第9話
冒険者ギルドから出て、依頼主の家に向かった。
歩きながら、イベントデータがどうなったか? 確認する。
ベンチの PlayerId は、500002 か。
sql> select * from events where PlayerId='500002';
*************************** 1. row ***************************
Id: 9891
Name: ベンチの捜索依頼
PlayerId: 500002
ItemId: NULL
EventKind: 002
EventFlag: 001
RespawnTime: NULL
MaxQuantity: NULL
Quantity: NULL
latitude : 35.7403892
longitude : 139.3302040
elevation : 120.8334621
~
~
StartUpTime : 3023/05/08 14:20:08
CreateTime : 3023/05/08 14:20:08
ModifiedTime : 3023/05/08 14:20:08
あった!
イベントとして登録されたみたいだ。
テーブルの登録日時も同じ日時だから、依頼が受理された時に、レコード登録された感じ。
ふむふむ。
「この時間だと、すぐに夕方になっちゃうけど、どうする?」
「ん、とりあえず、依頼主さんの所に行ってみる。」
母的には、朝の早い時間から、始めた方がいいんじゃない? って暗に伝えて来てるんだと
思うけど、もう、場所は特定出来てるからね。
やってしまおう!
依頼主の家
「こんにちわー! 冒険者ギルドで、依頼を受けた者なんですけどー」
ドアをノックして、大きな声で、要件を言う。
すると、どたどたと音がして、ドアが開いた。
「ん、誰かな?」
人間のおじさんが、出てきた。背は170センチくらいで、ひげが生えてる。
ちょい、小太り気味。
「はい、冒険者ギルドで、依頼を受けた者です。」
「……」
「こんな、小さな子が、ベンチを探せるのかね?」
「大丈夫です! がんばります!」
もう、見つかってるしね。
「はぁ…」
自信たっぷりに答えたが、ため息をつかれた。
「あんたも、探してくれるのかい?」
小太り気味のおじさんは、母に向かって尋ねてる。
「私は、この子の付き添いよ。依頼には手を出さないわ。」
「はぁ…」
更に、ため息ついたよ。
「ギルドめ…こんな小さな子をよこしおって…わかった。それで、ベンチを探してくれるんだな?」
「はい。こちらに、捜索開始日付とサインをお願いします」
俺は小太り気味のおじさんに、ギルドから渡された依頼表を渡した。
「よし、サインしたぞ。これでいいか?」
「はい、ありがとうございます!」
「では、頼む。ベンチを探してくれ。娘が可愛がってるんだ。
突然いなくなってな。みんなで、あっちこっち、探し回ったんだが
まるで見つからないんだよ。
冒険者ギルドに捜索依頼を出しても、誰も受けてくれなくてな、
困ってたんだ。」
「そうですか。それで、ちょっと聞きたいんですが、いいですか?」
少しは、情報収集しないと変だよな。
「最後に、ベンチを見たのはいつですか?」
「そうだな、確か、5日前だな。朝起きて、庭にある小屋をみてみたら、いなかったんだ。
おかしいと思って、声をかけながら、探したんだが、見つからなくてな。
前の晩に、餌をあげたから、前の晩までは確かにいたんだよ。」
「夜のうちに、いなくなったと。」
「夜の10時にいたのは、確かだ。」
「朝、起きたのは何時でしたか?」
「毎朝、5時に起きるんだ。」
「なるほど。ベンチは、夜の10時から、朝の5時の間にいなくなった可能性があるという
事ですね。」
「あぁ、そうなるな。」
「鎖に繋いではいなかったんですか?」
「繋いであったんだが、朝起きた時には、鎖もなくなってたよ。」
ふむふむ。
「ちょっと、現場を見せて頂いてもいいですか?」
「あぁ、かまわんよ。こっちだ。」
小太り気味のおじさんの後に、ついて行くと、庭に出た。
「ここだ。」
犬小屋があった。犬小屋のまわりには、犬の足跡と、人の足跡がいくつかあった。
「夜の間、何か物音の様なものは聞こえなかったですか?」
「んー、わしらの家族は、誰も気づかなかったな」
「最後にひとつ、いいですか? ベンチは、知らない人が来たりしたら、吠えますか?」
「あぁ、もちろん。吠える。番犬だからな」
「ありがとうございました。」
「何か、わかったのかい?」
「いえ、まだ何も。」
「そうか…」
小太り気味のおじさんは、ちょっと残念そうな顔をしていた。
「では、探しに行ってきますね」
「あぁ、よろしく頼む。」
依頼主の家をあとにした俺達は、座標位置目指して歩いていた。
「カラムちゃん、それで、どこを探すの?」
「うん、話を聞くと、ベンチは誘拐されちゃったんじゃないかなと思って」
「誘拐? 確かにそうねー自分で鎖を外してお出かけとか、しないわよねー」
「うん。」
「でも、ベンチを誘拐して、どうするのかしら? 犬でしょ?」
「わからないけど、誘拐して、依頼が出たら、依頼を受けて、見つけたと言って
報酬を貰うとか。」
「自作自演って事?」
「うん、そうかなーって思って。今回は、ぼくが受けちゃったけど、
もし、受けないでしばらくしたら、報酬が上がってたかもしれないよね」
「なるほど。報酬が上がってから、依頼を受けた人が犯人! って事?」
「その可能性もあるかなーって」
母は、何か考えていたが、「で、どうするの?」って、聞いてきた。
「とりあえず、聞き込みから始めてみようかな。」
座標位置の近くまでくると、一軒の家が立っていた。
ベンチはあの家の中にいる!
