表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/14

[5]

八乙女花音:ファンシー☆テイルの科学者です。花音さんがいないと組織は成り立たない、ってくらい大事な人なのに、その才能以外全て役立たずです。何でこんな人に才能があるんでしょう。謎です。超謎です。


 よく誤解されるんですが、ファンシー☆テイルはこれでも悪の組織です。当然、悪逆非道な行いをしたことも一度や二度じゃありません。

 公共施設を破壊したり、工場を襲ってロボットの材料を奪ったり、街中で暴れてみたり。どんな意味があるのか分かりませんが、とりあえず色んなことをしています。良心が痛まないのか、と一度言われたことがありますが、そう言われてもただの 戦闘員である僕は上の命令に従うだけなので、別に良心が痛んでも関係がありません。

 よく仲間内からはドライな奴、他人からは冷血漢と言われますが、心外です。超心外です。僕だって心が痛むことはあるし、嫌な事もたくさんあります。

 それじゃなんで戦闘員として前線に出てるんだと聞かれたら、楓さんのチラリズムを楽しむためだけです、としか答えられませんが。

 前置きが長くなりました。常田です。

 戦闘員やってて何が一番嫌かって、この全身スーツです。黒いです。ベルトと靴と手袋だけは白です。そしてなぜか覆面。花音さんの発明品らしく、着心地は悪くありません。覆面つけても視界はクリアで、内臓スピーカーとかついてたりします。意外に豪華です。無駄に豪華とも言います。

 まぁ、着心地の話はどうでもいいんです。問題は見た目です。なんていうか、全てにおいて痛い。見て痛い、着て痛い、見られて痛いと三拍子揃っております。正直、出撃前はいつも涙が出ます。

 一度だけ柳さんに改善要求を出したのですが、これだけはポリシーなので変えられないと言われました。そう言われてしまってはもう何も言えません。なにせ、組織名がファンシー☆テイルになっても文句一つ言わなかったんです。そんな人が変えられないと言うんですからよほどの理由があるんでしょう。

そんなわけで今日も泣く泣くこのスーツを着ます。

 服を脱いでスーツに足を入れます。上半身と下半身が繋がってるので、首のとこから足を入れないといけないのがまた泣けます。せめて上下首で分かれてくれれば……。それか決め台詞唱えてポーズとればいつの間にか装着してる、とかだったら耐えられるんですけどね。

「そんな青少年の願いを叶えて上げようじゃないか!」

 また今日も元気に盗聴ですか?

 何度も言いますが人権侵害です。ムカつきます。超ムカつきます。

 っていうか、それ以前に、ここ男子更衣室ですから!

 ほら、鶴来さんも驚いて……あれ、いない。花音さんの気配を感じ取って逃げたみたいです。あの人、要領よすぎです。あやかりたい。

「さぁ、このピアスをつけて。そして叫ぶのよ! 『チェーンジ、ドキ☆ドキ、ファンシー!!』」

 花音さん、今まで憚っていましたが今日こそ言います。消えてください。もう一度言います。消えてください。再三言います。消えてください!

 あ、八割くらい本気ですから。




しぶとく続きました。評価・メッセージ随時受付中。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