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あ、どうも。常田です。常田政次。
悪の組織、通称「ファンシー☆テイル」の戦闘員やってます。
去年の冬からやってるんでそろそろ戦闘員始めて半年くらいになります。
今日はオフなので、僕が所属している戦闘隊の隊長兼クラスメイトの神功楓さんとお出かけです。荷物持ちをデートと称していいか分かりません。でも嬉しいからいいや。
楓さんは可愛いです。といっても、生徒会長やってたり委員長やってたり団長やってたりとかはないです。美人で生徒会長ってファンタジーですよね……、実際。彼女は、悪の組織の戦闘隊長やってる以外はごく普通の高校生です。ついでに僕も。彼女との出会いは話すと長くなるのでまた次の機会と言うことで。
「ごっめーん、遅れちゃった」
あ、楓さんが来ました。うわぁ、キュート。女の子のお洒落っていいですよね。見てて和みます。最高です。でも口に出して彼女を褒めるようなことはしません。真顔で女性を褒めることができるのはジゴロだけです。あとナンパ師。僕はどちらでもないんで恥ずかしくて言えません。だから笑顔で彼女に挨拶します。
「こんにちは、楓さん」
ビー! ビー! ビー!
腕時計の3回アラーム。これはファンシー☆テイルの呼び出し音です。
せっかく今から楓さんと楽しいひと時を過ごすはずだったのに。……死ねばいいのに。ムカつきます。超イラつきます。確かにファンシー☆テイルは掛け替えの無い大切な場所だけど、時と場合によります。っていうか、マジウゼぇ。
あ、でも嫌な顔はしません。だって、隣で楓さんが超輝いた目してるんですから。
「わぁ、出撃だ! 燃えるわねー。行くわよ、政次くん!!」とか言ってます。こうなった彼女を止めることはできません。素直に出撃するしかなさそうです。
でもいきなり手を引っ張って走り出すのは止めて欲しいなぁ。嬉しいんだけど手首が痛いんで。あ、ちなみに楓さんの握力は両方とも50kg超。リンゴ片手で潰せます。
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