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第81話

満月が高い位置で、雲に見え隠れしている。

そんな、月明かりの道を二人で歩いていた…

真夜中なのか…

足音だけが、やけに大きく聞こえてくる…


木造の大きな屋敷に続く道を、カラム達は歩いていた。


貴族が住んでいたのかもしれない…

その屋敷の庭は荒れ放題で、廃墟と化している…

白い靄が漂い、邪悪な何かが、潜んでいてもおかしくないと

思わせる何かが、その屋敷からは感じられた…


『リミット、地図は使えるか?』

『ダメね。ワールドマップとは違うみたい』

『そっか…ダンジョンマップがあるって事だな。

確か、ワールドマップの時は、地図を表示したいって強く思ったら

MappingApi の使用が可能になったんだった…

ダンジョンマップも、表示したいって思ったら、いけるかな』


『!? おにいちゃん、何かダウンロードが始まったわ!』

『マジか…』

.......

Cemetery area map download completed.

Would you like to switch?

➡ Yes.

No.


アラートモーダルが表示された。

当然、Yes.を選択。


ワールドマップから、ダンジョンマップへと地図が切り替わった。

『おー! 表示された! ココアはどう?』

『まだ、何も表示されない』

『リミット、何か判るか?』

『ダウンロード中みたいね。もうすぐ切り替わるわ』

『あ! 表示された!』

『よし! 地図は使えるな。

モンスターはいないのか? 表示されないが…』

『ダンジョンのモンスターは、テーブルが違うのかも』


『そうか! そうかもだな。それらしいテーブルを検索しよう。

今は、enemys テーブルを検索してプロットしてたんだが…

もしかして座標系が違うのかな?

緯度経度、標高とかじゃないとか…

分からないけど、分けてある可能性はあるな。

enemys 付いてるテーブル検索して、それっぽいの探すか…』


『dungeon_enemys テーブルがあったw

まぁいいか…

このテーブルの座標で地図にプロットしよう!

リミット、いける?』

『うん、大丈夫。やってみる。』

『よろしく!』


だいぶ、屋敷に近づいてきた。

道の両側に、墓がある。

誰も来ていないのだろう、薄汚れて朽ちかけている。

そんな墓の周りを、ドライアイスの様な白い靄が漂っていた…


もう5分くらい歩いているはずなのに、モンスターは出てきていない…

二人の足音だけが聞こえてくる


『モンスター出てこないね』

『だな』


そんな話をしていた時だった。


ぼこっ


足音以外の音が聞こえた。

音の方を見ると、墓の前の土から手が出てきた!?


『!?』


その横の墓からも、手が!?

道の両側にある墓から、次々と手が伸びてくる

棺桶の蓋が横にスライドし、そこからも手が出てきた。

手の次は頭が、朽ちかけた身体が、だんだんと、現れてくる。


カラムも、ココアも、つい、見入ってしまった。


『マジか!』

『凄い! リアル! こんなお化け屋敷初めてかも!』

『お化け屋敷じゃないからな』

そんなツッコミも弱かった。

ゾンビが現れる瞬間とか、超カッコいい!

とか思っているカラム。

見入ってしまうのも、仕方がなかった。


『おにいちゃん! 囲まれてるわよ!』

『あ!』

『ホントだ』


墓から出てきたゾンビ達に、カラムとココアは、囲まれていた。


『あーとりあえず、エアカッター撃っとくか。

ココアは、セイクリッドインパルスを試してみて』

『ラジャ!』


『エアカッター!』

『セイクリッドインパルスーー!』


何も出ない…

盛大な不発…


『あれ?』

『なんで? 出ない?』


ゾンビ達は、輪を狭めてくる!


『エアカッター! エアカッター! エアカッター!』

『セイクリッドインパルス! セイクリッドインパルス! セイクリッドインパルス!』


二人で何発も撃ったが、全て不発だった…


『ヤバい! なんで、出ない?』

『どうして? ゾンビが近づいてる! カラム、どうしよう!?』

『二人共、落ち着いて!

ステータスが、魔封になってるわ!』


『魔封? なんだそれ?』

『放出系の魔法スキルが使えないみたい。』

『放出系? って事は、身体強化は使えるんだな?』

『たぶん』

『カラム、ゾンビやっつけて!』

『えーーやだよ!』

『なんでよ!』

『ゾンビとか、パンチしたくない!』

『そんな…どうすんのよ!』

『逃げるしかないよ! こんなの!

