表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/209

第5話


翌日


身体の方はすっかり元気になり、頭も痛くない。

お腹が空いてたので、食堂に行く。

寝間着のままだ。

着替えとか面倒だし、何を着ていいのか? 正直わからなかった。


「おはよう」

「おはよう」

食堂につくと母がいた。

他の二人は朝早く出かけたらしい。

「デヴィッドも、レコードも、カラムに会いたかったみたいだけど、

寝てたから、起こさない様に、言ったの。

寝顔だけ、見て、出かけたわ。」


寝顔を見られたのか…うー…


「母さん、この頭に巻いてある奴って、いつまで巻いとくの?」

「薬師さんが言うには、1週間って言ってたわよ」

そういえば、全治1週間って言ってたな。

この世界の1週間は、6日である。ひと月30日で、5週。12ヶ月で1年、360日。

めちゃめちゃ、きりがいい。

一日も24時間。日本にいた時と同じだ。

1週間も巻いとくのか…

やだなぁ。


「さ、ご飯食べて! 冒険者ギルドに行くわよ」

「はーい」


着替えは母が手伝ってくれた。

長袖のシャツに、長ズボン。腰のベルトに短剣があった。

背には小さめのリュックを背負っている。

平民がよく着る服装だそうだ。

革の鎧とか着ないの? って聞いたら、まだ必要ないって言われた。



はじめて家の外に出た。

時間は、朝の9時頃か。


sql> select now();

+---------------------+

| now() |

+---------------------+

| 3023-05-06 08:36:31 |

+---------------------+

1 row in set (0.00 sec)


日時をSELECTしてみた。

3023年なんだ! 5月6日か、なるほど。

これが西暦なら、俺のいた日本より、1000年たってるな。

まぁ、違うんだろうけどね。


俺達の家は、大通りに面していた。

行商人をやっているが、家の一部で、店もやっているようだ。

馬車を2台停めるスペースがあり、結構広い。

家族以外にも、使用人がいた。

「リカバリー、あとはよろしく頼むわね。」

「承知しました。奥様。カラムちゃんもお気をつけて。」

「はい」

リカバリーさんか、なんだか頼もしいな。


俺達は、大通りを東に向かって歩いていった。

馬車も人も多く、町は結構な人でで、賑わっていた。

中世ヨーロッパ的な感じなのかな?

石畳の道路、石作りの家に、木で出来た扉や窓。

俺のいた地球でも、ヨーロッパあたりでありそうな風景をしていた。

ただ、道を歩く人が、人間以外もいる所が違う感じだ。


おー! 猫耳だ! 犬耳ぽい人もいるな。

うん、ここは、やっぱり、異世界だな。

エルフもいるかな?

キョロキョロとあたりを見てみるが、それらしい人は見当たらなかった。

母に聞いてみようかと思ったが、カラムがこんな事を聞くのは

変かもしれないので、やめておいた。

カラムなら、知っていて当然の事かもしれないし。

そうだ、players テーブルに、種族情報があったな。


コード変換テーブルもありそう。

あった!


sql> select * from player_race\G

*************************** 1. row ***************************

Race: 000

Name: 人族

*************************** 2. row ***************************

Race: 001

Name: エルフ族

*************************** 3. row ***************************

Race: 002

Name: ドワーフ族

*************************** 4. row ***************************

Race: 003

Name: 獣人族

*************************** 5. row ***************************

Race: 004

Name: 蛮族

*************************** 6. row ***************************

Race: 005

Name: 竜族

*************************** 7. row ***************************

Race: 006

Name: 精霊族


おー!

結構いるなー

エルフもドワーフもやっぱりいた。

獣人族は実際に見たし、蛮族? 竜族なんてのもいるんだ。

精霊族か、会えるのかな?

夢が広がるな!

ちょっとテンションあがってきた。


そんなカラムを観察してたクエリー

『さっきまでキョロキョロしてたのに、今はどこか焦点の合わない

場所をじっと見てるし。おかしな子ね…』


そんなこんなで、やって来ました、冒険者ギルド。

西部劇に出てくるようなスイングドアを開けると、カランコロンと

音がした。


冒険者ギルドにいた冒険者達の視線が一斉に集まる。

ここは、定番のあれがくるのかな?

新人冒険者に絡んでくる先輩冒険者が。


そんな定番のイベントもなく、ギルドの受付までやってきた。

まぁ、母もいたしね。


「冒険者登録をしたいのだけど、いいかしら?」

受付のお姉さんに、母が訪ねた。

「お久しぶりです。クエリーさん。今日の登録はそちらのカラムくんで

よろしいですか?」

「ええ、カラムの登録をお願い。久しぶりね、クラスター」

「カラム、ギルドの受付のクラスターさんよ。挨拶なさい」

「はじめまして、クラスターさん。カラムです。宜しくお願いします」

『あれれ、何回か会ってるはずなんだけどな。忘れちゃったのかな?』

クラスターさんは、ちょい首をかしげて、不思議そうな顔をしていた。


「ごめんね、クラスター、カラム、頭をうっちゃって、

色々と忘れちゃってるみたいなの」

母がフォローしてくれた。

やばい、顔見知りだったか…はじめましてとか言っちゃったよ。


「あぁ、はい、そうなんだ。大丈夫かな? カラムくん」

「はい、大丈夫です。その、すいません…」

「はは、謝らなくても大丈夫よ。ちょっと寂しかったけど…」

『ははは…』

「じゃあ、この用紙に記入して持ってきてね」

「わかりました」


渡された紙を見ると、名前とか年齢、拠点にしてる場所とか、

所持スキルなどを記入するみたいだ。

所持スキルは、書きたくない場合は、書かなくてもいいらしい。

冒険者の手の内を明かす様なものだからね。

スキルは書かないでおくとしよう。


記入して持っていった。

「はい、ありがとう。ん?」

「カラムくん、これなんて書いてあるの?」

「え?」

よくみたら、日本語で書いてあった。

やばっ、異世界言語、読めるし話せるけど、書くのは翻訳してくれないんだ。

これは、書き取りの練習をしないとだめだな。

「母さん、字が思い出せないみたい」

「あらあら、大丈夫かな? まだ家で寝てた方がいいかしら?」

心配そうに俺を見つめる母。

「ダイジョウブ。身体はなんともないから」

「でも…頭が…」

「うっ!」

地味に削られるな。頭が悪いみたいで…


「代わりに書いて」

「はいはい、書いてあげるわね」

さらさらと、用紙に書き込む母。

「クラスター、これお願いね」

「はい、承知しました。」

ざっと、確認して不備が無いようなので、俺の冒険者登録は完了したらしい。

「冒険者カードは、明日、取りに来てください。

この後は、講習があるので、2階の講習室に行って、待っててね。

係りの者がすぐに行くから」

「はい、わかりました」


新人冒険者は、講習を受けないといけないらしい。

冒険者ギルドについてとか、依頼の受け方とか、依頼完了のサイン

の貰い方とか、依頼報告の仕方など、最初にきっちり、教えるみたい。


「さぁ、2階に行きましょう」

「母さんも講習受けるの?」

「そうね、カラムちゃんがきちんと講習受けるられるか? 見とかないとね」

にっこり微笑む母。


お読み頂きありがとうございます。

ブックマーク、評価など頂けるととても励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