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王太子が来た

 領地の説明をすると、花を育てるこの領地は、監獄、みたいである。よく言えば要塞。

 背が高い大人の軽く二倍の高さはある石の壁に囲まれて、外に向かってへこむように添って登りにくいようにしてあり、鼠返しならぬ盗賊返しの罠が付いている。

 唯一の出入り口はうちの屋敷が塞いでいる。

 うちの屋敷の真ん中にくりぬかれた通路を通り、その先の門を抜けると、ようやく外界。 街道がある。ちなみに王都まできちんと整備され、馬車が走れる。三年に一度、整備しているから、轍などで、がたがたすることは、他の道より少ない、らしい。

 特殊な花や、改良を重ねてうちにしかない花や植物があり、その種や株、育成方法を流出させないために、領民を囲みこんでいる。

 どちらかというと技術と人の流出を抑える、というよりは、人が入ってきて植物に害虫や病気を持ってこられるのを防ぐ、ためらしい。

 だから、壁を登って盗賊が入り込むのが本当にまずいし、入ったら即殺、とらえても処刑である。

 首は街道にさらす。

 前に押し入ってきた連中や、盗賊なんかは、この特別な花狙い。

 とくに、我が家の家紋の黒百合とか、王家の旗に用いる明るいオレンジのダリアのような花株とか。

 ダリアにしか見えないけれど、咲かせるのが難しいそうで、ここでしか蕾にならないそう。

 温室に入れて、冬は温石、夏は冷えた水を屋根にずっと流して、温度管理も必要だし、肥料の与えどきとかシビアらしくて。城で栽培しているのも、咲いている株を何度か渡して、それからあちらの庭師が育てて咲かせられても、色がきれいに出ないし、蕾もほとんど付けなくなってしまうという。

 枯れはしないんで、あちこちに株は生き残っているけれども。

 咲かない。

 だから、株をうちで預かって蕾つけたら返しているというのを四十年ぐらいしているという。

 黒百合は夏に管理を間違えなければ咲くからわりとほったらかし。うちの家紋の花は暑過ぎると駄目みたい。プロポーズに使うので、いつでも咲いてるように調整しているのだけが、面倒ごとかな。

 

 糧食提供義務があるのは、マーサ母様達は早々と知っていたらしく、ヒマワリなどの出荷を減らして、種を絞って油にし、三ヶ月ぐらいで出来て保存できる芋などを作っていたようで、あとは王太子殿下が率いる戦場へ支援物資を送る部隊がくる前日ぐらいに、水を煮沸して樽に詰めるのみだ。

 ワインも樽で50も用意したよ。

 提供物資をかき集めながら、東に向かうのね。

 と、あわただしくしているうちに、ジョーンズが来た。

「小伯爵、ジェームズ様です」

「あれ。心底どうでもいいから、名前忘却してた」

 元婚約者である。

 勘当されたのか、従者もつけず、浮浪者みたいになっている。

 すくなくても、一週間ぐらいは着の身着のままさまよったんじゃなかろうか。馬がないと、王都から3日以上かかるから。

 対面はしていない。

 門で騎士と問答しているのを、屋敷から、壁の上の道を伝って、上から覗き見しているだけ。

 高いので、なかなか怖い。脚踏み外すと死ぬからね。一応、掴まる柱が点在しているけれども。

「会われますか?」

 付いてきたレクターが、柱を強く握りしめている。

 うん、怖いよね。

 ごめんね。私が様子見たいとか、言ったから。

「あの様子なら、もはや、貴族としての籍はないでしょう。屠りどこぞに埋めてしまうもたやすく」

「レクター」

 私は咎める声を出した。

「それは私が言い出すことで、貴方方は、止める立場だからね」

 とはいえ、魅力的な提案。

 このまま追い返しても、門前で居座っても、王太子一行兵站部隊とかち合って、排除(殺処分)されるか、知り合いの優しい人に運よく見つけられて、あることないこと告げ口するか。

 後者をやられると面倒くさい。

 門と屋敷の間に騎士と兵と、外に出た村人が村に入る前に宿泊する舎があるので、その一室に閉じ込めるとするか。

 その舎の屋根と壁の高さが同じ(二階建て)なので、その上を通れば、そんなに怖くないけれども、前面壁(門のところ)は、屋根がないから通路細いのよねぇ。

「戻ろうか」

「・・・はい」

 行きはよいよい帰りは恐い。

 夜間は特に、ここに見張り立つので、ほんとうにもうちょっと、ここ何とかしてほしい。いつか落ちる人出そう。

見張り「這いつくばるか腰かければいいんですよ、安定するから。寝落ちしたら、間違って死にますけどね」

 令嬢には無理。




 ジェームズのグダグダした言い訳を門番が要約すると。

「本当に婚約破棄する気はなかった。伯爵が劣勢な戦争に行って、一人で不安なところを突き放してやれば、『捨てないで』とすがってくるだろうから、それで婿入り後に優位な立場を手に入れられると思った」