それとも、ココア、殴っってみる?』

『いやよ! ゾンビになんか触りたくない!』


『そんな事、言い合ってる場合?

ゾンビが目の前よ!』


『やば! ココア、ジャンプだ!』

『ラジャ!』


身体強化は、ダンジョンに入る前に、使っている。

二人は、ゾンビの輪から、ジャンプで逃れた。


『やばかったーって、よく見たら、めっちゃ、いるじゃん!?』

『さっきまで、誰もいなかったのに! 出てき過ぎ!』

『放出系が使えないって事は、籠球はどう?』

『ダメみたい! 籠球出てこない!』

『ストーンバレットも、ウォーターボールも、放出系か…

ダークバインドはどうかな? ココア、試してみて!』


『ダークバインド!』

不発だ。


『だめか…

ちなみに、リミットも、放出系スキル使えないよね?』

『おにいちゃんが、使えないなら、うちも使えないわ』

『だよねー』

『剣とか持ってくるべきだったか…』

今は、それより、魔封ステータスを調べてもらおう!


『リミット、魔封ステータスって、どうやって解除出来るか? 判る?』


『今、調べてるけど、タイムリミットがあるみたい』

『時間で切れるって事?』

『そうみたい。えーと…120秒…2分我慢すれば、

放出系の魔法スキルが使えるわ!』


『さんきゅーわかった!』

『ココア、2分、逃げまくろう!』

『ラジャー!』


ゾンビの数はどんどん増え、既に50体くらいが、カラム達に

迫っていた。


『とりあえず、あの屋敷に逃げ込もう!』

『え? あの屋敷に? やばくない?』

『そうなんだけど、道も墓もゾンビだらけだよ!

屋敷に入れば、何か、棒みたいなのあるかもだし!』

『わかった! 棒でひっぱたくのね!』


さいわい、ゾンビの動きは遅い。

それに、今の所、屋敷の方にはゾンビはいない…

二人は、武器になる様なものを探しに、屋敷にむかったのだが…


まだ、制御が甘い、ココアの身体強化スピード

ちょっと、走ったら、屋敷の玄関をふっ飛ばしていた。


『あ! 大丈夫?』

『……………、うん…大丈夫…』


怪我は無いようだ…

とにかく、2分間、逃げ切らないと!


玄関? をふっ飛ばして入った屋敷の中は、大きなホールがあり、

左右に2階へと続く階段があった。

かなり大きな屋敷で、奥へ続く扉と、左右にも扉がある。

ホールにゾンビは見当たらないが、いつの間にか、

魔封ステータスにされていた事が、気になり、

注意を怠ったのがいけなかった。


バリーン!


ガラスが割れる音がしたと思ったら、ゾンビがガラスを破り

屋敷に侵入してきていた!


『まだか! 2分!』

『あと、60秒!』

『まだ、そんなにあるの!?』


『棒みたいなのないかな…』

『あそこ! 鎧が飾ってある! 槍持ってるよ、あの鎧!』

『お! 鎧か…』

カラムのテンションが下がったのを不思議に思ったココア。

『? 鎧の槍、ダメ?』


『うーん…

鎧とか、動きそうじゃね?』

『えーー!? あの鎧が動くの?』

『定番っていうか…

近づいたら、動き出して…みたいな』

『そうなんだ…』

『だから、ココア、あの鎧には近づくなよ…』

って、言ったそばから、近づいたココア。


『この鎧が動くのか…』

と言った時、鎧が動き出した!?


『避けろ! ココア!』

間一髪、槍を避けた。


『だから、言ったのに!』

『ごめんー、ほんとだったよー』


ホールを逃げ回り、2階への階段を上った。


2階から下のホールを見ると、わらわらと、ゾンビで

溢れている。


『なんだ、こいつら! めっちゃいる!?』

その時、リミットが、カウントダウンを始めた!


『5、4、3、『『2、1、0!』』』


2からは、3人でカウントダウンを唱えた。

魔封のステータスが消えた。

ここからは、ボク達のターンだ!


お読み頂きありがとうございます。

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