どうやって、あの家の中に入ればいいかな?
犬を探してるんですが? とか言ったら警戒して、家の中に入れてくれないよな。
どうしよう?
まずは、あの家に住んでいる人が誰なのか? 情報収集だな。
近所の家を尋ね、あの家に住んでいる人を聞いた。
Dランクパーティ 『イササカナイツ』が、拠点としているそうだ。
パーティか、テーブルあるかな?
あった!
sql> select * from partys where Name like '%イササカナイツ%';
*************************** 1. row ***************************
Id: 53
Name: イササカナイツ
Lank: D
~
~
sql> select * from party_players where PartyId = '53'\G
*************************** 1. row ***************************
Id: 211
PartyId: 53
PlayerId: 712234
*************************** 2. row ***************************
Id: 212
PartyId: 53
PlayerId: 712235
*************************** 3. row ***************************
Id: 213
PartyId: 53
PlayerId: 712236
*************************** 4. row ***************************
Id: 214
PartyId: 53
PlayerId: 712237
4 rows in set (0.00 sec)
4人パーティみたいだ。
よし、ステータスの確認といこう。
sql> select * from players where id = '712234'\G
*************************** 1. row ***************************
Id: 712234
Name: イササカ
Kind: 000
Lv: 21
Hp: 90
Mp: 15
Sp: 0
Strength: 31
Attack: 29
Vitality: 37
Defence: 27
Intelligence: 8
Dexterity: 7
Agility: 16
Luck: 3
Job: 冒険者
BodyAge: 45
MentalAge: 45
BodyGender: 1
MentalGender: 1
~
~
sql> select * from players where id = '712235'\G
*************************** 1. row ***************************
Id: 712235
Name: サブ
Kind: 000
Lv: 18
Hp: 82
Mp: 22
Sp: 0
Strength: 25
Attack: 22
Vitality: 30
Defence: 21
Intelligence: 15
Dexterity: 20
Agility: 32
Luck: 8
Job: 冒険者
BodyAge: 32
MentalAge: 30
BodyGender: 1
MentalGender: 1
~
~
sql> select * from players where id = '712236'\G
*************************** 1. row ***************************
Id: 712236
Name: ハチ
Kind: 000
Lv: 20
Hp: 70
Mp: 50
Sp: 0
Strength: 27
Attack: 28
Vitality: 31
Defence: 19
Intelligence: 22
Dexterity: 27
Agility: 29
Luck: 10
Job: 冒険者
BodyAge: 27
MentalAge: 27
BodyGender: 1
MentalGender: 1
~
~
sql> select * from players where id = '712236'\G
*************************** 1. row ***************************
Id: 712236
Name: ジンロ
Kind: 000
Lv: 17
Hp: 54
Mp: 40
Sp: 0
Strength: 19
Attack: 20
Vitality: 21
Defence: 18
Intelligence: 25
Dexterity: 27
Agility: 34
Luck: 11
Job: 冒険者
BodyAge: 25
MentalAge: 25
BodyGender: 1
MentalGender: 1
~
~
あんまり、強くなさそうだね。
さて、どうするか。
お読み頂きありがとうございます。
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