をすると弾丸を粉々に粉砕する。

「応急処置ですが、我慢して下さい。今はこれくらいしか出来ません」

 エインに手を向けると目を瞑り、呪文を唱えるテイル。

 リィナが銃を両手に走って来て、それを伝えようとするが、言葉にならないうめきを上げてしまう。シールドを斬ろうとしたリィナの体がいきなり弾かれたように横に飛ぶ。

 見ると、そこには面倒そうに火を小さく吹くかなり小さい赤いドラゴンが立っていた。

「サマラン!抑えるだけで良いから、出来るだけ相手をして!」

 それだけ言うとテイルが回復魔法を再開する。

 きっと、あのサマランと呼ばれた竜は使い魔なのだろう。体が小さい上に攻撃力が高い敵に戸惑っているリィナに見向きをせず、呪文にテイルは集中している。

 そんな時、テイルが首に付けている首輪のような物がパキンと音を立てて壊れた。すると、目を疑う事が起きる。ドンドンと、その体が成長していくのだ。それも急激に。

 胸はそのままだが、他は大人の女性といえるに相応しい体をしているテイルが現れてエインは空気が足りない金魚のようになる。ピンクのサンダルのような靴の音を鳴らせて地面に足を着くとテイルはエインに微笑んだ。

「手の骨、傷痕の数箇所を治癒しました。行けますか?」

 その返答のようにエインは立ち上がり、テイルのシールドを擦り抜けて行く。

 なるべく、今の事は考えないようにしながら、リィナとの距離を縮めて行く。ドラゴンに気を取られているリィナの背中に向け、風の鎌を放つ。

 軽い身のこなしでそれを避けると「治って来ましたか…」と無表情で言って来る。

 ドラゴンも限界が近いのか息が荒い。

「サマラン!もう良いよ!戻って!」

 限界と察したのか、声色が変わったテイルがドラゴンを光にして本の中に戻す。

「やっぱり…見間違いじゃなかったんだ」

「あはは、いつもは魔力が強過ぎちゃって魔力を抑えているんですよ。それと、魔力を抑えると同時に体の成長を止めちゃうんですよね」

 本を片手で掴むとテイルは片手を前に突き出す。

「優しい風の精霊よ。我が手に集まり、その力を示して…カッター・ウインド!」

 さっき自分が出した魔法の何十倍もする魔力を込められた風の鎌がリィナの刃に鋭く当たる。ガインと音を響かせると鎌は消え、ひびが入った刃が残っていた。

「…やりますね。まさか今の刃にひびを入れるとは」

「えへへ、驚くでしょ。これ結構練習したんだから!こんなに大きくなるとは思わなかったけどね」

 リィナが銃を軽く振ると刃が新たに出現する。

「楽しめそうですね。オトコでは物足りないとは思っていましたが」

 グローブに魔力を込めると敵に構えて微笑む。

 これが本当の形勢逆転というやつだろう。

「少し…手を抜き過ぎていました。貴方達には、これを見せても良いでしょう」

 勝ったと確信しているエインにはただの時間稼ぎにしか思えない言葉。

 リィナの目付きが鋭いものへと変わり、肌がピリピリと痛む感覚を覚えてしまう。殺気という物だろうか。それが凄く響いている。

 少し、誰も動かない状況が続いていると、リィナが驚く行動をした。

「っは!!!」

 その手に握られた銃を、素手で割ったのだ。

 気が狂った衝動かとも思った。しかし、その考えは直ぐに消される。

 リィナの手に、割れた銃の結晶が集まり形を創って行く。それは、元々あった物を再生するように、具現化していく。

「クランベルス…貴方達の命を狩る者です。覚えて置きなさい」

 クランベルス、きっとあの紫色に光る鎌の事なのだろう。

 テイルの足が少し竦んでいるのが視界に入る。見るだけでわかる。鎌から恐ろしいほどの、禍々しい気のような物が発せられているのだ。嫌でも震えてしまう。

「今更、そんな事をしたって……無駄なんだからっ!」

 炎の球体を創ると、それをリィナに向けて振るう。

「無駄だと…聞こえましたが?」

 鎌を握っていない片方の手で魔力を込めた炎の弾を粉砕する。眼を凝らすと、その片方の手は、指一本だけしか立てられていなかった。

 余りの事に言葉が詰まる。相手の色々な物が、桁違いになっているのだ。

「やっと、分かりましたか。力の差を。だけど、貴方は遅かった」

 言葉が耳に入った時には、リィナがエインの前で鎌を構えていた。

「これが、『力』です!」

 両手で鎌を振るうと避けたエインに衝撃波が及ぶ。

 ジャンバー、服が所々破け、傷が何箇所もつけられて地面に体を引き摺られる。

 (かす)っただけなのに、血が出て傷が痛む。擦った腕が熱く火照って痛みを引き立たせる。テイルも、直撃は避けたがエインと同じようなダメージを受けていた。

「うっ…」

 立つ事もやっと。腕を支えにしながら、足を震わせ立ち上がる。

「何をやっても、貴方は無意味です」

 片手で鎌を振るうと軽い衝撃波がまたエインにぶつかる。ドンドンと衣服が破け、それを気に出来ないくらいの痛みが襲って来る。

 息が危なくなってきた事が自分でもわかる。

「もう終わりですか…呆気ないとはこの事ですね」

 小さく言うと、鎌を振り上げる音が聞こえた。

「レ…イト…」

ふぅ〜、一日挟みで次話投稿…。

あぁ、疲れた疲れた。

疲れたぞコンチキショォオーー(ナル○ナ風)


とまぁ、ハイテンションな訳ですが。

まぁまぁ、今回も戦闘ばっかりでございます。


元作のテイルちゃんが出てきまして…いやぁ〜やっと出したか無名作者めと思われている方も多数かと。

新しい設定も増やし、テイルにはオプションも増やし…。あぁ〜、良かった良かった!


「定められた運命に従うんじゃない。俺は俺だ」

望くんの言葉です。いやもう、かっこいいですね!

ナル○ナや色々な人が惚れるのがわかる!

とまぁ、雑談も程ほどに今回はこんなもんにしときましょうか。


次回も、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありがとう御座います。 またのお越し、心より願っています
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