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第11ページ::部屋への招待

ふぅ〜、なんかヒットランキングの5位を行ったり着たりのこの作品。


皆様のおかげでやっとプロローグ含めて12話目!


遂にここまできたかぁ〜!

「はぅううう〜!どうしましょうどうしましょう!迷っちゃいました〜!」

 黒いローブを頭から被った人があたふたと慌てている絵。誰でも思うだろう、変人。変わり者。変質者。

 さっきから階段に躓いて転ぶし何もない所で壮絶に転ぶし周りの人には笑われるし。

 赤い絨毯の上をただ歩き回って広い城内中を駆け回る。

 何故か城内図書館に行こうとしたら屋上に出るしトイレに入るし保健室に入るわで…ここは何所なんでしょう?

「なんて聞いたら迷子の証ですぅ〜!何所かに地図とかぁ〜!」

 あったら自分から侵入者に姫様の王室はここですと伝えているような物だ。有る筈ない。

 毎回毎回着ては迷うこの少女。方向音痴。

「図書室はぁ〜!何所ですかぁ〜!?」

 周りの人に聞くと言う術も思い付かずに、少女は廊下を目に涙を溜めながら走り出した。何故か朝方に着た筈が、もう外は闇で染まっていた。



「ふぁああああ〜」

 目を擦りながら視界をハッキリさせる。涙を少し溜めながら空を見る。沢山の星が見えると思った零人の視界に映る綺麗な顔の人。母さんに似ている。凛々しい瞳と表情が良い意味で崩れていて、優しい顔になっていた。その人の手が髪を撫でて、心地良い。

「レイト、起きたか?」

「え゛…な、レイ…チェル?」

 母親以外にされた事のない事に戸惑いを隠せない。顔を支えてくれている感触はきっと太股。月の光が顔を照らして、一層輝いている。

「気持ち良さそうに寝ているのでな。起こす気も失せてしまったぞ」

 顔が赤くなる。そうだ、この世界には男が居ない。だから平気で出来る。だけど…もし男がいたらレイチェルはこうしてくれただろうか?こうやって優しい笑顔を向けてくれるだろうか?零人はレイチェルに見惚れて思ってしまった。綺麗だ。母さんと被ってしまう。一番大切な人と。

「いや…その…」

 口から言葉が出ない。目の前の少女が美し過ぎるから…。

「どうしたレイト。具合でも悪いのか?」

「な、なんでも…ない」

「そうか。ならば良いのだが」

 こういう時のレイチェルの鈍さに感謝した零人。

「そ、それより、何でお前は俺に膝枕?」

 嬉しいのだけどなんで夜まで寝ていた零人に膝枕をしていたレイチェルが気になった。

「気に入らないか?」

「滅相もない!男の夢だからな。お前で良かったよ」

 レイチェルの太股に頭を乗せた状態で零人はハニカミながら微笑んだ。夜空色の髪と瞳を持った少女は、茶髪の少年に闇の中で微笑み返す。

「伝説の男にそう言って貰えるとは、光栄だ」

 零人は気恥ずかしくなってベンチに手をつけると音を立てて石畳の上に立ち上がる。

「あんがと」

「あんがと?さんきゅぅと同じ意味なのか?」

 レイチェルがベンチに座りながら言ってくるのを零人は苦笑しながら「あぁ」と言い返した。

 また、してくれると良いんだけどな。流石に気恥ずかしくて言えなかった。

「母様に昔、良くやってもらっていたのだ。安心できたから、零人にも大丈夫かな…と」

 嬉しい事を言ってくる美少女剣士に零人は微笑んだ。噴水の吹き出る音と水飛沫の音、虫や鳥の囁き声。全てが今、レイチェルと居るこの場では美しい音色。

 その時のレイチェルを言い表すと、まるで天使。黒髪と黒い瞳を持った天使だった。

「貴君の寝顔、可愛かったぞ」

「な、何馬鹿な事言ってやがる!」

 笑顔で首を傾げて言うレイチェルを見ていると、なんだか胸の辺りが熱くなる。あのツンツン女とは違う少女。剣を持った時の生き生きとした鋭く、冷たい美しい顔も好きだが、零人は今のレイチェルに見惚れていた。優しい笑顔が、また別の彼女のような気がした。

「それより、貴君はどうして中央庭園に?姫様が部屋くらい用意してくれたであろう」

 ベンチから立ち上がるとレイチェルは上目遣いで言って来た。

「いや、きっと用意はしてくれたんだろうな…。けど、部屋の場所聞くのを忘れてな。ここで寝ようと思ってたんだ」

 レイチェルが立ち上がったベンチを指差して零人は言った。背中は痛むが寝るのには困らなそうだったからだ。

「た、確かに暖かいが…風邪をひくぞ。…そうだ、わたしの部屋に来ぬか?ベッドも二人で寝られるくらいはある。貴君が良ければだが」

 拳で手の平をポンと叩くとレイチェルは唐突にそう言った。

「え、良いのか?……っでぇええええ!? ちょ、おま、マジで?」

 一瞬気が動転して疑問文で返してしまったが、流石にそれは不味いのではないのだろうか?自我と理性が一瞬で弾け飛びそうなんですが。まぁ、男が居ないから当然と言えば当然なのだが、それはちょっと…。

 慌てている最中、腹の虫が音高く鳴り響いた。そういや朝、昼と飯を食う余裕がなかった。腹が今頃減って来たらしい。

「腹が減っているのか?」

「あぁ…ちょっと食ってなかったからな」

 レイチェルは腹の音で驚いたような素振りを見せたが、直ぐに普段の顔に戻る。

「わたしは医務室で食べたのでな。気付かなかった。レイト、今では食堂も開いてはいない。どうしてもと言うならば、わたしが作るが?」

 その時、唐突に思い出す。剣士類のゲームキャラって料理上手かったっけ?

 確か主人公とかは食す役、役に立たねぇ。って、どうもこうも剣を扱う奴って料理下手じゃん。レイチェルには失礼だが…ここは止めといた方が…。

「むぅ〜、早く答えぬか」

 少し考え過ぎたようだ。レイチェルが痺れを切らしている。

「…じゃ、じゃぁ、頼めるか?」

 俺のアホォオオ―――!!!! 自分から死にに行ってどうする!? ここには絶対胃薬なんてないぞ!トイレで死ぬなんて最悪だ!永久に残る!

「了解した。では、わたしの部屋に行こうか」

 あぁ…理性が吹っ飛ぶか料理で意識が飛ぶか。どっちも最悪の選択だな。

 先に歩いて行くレイチェルの後を追って零人は少し足早に歩き出した。

えぇ〜、暑い!

小説を書く気力が失せて行く今日この頃!


だからと言って辛い、書かないとは言ってられないのも人生!


ちょっと今回はゲストを呼べませんが、次回は、じかいはぁあああああ!

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