第12ページ::セカンドキス
いや〜、少し更新遅れちゃいましたね。
すみません!
でも、13話目書けて一安心です。
次回には特別編をアップさせて頂きますね。
レイチェルの部屋は城の第3棟にあった。説明…というか詳しく解説すると、王宮には兵士訓練生の寮がある。城から出てちょっとだ。町壁は城下を守っていて、城壁は城と、その中の色々な建物を守っていると言う事。レイチェルに連れて来られた時、城壁と思っていた物は町壁だったんだそうだ。
石畳を歩いて行き、城の門を過ぎて少し歩くと、立派な城のような寮が立っていた。高さにして3階。兵士の寮は違う所にあってこの建物の10倍は軽くあるんだそうだ。
「でも、なんでレイチェルは訓練生寮なんだ?一個大隊を率いてる隊長なんて言ったら城内の個室とか…」
寮の扉を開けようとしていたレイチェルに零人は聞いた。
「あぁ、わたしが姫様に申請したのだ。わたしはここで立派な兵士になった。だから、こことは余り離れたくないとな」
レイチェルの手が取っ手を引くと、寮内から漏れてくる光。夜中の中で少しだけ目が馴れてしまったのか、目には眩しい。
「さぁ、レイト、入ってくれ」
先に入ったレイチェルの後に続く。
目が馴れて見えて来たのは、立派な寮内。直ぐ近くのソファーに王城内と同じく床の赤く長い絨毯。掃除された壁。もう正に豪華。これは訓練生の寮なのだろうか?
「ここは優秀な訓練生が泊まる場所なのだ。普通の訓練生では入れない。だから、普通の寮とは違い、掃除もし易ければ狭くても良いと言う事だ。なにせ、そんなに優秀な訓練生は多くないからな」
零人が見渡しているとレイチェルが説明。もう板に着いて来た。
そんな時、見覚えのある茶髪のポニーテール娘が前の大きな階段から下りて来た。
「げっ!」
「な、なんであんたがここに!?」
長く、紫色のローブが目印の嫌味娘と言えば、エイン・ディ・バール。その名前しか浮かばん。
エインは心底驚いた表情をした後、レイチェルに近寄った。
「レ、レイチェル様!何故、得体も知れないアマガサ・レイト(好色漢)をこの寮にお連れしたのですか!?」
「煩いわ!俺を色魔キャラに仕立てるなエイン・ディ・バール(下ネター)!」
可愛げないにもほどと言う物が有る。こんなに苛立つ相手に会ったのも久し振りだ。
敵意剥き出しの瞳を零人に向けて言うツンツンエイン。フレーズは気にするな、用は馴れだ。
「もう良いわ!外に出なさいアマガサ・レイト!あんたをこの世から消してあげる!」
先程入って来た入り口を指差してエインは言う。
「おうそうかい!ならこうしようぜ!勝った奴が相手を好きにする!一生な!ま、俺が負ける訳ないだろうがな」
「良いわよ!乗って上げる!あんたの負けた顔が目に浮かぶわ!」
口の減らん奴の一言でアニメなら自己紹介が終わりそうな奴だ。
零人は背中腰のエクシールを引き抜くと目の前に突き出す。そして、刃を頭の中で創り出した。
「来い!エクシール、ブレード!」
ベレンスの目の前で創り出した刃と同じ青く透き通った刃が鍔から現れる。ここで下手をして変な物を創り出したら一生こいつに笑われるからな。
エインはエクシールに驚いた様子もなく、ただ睨み付けて来る。良い度胸だ。
そして、寮から出ようとした時、目の前に煌く刃。一瞬の出来事にエインも動転しているようだ。
「止めぬか二人共!私闘は禁止されている筈だろう!」
レイチェルの逆手に持った剣が零人達の首元で煌いている。
その剣を持っている彼女の瞳も鋭く、怒りで燃えているようだった。
「レ、レイチェル様…その…」
エインはガラスを割った子供のように行き場のなくした戦闘心に困っているようだった。
「い、いや、そんな事知らなくてさ。すまん」
「あ、あたしも…その、ごめんレイト」
おぉ、頭を下げたエインなんて始めて見――て痛っ!頭を下げると同時に履いてる赤い靴のヒールで俺の足甲を踏みやがった!