 だそうで。


 聞いた私と家族と家臣一同。

「殺処分」すべき、しておく、してしまえと。

 まあ、こころが一つになったもの。

 マナーの先生さえ「なんて頭の悪い。普通に寄り添って、僕がいるからと優しくすればなんの問題もなかったのに」と、文句を言った。

 でもだから、みんな「馬鹿でよかったのかも」と、考え直した。

 もっと小賢しかったら、結婚してしまっていたもの。

 ジェームズを閉じ込めて三日後、先ぶれ到着。

 大人数で歩兵もいるから、昨日出発したのなら、ここに王太子一行がたどり着くのは明後日かその翌日ぐらいか。

 王太子に付き添う貴族の名前を見ていると、侯爵の嫡男で、父の従弟がいる。

 亡くなった父方の祖母、前伯爵の夫人の弟が侯爵当主。

 私の想い出をからめると、お茶会でドレスにかかっちゃったお茶をこぼしたお嬢さんの父親が来る、ってこと。

 祖母と母の葬式でも会ってる。祖父の時もいただろうけれど、記憶がない。ああ、違うな。祖父の時はすごく人が死んだから。葬儀が簡素で。人を集められなかったんだわ、伝染病が猛威を振るってて。

 数か月遅れで、お父様が『ねえや』と呼ぶライリーの娘も東の領地で、同じ病で亡くなってるし。この国どころか、大陸の全土で大勢亡くなった、はず。

 だから、20年前まであった戦争と、その流行した病のせいで、貴族間の親族があまり多くない。

 数少ない、というよりほぼ唯一の身内であるから、少し話をして、手紙とうちの騎士を小侯爵様に預けよう。

 母方の身内?

 母の弟が伯爵家を継いだあと、領民に全員惨殺されて、王家に全没収されている。母に異母姉(前妻の娘)がいたらしいが、巷でよく見かける継母と義理の妹にいびられ、追い出されるドアマットヒロインそのままに、別の国に拠点を置く豪商の妾になった、とか。

 逆に逃げ切りだったのかも。国内に残ったら、肩身がせまかったはず。



 王太子が来たから、開門する。

 城から五千人、付き添いの貴族が6家で、それぞれが家格に合わせた兵を連れているから、八千人前後の大所帯。

 人口がせいぜい400人(村人300、騎士と屋敷の者が100である)の領地で、受け入れは無理なので、街道に面したところに野営しやすいよう平地を作っておいた。

 王太子と6家の代表、それぞれの側近は5名までなら、屋敷の迎賓室にご案内する。

 村との通路で、うちの屋敷は真っ二つに割れてて、家族が住む棟と、来賓をもてなす棟が違う。空中渡り廊下で繋がってはいるけれども鍵をかけてある。警備上、というより安全上。補修工事しないといけないんだけれども、喪中その後戦争になってしまったから、やれなくて。

