第8話 緑の蛮族
満月の夜
カーンカーンカーン!!
「皆んな起きろぉ!!ゴブリンが来るぞぉ!!」
夜を想定していたが、まさかまだ明るい内に出てきてくれるとはな。
「皆んな、武器は持ったか!訓練通り行くぞぉ!!」
「「「はいっ!!」」」
気合い十分、大丈夫そうだな!
「ふぐっ、うっっ!」
なんだ?様子がおかしい。まるで進化前の亜人達見ているみたいな、、貧弱な身体に武器もボロボロで着衣は腰巻きだけ。ほんとに戦いに来たのか?
そんな考察を1人巡らせていると、、一体のゴブリンが両手を上げながら歩いてきた。
「みんな!武器を下ろしてくれ!一度話をしてみる」
「でっっでも!ゴブリンは狡猾で有名、罠かもしれませんぞ!」
たしかに、ラベルトの言っている事も一理あるが、どうせ死なないんだ、一旦話くらい聞いてやってもいいさ。そうして俺は一体のゴブリンと話をしに向かった。
「両手なんか上げて、降伏か?」俺は少し煽り気味にそう言った。
「我はゴブリンロード、亜人村の村長ルーク様の傘下に入るべく!ゴブリン谷から参りました!」
へ????さん、、か?
「どっ、どうゆう事だよ!お前ら亜人の村を襲撃しようとしてたんじゃ!」
「違いますぜ!俺たちは今、人間達に谷を追いやられてから、食料に困ったから!亜人達を頼ろうと!」
€う〜ん、嘘では無いようだが。こいつ何か深い事を隠している
やっぱりスカルもそう思うか。
「まだなんかあるだろ?」
「は、はい。」
「正直に言うのが身のためだぞ?」
「分かりました。実は、、俺たちゴブリン族はこの大森林の北側に生息する、コボルト族と結託し谷の人間の侵略に抵抗していたんです。ですがある時一体の魔物によって、コボルト族とゴブリン族の約半数が殺されました」
€一体の魔物か、恐らく精霊か何かだろうな。
そんだけ強けりゃな、その可能性もある。多分。知らんけど!
「その魔物ってどんな奴なんだ?」
「その魔物は、、、」
その瞬間、ギリギリで避けたが確かに今、ゴブリンロードが殺す気で刃を向けてきた。
「危ないな、"超集中"常時発動しといて良かったよ。で、どうしたんだー?ゴブリンロードさーん?...え?」
ゴブリンロード、いや、ゴブリン達の背中から、黒いもやの様なものが出てきて、次第に人型をなす。
€俺の予想はハズレだな。精霊じゃない、こいつらは
「魔族だろ?もう雰囲気で分かるわ。」おぞましい角に羽が生えてたらもう魔族一択やんけ。
「我の名はヒポ、人間達のきょ…」パンッッッ‼︎
「お前の魂、めちゃくちゃ血の臭いがするな。」
クソ魔族の右顔面を俺の右ストレート(魔力で肉付けしてある)が貫いた。
「ガッ、、ガイコツ風情が我に一撃入れるだと?」ズズズズ 傷治ったキモ、殺す気で殴ったんだけどな、めんどくさそうな相手だ。
「傷、治るんだな。てか、お前の魂見てみたら分かったわ」俺の"魂喰い"がこのクソに触れた瞬間にこの魔族の魂に刻まれた記憶を見せてくれた。
「お前、このゴブリン族やら亜人族達の事殺しまくってんな?」
「ふっ、今更か。。そーーだよ!俺が!!みんな殺してやったんだ!!まずは亜人達にゴブリンが力をつけている事を教え!盗賊達を使って大人達を殺し!次はゴブリンを殺してなぁぁ?!」ケタケタケタ
ふぅぅぅぅー落ち着けー俺。
「楽しそうに喋るな。」
「あっと!そういえば、ゴブリンの女と子供はなぁ、」
『首をもいで並べてやったよ⭐︎』
ブチッ...ボスッ
「あぁ、、やめてくれ、、もうやめてくれ、、」
「泣くな、よく見とけよゴブリン風情がぁ!」
ブチッ…ボスっ‼︎ボスっ‼︎ボスッ‼︎
「最っ高に!きもぢよがっっだなぁぁ〜!!」スパッッドサッ
「"列空"」魔法操作を試してたら偶然手に入ったスキルで、クソ魔族の腕を落とすくらいには、威力が高かったな。
「クソガイコツ、、!」
€ルーク、こいつはそう簡単な相手じゃない。
そうっぽいな。なら、
「本気を出す。"完全同化"」
€同化完了
「よし。馴染むな。」
「なにが同化だぁ?!ふざけるなよ!!"魔炎砲"!」
凄まじい威力の魔法だが、"魔法分解"
「なっっ!吸収されてく、、」
€スキル「魔炎」を獲得
マナ量で威力が変わる。魔族専用スキル。
「"韋駄天"」韋駄天は空気中のマナを使って高速移動するスキルだ。
「どっ、こに?!」
「上だよ。"魔炎"」ボワッ
「ゔぅぅあづぅぅぅ!!」
「魔炎は、マナ量で威力が変わるんだろ?俺とお前のマナの差はそんな変わんないが、スカルとお前のマナの差は、約1000倍だな。」
そう言っている内にもうほとんどあのクソ魔族はチリになっていた。
「グソッ、、許さん、、」
「黙れ死ね。」"魔炎"バラパラパラ
「皆んな怪我はなかったか?!」
「もちろん!大丈夫です!それより、ルーク様こそあの魔族と戦ったんです!」
「俺は大丈夫さ、それよりゴブリン達を頼めるか?」
「お任せください!魔族にやられたのは私達も同じ!仲間として迎えましょう!」
「ありがとう、頼りになるよ。」
「よしっ、"魂喰い"」ガブッッ
€スキル「超速再生」「魔刃」「魔砲」「自己複製」 「精神操作」
「あんまり良い心地はしないが、喰われてあたり前の奴だったな。」
大森林を脅かす魔族が居なくなり森に平和が戻ったのだった。