冷汗を流しながら悲鳴を上げるのを耐える。今改めて思った。ヒールは不味い。痛い。
レイチェルはにこやかに笑う二人を見て溜め息を吐くと零人の手を握った。
「さぁ、レイト。わたしの部屋に行こう」
あぁ、この馬鹿の前で余計な事を…。
「な、なななな何ですって!? レイチェル様!御止め下さい!こんな破廉恥色魔見境なしを部屋に入れるなど!」
エインは階段の一段を丁度踏んだレイチェルに叫んだ。
「誰が破廉恥色魔見境なしだって!? ってうわわわ!」
誰だって怒るフレーズを言われ零人は勢い良く振り向いた。その瞬間、悪い事故が連発で怒った。
先ず、レイチェルが掴んでいた零人の手をうっかり離し、体勢が崩れた。そしてエインはヒールの高い靴が不幸を呼び、ローブとポニーテールを揺らしながら豪快に転んだ。零人の方が早く、倒れて、エインを支えようとしたその時―――、
「はぅ!!!!!」
エインを支えようとした零人は逆馬乗り状態でエインに乗られていた。そして、顔の辺りで事件が起こった。エインの桜色の唇と零人の唇が重なる。離れようにも零人が腰とエインは手と足を床にぶつけて力が上手く出ない。
「あふ、んちゅ、うぅうう」
口から息を出そうとしても出せなく、鼻で息を出す。
長い、長い、両方が立ちあがれないと言う状況がかなり気不味い。ローブが二人の顔を隠していたのが、何よりのプレゼント。レイチェルには何も見えない。
「ふぁんふぁ、ふぉをえふぉきなふぁいよ(あんた、覚えときなさいよ)」
「ふぅふぅふぁいふぁふぇんふぁ、ふふぃふぁわふぃふぃふぁふぁいふぅ(煩い喋んな!口から息が入る!)」
暗闇の中だから解らないのだが、エインの顔の辺りが熱いのが解る。きっと頬は真っ赤だろう。言ったら殺されるから止めておくが。てか、なんで鼻声だけで言ってる事が解るのか気になる。
先に体を起こしたのはエイン。ローブが外れると視界に光りが戻り、エインの顔が見え「痛っ!何で顔を殴る!ぶはぁ!事故だじがはぁ!人の話をぶべらもぉ!」る前に殴られる。
「死になさい!このキス魔変態痴漢〜!食らえ!ブレイズ・サイレス!」
「ぎゃぁぁああああああ!!!!!」
事故なのにと思いながら、激痛で零人の意識は途絶えた。最後に見えたのは、ツンツン娘の恥ずかしがったような、キレたような、そんな顔だった。
だからなんでお前がそんなフレーズを知ってる…。
え〜、今回はわたしの夢を書かせて頂き、誠にありがとう御座います。
え、何?
エインとキスするのが気に入らない?
んな事知りません!
でも良い雰囲気で終われたと思いません?
え、思わない?
そんな貴方にはブレイズ・ノンを見舞います。
まぁ、日々精進精進の毎日で御座いますよ。
零人「煩い!食らえ!エクシール!」
エイン「灰になれ!ブレイズ・スパイラル!」
ひぎゃぁあああああああああ―――!!!!
零人「作者はもう使い物にならねぇし…やるか?二人で」
エイン「あ、アンタがやれば良いじゃない」
零人「まぁまぁ」
エイン「し、仕方ないわね…」
零人&エイン「次回もお楽しみに!輝け!希望のJustice!」