あちらも、この領地では十分なもてなしは無理なことは知っているので、一泊したら、朝食後出発、という運び。



 前にも説明したが、小伯爵となった私ですら、村には容易に入れない。

 三か月ぐらい、禊がいる。

 王太子が言った。

「花の村を見学したい」

 王や王妃ですら、入れないのだよ、ここは。

 国花法(簡単に咲かせられないから法記載)にそう記されている。

「それは法にたがえる行為のため、承諾できません」

「できかねます」

 ぼそっと、マナーの先生が囁くので、言い直す。

 ただ言い直すと、あれなので。

「国花法第二条、王の花の保護義務の項を遵守するために、黒百合はここに居を構えておりますので」

 と、言い直しを皆まで言わせず、

「殿下の申し出を拒むというのかっ」

 と、王太子の背後の騎士が剣に手を掛けた。

 ええ、こんなの連れ歩いてんのですか、殿下。

「名乗れ」

 私は話しに割って入った騎士に告げた。

「は、なにっ」

「何、じゃない。殿下と伯爵の跡取りとの会話に割って入った、貴様の名前と家を問うている」

「・・・・・・」

「あとで調べて、家に抗議を送らせてもらう。場合によっては、ああ、これは正しくない。取引しているものがあれば、すべての取引・交友を停止する」

 王太子は何も言わない。

 底が知れた。

 馬鹿を侍らせ、今のように恫喝させ、それでだめなら、この馬鹿のように切るのだろう。

 ああ、だから、頭の良さそうなのが、従っていない。

「待ちたまえ。止めてくれたおかげで、法を犯さずにすんだよ、ありがとう」

 村一つと引き換えに、この王太子を取り替えられたかもしれないな、と今更思った。

 もう遅いか。

「それから、彼は子爵家の五男で、彼のせいで黒百合と事をかまえたら、ほかの兄たちも職を失いかねないので」

 王太子が笑った。気味悪く。

「彼の右腕、手首から先で勘弁してくれないかな」

 頭の悪い騎士が「へ」って声を出したが、取り押さえられ、跪かされ、右腕を地面に縫いつけるようにのばされて、ナイフが、籠手の隙間に滑り込んだ。

 私はただ黙って見ていた。

 が。





「予定が狂うので、さっさと落として貰えませんか?」




 その後、全然進まない。動かない。

 もしかしたら、彼らは私が「そんな、そこまで求めていません」と言うのを待ったのだろうが。

 馬鹿にされて、引くわけがないだろう。

 早く刑罰を執行しないと、外の兵達もくつろげないだろうし、ついている爵位持ち、ないし跡継ぎたちも休めない。

「小伯爵への不敬なのだから、小伯爵が執行すべきだよ」

 また、嫌な感じに笑うなぁ、この殿下。

 あと、どちらかというと、王太子殿下が会話中に、割って入ったのだから、不敬度ならそっちなのに。

「母様と先生をお願い」

 と、背後のレクターに告げて、私は仕方なく騎士の前に行き、黒いまでに深い紺のデイドレスの裾を乱れぬように掴んで、立っているナイフの柄に足を乗せた。

 彼らは私が、跪いて、手で切ると思っていたらしい。


 王太子側が、えっという声を上げたが。


 腕力、握力で骨を切断できるわけがないだろう。一応、お嬢様だよ、私は。

 ぐらっつくなぁ。

 そこにするりと、手助けがきた。

「小伯爵、母君のご葬儀以来、ひさしぶりだね。正式に跡取りになったと聞いた。おめでとう。レディにぶしつけだけれど、支えてあげよう」

「ありがとう、小侯爵様。おじさま、と昔のようにお呼びしても?」

「そう呼んでくれるとうれしいね」

 両肩を挟むように支えてくれたので、私は片足に全体重を乗せ、そして体を上下に揺らして。

 おじさまが、下がるタイミングで、肩を下に押した。

 堅い骨を砕くように、刃が押しとおり、柔らかい土まで貫通して。

 ころっと。

 手首が転がった。




「骨一つ、一人では切断できぬ軽々しい身で、お恥ずかしいわ」

 ナイフの刃がなまくらに近いから、というのもあった。切断する気があちらにはなかった。

 私が引くのを、できませんと半べそかくのを見たかったのだろう。

「なに、まだ大人の手を借りても恥ずかしくない年齢だよ」

 うふふふ、あははははっと身内同士で、笑いあって。


 まさか本当に切断されると思っていなかったと、言わんばかりの青ざめた顔をした一行を客をもてなす棟に案内させた。


 血をまき散らして転がりまわる、愚かな騎士は引きずられていった。

 途中から騎士とは思えないほど、ぎゃんぎゃんわめいていたのに、切断されたら声も出さずに、呻くだけだった。心底痛かったり、怖かったりすると、声は出ないらしいので、私はやはり、直前まであの男に舐められていたのだろう。

