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第13ページ::裸ジャンバー

えー、前回出した話が間違いであった事に気付き、かなりのヒステリック&絶望に苛まれた作者です。


つか、今世紀最大の間違いですね。


えー、今回の話が本物です。

楽しんで行って下さい。

 ボコボコにされて、飯も食えずに向かえる朝。ふかふかなベッド。そして、良い匂い。なんでこんな香りがするのだろうか?日差しが物凄く眩しくて、枕で顔を隠す。学校行かなきゃいけねえけど…面倒だ。辛いし、寝よう。欠伸が出てベッドの香りを堪能する。…ん?この香りって…確か、あいつの――って何で!?

「今日日曜日!よっと!」

 素早く自分の上に被せてある布団を退かす。

 見えるのは、豪華な部屋の装飾。天井のあるベッドに白いシーツ。そして、洋服のクローゼットに長身の鏡。結構さっぱりしているが、豪華さは目立つ。

 零人は長身の鏡の前に立ち、自分の体を見詰める。白と黒のラグランに青いジーンズ。目立つ地毛の黒髪に黒い瞳。見覚えのある人物が鏡に映っていた。俺だ。夢じゃなかったんだ。レイチェルに会った事も…ベレンスと会った事も、そして、エインとキスをしてしまった事も(あぁ、俺のセカンドキス…←ファーストキスが母親)。

 窓から漏れてくる太陽の光。

 零人はオレンジ色の靴が揃えられて置いてある所を見ると、それを履き、匂いの香る方の扉へ向かった。木製の扉を開いて部屋を見渡す。

「おはよう、レイト。大丈夫か?昨日はヒーラーに頼んで手当てをして貰ったが――」

 肩まで行かずに切られた黒髪は何時もの帽子を被っていない。そして夜空色の黒い瞳。何より、その姿に凝視する。零人のあげた赤色のジャンバーの袖を捲り、フライパンを手に持つ少女。そして、裾の下に見える引き締まった綺麗な白い脚。これはもしや…裸エプロンならぬ、裸ジャンバー!

「え、いや、あ、あぁ!大丈夫大丈夫!エインにやられたやつだろ!? 馴れてるからな!」

 男の夢を軽く超えた格好で零人の前で料理を作っている最強美少女剣士。おじちゃん我慢限界を超えそうだよ。てかよほど気に入ったんですねそのジャンバー。

「そうか、良かった。余り自信はないが、料理を作っているのだ。出来たら呼ぶから…その…待っててくれぬか?」

 少し恥ずかしくも微笑みながら頬を赤く染めて聞いて来る最強の美少女剣士の彼女。

 な、なんだこの嬉恥ずかしムードは!こっちまで何か顔が熱くなるぞコンチクショ〜!

「おぉ、解った」

 この王道恋愛ファンタジーな展開は一体…。


 それから3分経過した時(ズボンの中に入ってた携帯電話をみたらジャスト3分だった)、レイチェルが篭っているキッチンの扉から『レイト〜、食事だ〜』と声が聞えたので心配で引き攣っていた顔を整え扉を開けて突入すると、零人の予想を良い意味で越えた料理が綺麗に作られていた。何か解らん食材で出来た色合い綺麗なサラダに少し多いクロワッサン。コーンスープ(?)に自作であろうフルーツ(?)ジュース。盛り方も皿のチョイスも凄く上手い。てか、レイチェルが自分の世界に居たら将来の夢は剣士ではなくお嫁さんだろう。てかお嫁さんにしたい。

 木製のテーブルと椅子。豪華な部屋とはかなり不相応だが、余り気にならなかった。

 置かれたスプーンとフォーク、そしてナイフは綺麗に磨かれていて零人の姿が映る。

「うわ…すっげ」

 銀食器と言うやつだ。始めて見た。

 レイチェルは「早く食べてくれ」と零人を急かして来る。料理は逃げないと言いたいが、確かに冷めたら勿体無い。

 椅子に腰掛けて「頂きます」とフォークを手に取って言うとサラダにフォークを伸ばす。シャキシャキした歯応えが心地良い。普通のレタスやピーマンとは違う食料がまた新鮮だ。

 クロワッサンを口に入れられるほどの大きさに千切って口に入れる。ここではコンビニもない筈だからきっと自分で焼いてくれたんだろう。バターの甘さがパンの味を引き立てている。

 コーンスープっぽいスープは何だか懐かしい味がした。

 ジュースは甘くなく苦くなく、喉を通ってくれる爽やかな味。例えれば…リンゴとレモンを合わせたと言った所だろうか。かなり口に合っていた。

「美味い…!幾らでも食えるぞ!」

 昨日何も食わなかったから美味いとかじゃなくて、本気で美味い。母さんの料理と張り合える。レストランなんて目じゃない。

「ふふ、本当に美味そうに食べるな、貴君は」

 レイチェルは幸せそうに零人を見ていた。

「レイチェルは食わねぇの?」

 不思議そうに零人は言った。レイチェルはテーブルに膝を着いてジッとこっちを見ている。もしかして、料理が美味いかどうか気になったんじゃないか?

「そうだな。頂くとしよう」

 気付いたようにレイチェルはスプーンを手に取ってコーンスープを飲み始めた。勢い良く飲み過ぎた。結果咽る。零人は近寄ってレイチェルの背中を叩いた。このドジッ娘剣士は…。

「ゲホ、そ、そうだ、レイト。貴君に剣術を訓えようと思ったのだが、今日は大丈夫か?」

「へ?」

 この幸せシュチュレーションと真反対な事を言って来るレイチェル。確かに剣は貰ったが使いこなせないと言うのは如何せんカッコ悪い。それに、訓えてくれるのはこれ以上ないってくらいの剣豪だ。損はないだろう。これから何が起こるか解らないし、強くならないと駄目だな。

 予定と言っても何もないし、大体、

 一日目で剣士に助けられる→女しかいない世界に突入した事を知る→城下に入る→姫と会う→最強剣士とガチンコバトル→死に掛けた→剣を貰う→優等生訓練寮へ赴く→エインからの逆襲。

 なんて感じのハードボイルドな一日だったからなぁ。友達つくろうにも無理だし、きっとトップアイドルの一日以上の労働だったに違いない。ちょい筋肉痛があるが、まぁ、バイト三昧を始めた頃よりはマシか。

「じゃぁ、お願い致します」

 深く頭を下げて料理とお礼を兼ねた。そういや…風呂入ってねぇな。ちょっと服から汗の匂いがする。加齢臭じゃないが気になる。夜にでも、レイチェルに風呂場を教えて貰うか。

「その前に食器を片付けねばな。レイト、済まぬが半分持ってくれぬか?」

「全部持てるわ!」

 まだ男と言う事を完璧に理解されていない所を見るとやっぱり悲しい零人だった。

ふぅ、やっと書き終わった第15話。


次の話は少し遅れそうなので、ご承知くださいませ。


それと、感想を下さった皆様、ありがとうございます。

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