第8話
冒険者ギルド 受付
「薬草を売りに来たんですけど、ここで大丈夫ですか?」
「あら、カラムくん、さっきぶりね。クエリーさんも」
笑顔で答える二人。
「クラスター、お願い出来るかしら?」
「はい、大丈夫ですよ。登録は済んでますから、そちらに付けておきますね。」
「ありがとう。お願いね」
「じゃあ、カラムくん、ここに、薬草出してもらえるかな?」
「はい」
俺は、リュックからキズール草を取り出して、受付においていく。
「母さんのも出して」
「はいはい」
受付の机は、キズール草で、一杯になった。
「こんなに!」
クラスターさんは、びっくりしていた。
「今、査定するから、少し待っててね」
「はい」
暫く待つと、査定が終わった。
「えーと、キズール草が、50本で、状態もいいので、1本5Zで買い取ります。
50本なので、全部で250Zだけど、どうですか?」
「はい、それでいいです。」
「ありがとう。お金はギルドカードに付ける事が出来るけど…
そっか、まだ無かったわね。じゃあ、現金にしましょう」
俺は現金で、250zを貰った。大銅貨2枚と、中銅貨1枚だった。
この国の貨幣は、1zというらしい。
一枚あたりの値段は、こんな感じ。
小銅貨 1z
銅貨 10z
中銅貨 50z
大銅貨 100z
銀貨 1000z
大銀貨 5000z
金貨 10000z
白金貨 100000z
物価は、銀貨1枚あれば、結構いい宿屋に泊まれる。個室じゃなければ、大銅貨1枚でも
泊まれる所があるらしい。
串焼きとかも、銅貨1枚で買えるし、物価は10分の1くらいかな? もっとかな?
物によっても違うから、わからないけど。
結構歩いたけど、毎日、これくらい稼げれば、十分暮らせる気がする。
薬草取りすぎて、買い取り価格が下がったりしたら、困るけど。
ちなみに、ポーションは1本、銀貨5枚だそうだ。
高いなー
「よかったわね」
大銅貨を見てる俺を見て、母がニッコリしてた。
「クラスターありがとうねーまたよろしくね」
「こちらこそ、ありがとうございます」
そんな感じの挨拶をかわし、ギルドを後にした。
家に着いたら、もう夕食の時間になっていた。
色々と確認しなけりゃいけない事が、一杯あるのだが、
猛烈な眠気に耐えきれず、寝てしまったらしい…
気づいたら、翌日の昼になっていた。
今日は、とにかく薬草の確認だな。
冒険者ギルドに行く前に、母と一緒に、昨日キズール草を採取した場所に来た。
「やっぱり、生えてる!」
「よかったわね。今日も、薬草採取にするの?」
「んー今日は、これだけにしとく。」
他にやりたい事って、いうか確認したい事があるし。
「そう。これから、冒険者ギルド?」
「うん。」
キズール草が生えていた事で、RespawnTime が、秒で確定した。
でも、ちょっと確認。
昨日のイベントのIDは、129 か。
Id は、primary Key みたいだから、これで検索と。
sql> select * from events where Id='129';
*************************** 1. row ***************************
Id: 129
Name: キズール草を集めよう!
PlayerId: NULL
ItemId: 30
EventKind: 002
EventFlag: 001
RespawnTime: 86400
MaxQuantity: 10
Quantity: 8
latitude : 35.738449
longitude : 139.327006
elevation : 130.8461303710938
~
~
StartUpTime : 3023/05/08 13:15:20
StartUpTime これに、採取した時間が入ってるみたいだな。なるほど。
一応、現在時刻の確認と。
sql> select now();
+---------------------+
| now() |
+---------------------+
| 3023-05-08 13:17:05 |
+---------------------+
1 row in set (0.00 sec)
うん、さっき採取した時間ぽいな、StartUpTime 。
ふむふむ。
昨日、歩いた中で、キズール草がない座標のデータがあった。
EventFlag が、000 のデータだ。
フラグが立ってないって奴なのかな?
そんな事を考えながら、ギルドへ向かう。
受付で、ギルドカードを受け取り、キズール草1本を売った。
「母さん、今日は、この依頼をやってみたい」
「ん、どれどれ? 犬の捜索?」
「うん」
「結構大変だけど、大丈夫? 捜索の依頼って、誰もやりたがらないのよねー」
「なんで?」
「なかなか見つからないってのもあるけど、期限ぎりぎりまで、何もやらずに、
見つかりませんでしたって、報告する冒険者がいたりしてね、それで、報酬を
貰うから、依頼主も納得出来なくてね。色々とトラブルになるのよ。」
「ふーん…」
「だから、捜索証明みたいな報告が必要になってね。面倒だから、やらない冒険者が
多くなっちゃったの。報酬もそんなにいいわけじゃないし、他の依頼をやった方が
稼げるからね。」
「そうなんだ、大変なんだね」
確かに、見つからなかった時が、大変だなー
依頼失敗にされたら、困るし。
とはいえ、俺には、座標データを検索すれば、居場所を特定出来る!
失敗なんて、ありえないっす!
つーことで、依頼表にあるお犬様のデータを検索だ!
sql> select * from players where name like '%ベンチ%'\G
*************************** 1. row ***************************
Id: 500002
Name: ベンチ
Kind: 003
Lv: 1
Hp: 12
Mp: 0
Sp: 0
~
~
latitude : 35.7403892
longitude : 139.3302040
elevation : 120.8334621
あった!
この座標だと、結構近くにいそうだ。
よし、この依頼を受けてみよう!
掲示板の依頼表を剥がして、受付に持っていった。
「こんにちわ。この依頼を受けたいんですけど」
「はい、こんにちわ。犬探しの依頼ね。依頼主の住所はこれね。
最初に、依頼主の所に行って、捜索開始の日付と、サインを貰ってから
探しはじめてね。見つかった場合は、依頼達成のサインを貰って、ギルドに来てください。
成功報酬を預かってますので。」
「見つからなかった場合は、どうなりますか?」
「見つからなかった場合は、探した場所などのレポートの提出を依頼主に出して、
サインを受け取ってください。成功報酬の半分が支払われます。」
「わかりました。」
なるほどね。依頼によって、色々あるんだな。ギルド規約に載ってないね、これは。
銀貨1枚の報酬では、割に合わないかもしれない。
「他に何か、聞きたいことはあるかしら?」
「大丈夫です。」
「では、受理しましたので、頑張ってください!」
「はい」
母は黙ってみていたが、「何事も経験ね…」とつぶやいていたのが聞こえた。
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