「王太子殿下のご尊顔に免じまして、彼のご実家へは不問にいたします」

 おめえが言い出したから、私は受けたんだよ。ぐちゃぐちゃ言うんじゃねーぞ、おーい。と、内心の柄が悪くなった。

「・・・・・・っ ああ、私の顔を立ててくれてありがとう」

 王太子がその後、何か仕掛けるかと思ったけれど、翌朝東に普通に発っていった。

 小侯爵がしんがりなので、うちの騎士と手紙を任せた。

 父への手紙は、同じ内容で三通。

 物資輸送の中に一つ。

 小侯爵が一つ。

 うちの騎士に一つ。


 どれか届くだろうけれども。



 嵐が去ったので、家族会議。

 ミーシャはあの連中に目を付けられたくなかったので、隠しておいて正解だったな。

 こんな可愛いのを見たら、夜這いとかしてきたかもしれない。

私「気になったことがあれば。はい、マーサ母様」

 母様が手を挙げたので、発言許可をする。

母「彼(王太子)を見る、家(貴族のこと)のある人たちが、妙に冷ややかだったの。(王太子を)変更するのかも」

 この家の人間は、不味い名前を出さない程度に、保身力はある。

執(事)「ディープなものに気が付いてしまいましたね」

 母様がほほえんで

母「もうわたしったら、有能だから、よけいなことまで気が付いてしまって」

 おどけるようにいったが

私「本当に有能で、やっかいなことに気が付いてるから、つっこみできないのよねー」

 笑えない。

「平時なら、書類仕事するだけで、城にでも封じておけば、大した問題は起きませんが、東が落ち着いても、しばらくごたつく今となっては、彼ではあやうい、ということか」

 とレクターが言った。

私「落ち着かないの?」

 私は王太子の処遇より、そっちが気になる。

執「戦争はどうしても、国力が落ちますから。東が落ち着く前に、西や北が騒ぐでしょう」

 南は海だから、平気なのかなぁ。と思ったが。

執「西・北に対応すれば、海賊も騒ぎ、港の安全も脅かされるので」

私「あー落ち着きそうにないわね」

(侍)女長「二十年近く前になりますが、あの戦争は、七十年でしたから」

私「私は終戦まで生きてそうにないわね」

 ソフィアがおっとりと、

「それはどうでしょう」

 と、呟いた。

私「私、83歳まで生きるかも?」

ソフィ「それ以上まで健やかに長く生きてくださることを願っておりますが。70年、人と財をすり潰してきて、20年程度の平和では、あちらもこちらも、傷が癒えていないのです。よそも、こちらも息が続かず、どこかで妥協するのではないかと。8年ぐらいが目処ではないかと。そして、先の話に戻りますが、停戦などの繊細な対談に、あの方は無理では」

私「目上にはさすがに」

 確かに下位を馬鹿にするあの顔は、対談向きではないなぁと思ったが、取り繕うぐらいできるだろう。

ソフィ「目上だと、理解できるか、という」

 足の裏がむずっとするので、絨毯にこすりつけて、室内履きだけれども底がまだ冬用で、あまり感覚が伝わらない。無意識にやっていたので、気が付いて先生の顔をうかがう。お行儀悪いもの。

 でも、先生は私の目線に気が付いて、ただ頭を撫で撫でとして、母様も、頭を撫でてきた。

私「まあ、彼らも去ったし。アレ、どうしよう。ジョ?」

執「ジェームズ殿です」

「一度、間違って記憶したから、全然ただせない」

「補給隊に追いつかれても面倒ですから、5日後ぐらいに解放しますか?」

 と、乳母の夫(騎士)が提案した。

私「5日も?」

騎士「補給物資を送る大隊というのは、歩みが遅いのです」

私「最後列はおじさまだから、なんかうまくしてくれそうな気がするけれども。ああ、でも、面倒くさいけれども、ご実家に返送してみる?」

母「残念だけれど、親御様から『我が家と縁を切っております』というお手紙が、二日前に届いていたわ。おもてなし準備で、放置していた手紙の中にあって。確認が遅くなってごめんなさい」

私「あ、もしかして、私のところにも同着であるかも」

執・女長「あちら様からのお手紙をお部屋にお届けしています」

 お届けが一番楽、ということに私たちの意見は一致した。

 勘当しても、こちらで殺処分した、見殺しにしたとわかれば、悪意を持つだろう、親として。


 勘当したことはお手紙にて把握しておりますが、当家に身を寄せられても迷惑なので、ひとまずお返しします。

 

 という手紙とともに強行軍で送り届けて、


 戦場に送ることとしました


 という返信を謝罪文とともにもらった。


「なにこの、黒真珠6つも」

 仰々しく運んできた小さな箱に、それが入っていた。

「目録でございます」

 真珠と。

 倉庫に直で届けた、『酒樽』4つ。『絵画』が二点。壺も一つ。

 画と壺は目録で作者を見ると、いずれも有名どころ。

「迷惑料として、だそうです」

 可哀想になってきた、親って大変。


 王太子一行が来た時に、何か夜中に仕掛けてこられても、と思ってしばらく、母様とミーシャと一緒に寝ていた。

 警備を分散するよりは、と思って。

 ちなみに、当主の寝室で、続きの隣の部屋には乳母と先生とアンリに寝てもらった。先生だけ居心地悪そうだったが、安全のため。

 当主夫妻付きのメイドの部屋にはソフィアばあやと侍女長が。

 執事と執事補、厨は動かさなくてはならなかったから、昼夜働いてもらった。

 とはいえ、これは王太子シフトで、一時的な措置、だったのだけれども。

 ずっと一緒に寝てる。

 あれ、なんで。

 人手が少なくなってるせいもあるけれども。(一カ所に居ればまとめて世話できるからねー)

「いや?」

 と、ミーシャに首をかしげられて、天使みたいに目を潤ませて。

「そんなわけないでしょ」

 あれ?


 それはともかく、元婚約者の父上には、あまり出回っていない蘭を一鉢と「両家の付き合いにはなんの翳りもありません」的な意味のある花株も添えて、贈った。もらった迷惑料の半分ぐらいの価値になるよう調整して。


 そして、手紙やら何やらの手配を終わらせて、

 ほっとした私は


 熱を出して倒れた。


 気持ちも体も疲れすぎたらしい。


 何度も何度も思ったけれど。


 父様、早く帰ってきて。

 荷が重いよ。



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